プロローグ
彼、氷堂 司は既に18の高校生だ。そしてオカルトが大好きだ。好き過ぎて新入生の部活動勧誘の時に儀式を始めようとして、教師に止められたぐらいである。まぁそんなことがあっても彼がそういった事を止めることがなかった訳だが…
しかしそんな彼も卒業である。
「…とうとうこの場所も来るのが最後かー。感慨深いなぁ、一年前の今だったら神話に関する本でも読みながらケーキ食べてたな」
司の趣味は多い。オカルトはさる事ながら、漫画にゲーム、アニメに本などジャンルは偏ったものが多いがその中でも特に好きな事があった。
オカルトと科学である
司は名残惜しそうに、校門から部室を見上げていた。
そうするのも疲れたのか、とぼとぼと歩きだし交差点を渡ろうとしたその時だったーー
「ん?あれ?あの車こっちに向かって来てね?!ちょおま!ーーー」
慌てて手を前にやるが、それで車が止まるわけではなくあっけなく吹き飛ばされる。司はその時走馬燈が見えていた。つまりそれは自分が死ぬとゆう事ーー
それを自覚した瞬間、脳裏で考えたことは親への謝罪でなく、まして感謝ではなかった。
「(あー。こんな事なら部室にある爆弾使ってみたかったなー。校庭に悪魔召喚の儀式でもやっとけばよかったなー。あ!図書館に本返すの忘れてたー!…ま、いっか。けどDVDは返したかったーーetc)」
最後の最後まで司は司のままだった。そして意識はそこで途切れた…
処女作です。暖かい目で見てくれれば幸いです