長年鍛えてきたこの妄想力を見よ!
一瞬頭でもイカれたのかと思っていたらどうやら事情があるらしい。というのも、称号とは神が決めた物によるらしく先天的に持っているものはごく少数で、大体は王族や善行をした前世などでのボーナス的な感じでもらえるらしい。
「なるほど・・・けど後天的に称号をもらう方法もあるはずですが?」
「だとしても先天的な称号は、一つ一つが真似できないようなものばかりなのだ」
キースは喋りながら、四歳の娘と話す内容ではないなと思いながら、話していく。
「だからこそ今回の白詠石は最高級のものを用意した。普通のではスキルなどはわからんが、これはステータス全てを表示する」
それを聞いた瞬間冷や汗が流れる。もしかしたら『偽情報』さえ暴いてしまうのではないかと。それはマズイ。非常にマズイ。
「え、えーと。それって今すぐやるのですか?」
「ああ。なに、魔力を流せばいいだけだ」
なにかないか、なにかないか!と考えていると一つだけ思い出す。だが成功するかーーー
「どうかなされましたかアーセル様?」
「え?う、ううん!なんでもない(もし俺のあの称号が本当ならこういったこともできるはず)」
一瞬ボソボソと口にし、魔力を流し込む。すると白詠石から一つのカードが出てくる。
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名前:アーセル=ウレイスト=ホーエルラ
年齢:四歳
性別:女性
種族:人間
ATK:5
DEF:5
INT:70
MIND:60
称号
発明:既存の物から新たな発想を得る
早熟:思考能力がパワーアップ。ただし成長は遅くなる
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「ふむ・・・まさか称号を二つ持っているとは」
「キース様。私はこの称号を持つ者に心当たりがあります」
「ふむ、誰だ?」
「南大陸のバリアス帝国のレイナ王女に、東大陸のシェルギナ商業国のフェリアル代表です」
「あの【幼き天才】と【なければつくる】か。確かにそれならば、アーセルのあの異様な発達スピードもわけがつく」
なんか実の親に異様とか言われたよ。これでも自重してるんだけどなー。
さっき行ったことは単純だ、称号の【世界の理】から|新しい魔法を作っただけだ《・・・・・・・・》。まず既存の称号を調べる魔法を生みだして、そのリストから選んだものを、これまた新しい魔法の『かくし事』を使い、上位の探索及び嘘発見器のような役目の魔法をスルーできるようにする。後はそこらへんのステータスをちょちょっと弄るだけでOK。
それにしてもこれはすごい便利だ。さっき使った魔法で、既存の称号を見たけど中には【わらべのみかど】といったものもあった。というか付けられる方は最悪だな、だってこれ童てーーー
「ーーーアーセルよ。このことは他言無用とするが、またなにかやりたいことがあれば言っていいのだからな?」
キースは自分の娘がこんな称号を持っているのならば、実はいろいろ我慢しているのではないかと思った。
これは好都合だと思い、兼ねてから思っていたことを話す。
「ええっと、森への立ち入りを許可してください」
「森か。決められたとこならばよいが、奥に入ってはいかんぞ?それでもいいか?」
「はい!ありがとうございます!父様!」
心からの感謝をすると、父とアンセルが顔を赤くしながら俯く。?なんでかと思っていたが、ローはこちらを見てくすくす笑う。どうやらローには原因がわかっているようだ。
「では早速行ってきます!夕方には戻りますので!」
「あ、ああ。気をつけていってくるんだぞ」
そして私は書斎をあとにした。