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もう卒業も間近だ。
ところがある夜、ようをたそうとトイレに行きドアを開けると、便座に男がズボンも下げないままに座っていた。
すぐにわかった。
その男は俺自身だったのだ。
つまり影。
俺はドアを荒々しく閉めた。
影はまたやってくるだろう。
それも明日。
そしてその影を見た俺は死ぬのだ。
以前ならは真里沙に助けてもらうところだろう。
しかし真里沙とは別れてしまった。
原因は俺の浮気。
真里沙以上に美人でプロポーションのいい女に出会ってしまったのだから仕方がない。
今は真里沙の連絡先も知らないし、何処に住んでいるのかもわからないのだ。
とにかく時間がない。
影は明日になれば必ず現れる。
俺が何処にいようと。
俺は考えた。
――……どうしよう?
終




