その2
「ばーーーーーーーか。」
と、目の前で、俺の幼馴染である美沙はスマホをいじりながら言った。
ずっと硬直していたため、ミユキとのデートのことなんて覚えられない訳であった。
「まずさ、アンタがネットの人なんて信じるからいけないんでしょー??自業自得ってやつよ。ばかばかばーーか。」
「そんなにバカバカ言わなくてもいいじゃねぇかよ…」
「ダメよ!だって隼人は何回いってもネットやめないじゃん!!」
「お前は俺のお母さんかよっ!ってかそれスマホいじりながら言うセリフじゃねぇ!!」
「あんたとの付き合いはあんたのお母さんとも似たような年数よ!!」
「なんでお前スマホのところだけ飛ばすんだよっ!」
「自分に都合が悪いからよ!」
「俺を貶したいだけってか!!」
何故か美沙とは同じ女とは思えないほど話が進む。
一応、中学時代付き合っていたときもあったが、それはもう昔の話だ。
高校生になってからは、また改めて、普通に絡んでいる。
だからこうして、昼休みに飯でも食いながら、こんなことも平和に話せるのだ。
「…失敗したんだったらまたやり直してくれればいいのに…」
美沙がぼそっと何か呟いたのだが、俺には少し聞こえなかった。
「は?何?」
「?いや、別に何でもないよ?」
「あ、そう。」
「ミユキさん…だっけ??また会ってみればいいじゃん??記憶ないんだったらもう一度、顔を知った状態であったほうがいいでしょ??」
「え?…ああ、そうだな。」
「あ、もう昼休み終わっちゃう。次何だっけ??」
「えぇっと、確か…」
呟き自体は聞こえなかったが、美沙自信も何か思うことがあるかもしれない、だなんて、思う。