魔法だ・・・ヤフィィィィィ!!
さってと、今回は魔法について詳しく調べるとしますか。
俺はやっと頭が回る状態になったのを確認して、まず辺りを見回す。周りは本だらけだ。これ以上調べるのにうってつけの場所はない。
「まずは、魔力について調べよう。このバカ高い魔力の使い道があるかもしれない」
手に取ったのは、「魔法使い:初級編」と書いてある本。やっぱり最初はこういった初歩的なところから調べねば!
「魔力とは生きる上で欠かせないものである。魔力とは生まれた時から体の中にあるものであり、これが失くなれば死ぬ。・・・すっごい物騒なことが書かれてるよ」
魔力とはこの世界ではなくてはならない物質らしい。地球でいう酸素みたいだ。しかし魔力とは一般的には寿命と捉えられているらしくて、普通の一般人が平均寿命40~50歳に対して、魔法使いの平均寿命は100~300歳と明らかに逸脱している。
そう考えると自分の寿命が気になる。あれだけの魔力だったらいつ死ぬのだろうか?まぁこれは後回しにして。
「初歩の魔法は・・・「水よ」「火よ」「風よ」の3種類らしいな。やっぱものは試しで、一回使ってみるか!」
テンションはMAXである。初めての魔法!憧れていたものがついに自分の手で!と思うと涙が出そうになる。
「はぁぁぁぁ!『火よ』!!」
すると手の平に熱いものがなにかこみ上げてくる。そう思うと同時に、手にはボールのような形をした火の玉が!しかしものすごく小さく、ゴルフボールぐらいの大きさしかない。
「う~ん。こぶし大ぐらいのを出す気合でやったんだけど・・・。他になにか条件があるかもしないし、他のも試してみよ」
だがこれで面白いことが分かった。なんとこの火の玉、酸素で燃えている訳ではないらしい。実際に火をつけた物と一緒に箱の中に置いても、火は燃え続けた。
思うに魔力を燃料のように扱っていると判断する。ということは人の体は変換器なのではないかと思う。と同時に変換する前の魔力を作るので、炉心として働いてると確信する。
こういったことは、本に書いてあったが自分で理解するとしたら体験するのが一番である。
「けどやっぱり魔法を使ってるって実感すると、こみ上げるものがあるな~」
そうして魔法の解明に全力を上げた。
Side ???
「勇者よ。今回の遠征には迷いの森へ行ってもらい、火竜を討伐してもらう」
「はっ!了解いたしました。しかし今回の相手は大物です、ならばーーー」
「うむ。聖剣の開放を『許可』しよう。長年苦しめられたのだ、今度こそ終わりにしてもらいたいものだ」
「我が力全てを使い、奴に終止符を打ちます」