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~これがあれば異世界最強⁉~

いつからか、人を殺す時の感情が無くなっていた。

一瞬の躊躇いも無く、ただ殺した。殺し続けた。

その報いを今、受けることになったのだが、後悔は無かった。


「只今より、神谷翼(かみやつばさ)の公開処刑を開始する」


こんな時代に公開処刑なんかするのかよと思いながらも口には出さない。まぁ、俺は十万人もの人を殺したわけだし、そうなるのも仕方がないことだろう。

俺は貧困が激しいスラムの地域で生まれ、育ってきた。親は子を売り、自分のためだったら何でもする。そして逆に利用されて命を絶つ。そんな光景を何百、何千回も見てきた。だから俺は、一度だって人を信用したことが無かった。信じられることは、『殺せば勝ち、殺されたら負け』という事実だけだった。そう思った時からは早かった。独学で暗殺術、戦闘術を極め、実戦での経験を積んだ。次第に、自分の感情はあれど、顔には出なくなっていた。十万人程人間を殺したとき、突如空から一枚の手紙が降ってきた。その手紙には、こう書いてあった。


『拝啓 人を信じることのできない憐れな人間よ。貴方に信じるということを教えてあげましょう ジャック・ザ・リッパーより』


その手紙を読んだ途端、周りの景色が一変した。肉塊と血で埋め尽くされた草原だったが、目の前に少し大きめの円卓と一つの椅子が現れた。この時、何故か俺は目の前の椅子と対峙するようにもう一方の椅子に座っていた。それ以外には何もなかった。ただただ暗闇が支配していた。


「やぁ、素直に手紙を読んでくれた君。僕はジャック・ザ・リッパーだよっ☆ジャックと呼んでもらっていいよ。言ってることがわかったかい?翼クン」


唐突に話しかけてきた青年は、その男の娘みたいな顔をニヤリとした顔に変えながら言ってくる。


「なぜ俺の名前を知っている」


「君のことなら何でも知っているよ☆理由は話さないけどねっ」


なんだこいつ。わざわざイラつく話し方しやがる。それも話す度に変な動作つけやがって


「と、いうことで翼クンにはあるゲームをしてもらう。拒否権はないよ」


「嫌だといったら?」


「その時には次元の狭間にでも閉じ込めてみようかなっ☆」


おいおい、冗談だろ。でも、こんな場所を用意した奴だしそれもできるかもしれないな。怖っ!!


「わかった。で、そのゲームとはなんだ?」


「それはねぇ、チェスだよ。でも、ただのチェスじゃあない。一つ一つの駒に翼クンの記憶が入っているんだよ。僕の駒にはないけどね☆反論は受け付けないよ。さて、早速始めようじゃあないか」


ジャックがそう言った瞬間、円卓の上にボードと駒が現れた。


「あ、一つ言い忘れていたけど、キング、クイーン、ルーク、ビショップ、ナイト、ポーンの順に失われる記憶の量は多くなるからね」


「おい、そんなの一方通行だ」


「翼クンも知っていると思うけど、この世界には一方通行なんて数えきれないほどあるんだ。これもそのうちの一つだと思えばいいさ」


確かにそうだ。だから引き受けた以上、本気で挑むしかない。


「さぁ、始めよう。翼クンの新しい人生の幕開けだ!」






2時間が経過した。戦況は俺の方が有利だ。だが有利になっている気がしない。なぜだかジャックが手を抜いているように思えてくる。

さっきも、チェックメイトできる可能性のある一手を迷いなく間違えている。

このゲームももう少しで終わってしまうのだろう。


「おい、手を抜いてないで本気でやれよ」


「いやいや、手を抜いてる訳ないじゃん。これはそんな軽い気持ちでやっていいゲームじゃあない。このゲームは遊びじゃあないんだよ」


「それは重々承知している。なんせ俺の記憶がかかっているんだからな」


なにかが引っかかる。なぜ俺に勝負を挑ませたのか、なぜ俺にデメリットだけあってジャックの奴にはなんのメリットもないことをやっているのか、何故それで負けなければいけないのか。

そう考えている内に決着がついた。犠牲になった俺の駒(記憶)は、ポーン5個、ナイト1個、クイーン1個、ルーク1個、ビショップ1個だ。これでどれだけの記憶が失われるのか。


「あー、負けちゃったなぁ。まぁいいや。こっちには何のデメリットもメリットもないんだから。さぁ、翼クンの記憶の一部を消す時が来たね☆覚悟はできてる?」


「一つ聞きたいことがあるんだが、いいか?」


「質問を質問で返さないで欲しいな。まぁ、いいよ」


「なんでこんな無駄なことをしているんだ?」


「それは、仕事だからさ」


ジャックがその言葉を言い終えた刹那、視界が光に包まれた。


そういうわけで今、処刑台にいます。失った記憶は、ここに来るまでの記憶でしょうか?

気持ちを切り替え、この世界へのお別れを告げようと思います。


「さようなら」


いつの間にか、涙を流していた。その涙に気が付いた直後、ギロチンが下ろされ、俺の首が切られた。




……目が見えた。(光だけど)

……音が聞こえた。

……でも、笑えない、感情を顔に表せない。

え?これって異世界転生ってやつ?なんか亜人みたいな人がいるんだけど。あと、なんか服装が豪華で、スナイパーライフル1丁と大量の弾薬、ハンドガン2丁、何かのガイドブック(?)、お金と思われるものをいつの間にか持っていた。

異世界転生って割には優しすぎじゃない?

誰か知らないけど本っっ当にありがとうございます!!!!

こういう系のアニメってだいたい最初に女の子を救うパターンが多いよな。

よしっ。今後の方針がたった。まずは女の子(可愛い娘限定)探しだ!

なんか変態みたいで背徳感が……


「たすけてーーーー!!!」


おっと、早速来ましたかハーレム人生への一歩目!




人通りの少ない所にその女の子はいた。

なんと、レイプされていました。

あっ、ヤバい、どうしよう。

そう思った時にはもう敵に向かってハンドガンを構えていた。


「あんっ///らめぇ~、らすけて~///!!!」

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