言葉は
2009年に書いた詩です
言葉は語り尽くされる
人間は語り尽くすことができないのに
言葉は説明される
心は説明できないのに
言葉は嘘をつく
本当のことを知っている人などいないのに
言葉は戸惑う
その口許から溢れることを
言葉は忘れてゆく
それは積もり積もった雪のように
言葉は伝わってゆく
誰が最初に言ったかもわからないまま
言葉は佇む
それは存在を愛されたから
言葉は何ものにも触れない
それでいてあらゆる場所にある
言葉は無口になる
何かと無意味にも思えてきて
言葉は生きている
死んでいったものたちの中にさえ