炎の円舞(決着編)
[ヒトミ]の発動した異能は?
「[ヒトミ]の「ひとみ」は「【火凍見】」の[ヒトミ]
左の眼よ、炎を凍らせよ。」
唱えると同時に左目を大きく見開く。
その瞳は透き通った蒼いアクアマリンのようだった。
止めていた炎が一瞬にしてすべて凍りつく。
そして、はじけ散って消えてゆく炎。
森の中の延焼も止まるのであった。
宙吊りになっていた[カイト]も地面に落ちてきた。
縄を持っていた手から凍傷がはじまっていた。
一瞬で凍り付いた炎は[カイト]の半身。
運がよかったのはまだ、凍り付いていない半身から落ちたことだった。
「その身体じゃ、勝ち目はないわよ。降参すれば、殺しはしないから」
[ヒトミ]はそう言いながら、[カイト]に近づく。
[カイト]は『しめた』とばかりに異能を発動した。
「[カイト]の「かいと」は「【|火凍】(かいと〔う〕)」の[カイト]」
唱え終わると「[カイト]の凍傷が消え去った。
『地面に落ちたダメージがあるとはいえ、闘えない身体ではない』
そう思った矢先だった。
「降参する意思はなさそうね。 貴方死ぬわよ」
[ヒトミ]がそう言い放った後、[ヒトミ]から大きな力が吹き出した。
「[カイト]の「かいと」は「【火糸】」の[カイト]」
再び糸で攻撃をしようとした[カイト]だったが、
それを見た[ヒトミ]は
「[ヒトミ]の「ひとみ」は「【火盗見】」の[ヒトミ]
その火の力、盗みます」
[カイト]の【火糸】は消える。
「[カイト]の「かいと」は「【火糸】」の[カイト]」
再度異能を発動しようとするが、むなしく声が響くだけだった。
[カイト]の力は消え去った。いや、[ヒトミ]に奪われた。
「無駄よ。私がその火の力、盗みました。
【火糸】だったかしら?」
[ヒトミ]が言い放った直後、【火糸】が[カイト]を襲う。
自分の異能によって自分が捕らえられた。
拘束も解くことが叶わない。
「私の勝ちね。 覚悟しなさい! 罪を償ってもらうわ」
一件落着と[カイト]に言った[ヒトミ]だったが・・・。
「貴女の力があれば、王にでもなれる。お前はなぜ?それを望まない!
あんな[アスカ]のいうことを聞かなくても
お前は何でも手に入れられるんだぞ!」と[カイト]が言い放った。
だが、この一言は[ヒトミ]の逆鱗であった。
[ヒトミ]の逆鱗とは・・・?




