表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その冒険者、まさに下道  作者: タツヤ・ピエロ
1/2

第1話「その冒険者は下道」

「兄さん、私は…」


「おい!ゆい!何て言ったんだ!!教えてくれ!!」


バッ!


「はあはあ…」

俺は手を伸ばしたままベッドをグッショリ濡らしたまま起きていた


人は寝ている時にコップ一杯ぐらいの汗をかくと言うがこれはコップ二杯はいっているな


そんなどうでもいいことを考えながら俺は部屋のチャイムを鳴らしたら宿の少し痩せこけた男の店員がやって来た


「お客様…注文は何でしょう…?」

その宿の店員は震えながら聞いてきた


「朝から酒を貰おうかな、俺は駄目人間だからな」

そう俺は笑顔でいいながら銃口を店員に向けた


「ひぃー、分かりました!今すぐに!」

店員は血相をかいてどたばたと俺の酒を取りに行った


勘の良い、読者の皆さんはもうお気づきだろうがここは今流行りの異世界である


全てが剣等の原始的な近接戦闘様の武器、若しくは中距離型で訓練を相当積まなきゃ射つ事もままならないし出来たところで圧倒的に銃には劣る弓矢、そして俺の世界では絶対解明不可能な魔法と言う非科学的な攻撃が攻撃の中枢を占めているなか俺は銃を作り出した


まあ、銃には詳しく無いがベレッタ92の類いで使い勝手がいい自動拳銃である


この世界には決して似つかわしくない武器、そしてこの世界の人間は誰もこの武器を知らない

だから、この武器の怖さを知れば直ぐにいいなりだ


トントン


扉を叩く音がした


「入れ」


「失礼します、ご注文されたお酒をお持ちしました」


「すまないな、じゃあそこに置いといてくれ」


「あの~、失礼ですがお客様、その~」


「どうした?俺とお前の仲だろ?言ってみな」


「そうですか、失礼ながらご注文の品と宿の料金を払って頂きたいのですが…」


「すまないが金は無いんだ」

俺は銃を持ったまま答えた


「あ、左様ですか、ならいいんです。ごゆっくりして下さい」

その店員は去り際に少し口角が上がったのを俺は見逃さなかった


「おい!」


「ひぃ~」

店員は頭を抱え怯えていた


「そんなに怯える事無いだろ?いつもあんたにはすまない事をしていると思っている。金の無いこんな俺を泊めてくれてな。ツケだっていつか返そうと思っているんだ」


「はぁ、ありがとうございます。では私は他の仕事があるので失礼するのでごゆっくりして下さい」


「ちょっと待ってくれ!金はまたまとめて払うから今日は俺とあんたの友好の証として俺に一杯奢らせてくれないか?」


「ありがとうございます、ですが私は仕事がありますのでお酒はちょっと…」


バン!!


パラパラ


天井に穴が空き木くずが落ちてきた


「俺に恥をかかすのか?」

そう俺は満面の笑みを浮かべて言った


「い、いえ、頂きます、じゃあ私の分を下から持って…」


「その必要は無いぞ、ここにあるじゃないか、あんたがついさっき持ってきた酒が!!」


「ひぃー」

その店員は悲鳴を上げながら逃げ出した


バン…!


「グッ…!」


俺は逃げようとする店員の足を撃ち抜くと店員は撃たれたところを押さえながら倒れた


「おいおい、お兄さんどうして逃げるんですか?」


「ひぃー」


俺はその足を撃たれてもなお滑稽に逃げまとおうとするその男を見て心の底から笑みがこぼれた


「さぁ、これを飲んで」


「うぅー、ぶくぶく…」

俺はその店員が持ってきた酒を飲ましてやった


「げほげほげほ、げっぼ、…」

その店員は咳き込みながら血を吐いて死んだ


「やっぱり毒かー、古典的だなー、戦国時代の本読んどいて良かった」


そして、無様に死んだ店員を見下ろしながら言った


「部屋も汚れた事だし、宿変えよ」


ドーン!!


すると下の玄関が凄い勢いで蹴破られそこには金髪の下着ぐらいの面積しかない鎧を着た女騎士が現れた


「よう!来たのか、露出狂!」

俺は二階の部屋からその女に手を振った


「露出狂ではありません。私は弱き民を守る絶対の勇者です!」

そういってその女は無駄に立派な剣を俺に向けた


「これは失敬、露出狂の勇者様、この弱き民の俺は逃げさせて頂きます!」


「そうはさせるか!」


「追ってこれるかな?」


パリン


そう捨て台詞を吐いた俺はあらかじめ用意してあった火薬瓶を床に叩き割った


するとその宿はみるみるうちに燃え盛り燃えていった


「逃がしません!」


「いいのか?ここの人達の避難は?」


「くっ…!」

「皆さん!早くお逃げ下さい!」


「あははは!」

俺は高笑いを上げてこの場を後にした


そうそう、俺の名は海老フライ

この世界に来るとき適当に今食べたい物で自分の名前をつけたら変えられなくなってしまった


が、どうでもいいから気にしてない


因みに俺はこの世界に来た時、職業は一番オーソドックスな冒険者と言う事になったが冒険者ってぶっちゃけ無職じゃね?

そもそも冒険者って何?

冒険する人?

商売をする訳もなく何処かに勤めてもないから仕事も無いから給料も無いじゃん


じゃあ俺のやってる事も致し方無いだろ?

冒険者=無職=犯罪者予備軍みたいなもんだろ?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ