花信風
君とのつながりは
あっけないものだった
繋がるはずもないアドレスに
何度も呼びかけたのは
負け惜しみなんかじゃない
“めでたし”なんて言える
終わり方じゃなかった
よくあるバッドエンドでもなく
なんとでも表現できない
時々聞こえる口笛が
僕の子守歌だった
今は失恋ソングのてんこもり
君と僕の物語
めくるページはすれ違う
君が見てるのは勇者のページ
僕はお姫様
自身から見れば悲劇のヒーロー
端から見れば偽善者
この違いが君にわかる?
楽な策略に、人は騙されるもん
風が少し冷たい午後
好きな紅茶もどこか苦く
足下には子供の靴下
放り投げる気力さえなく
冷たい地面に落ちてしまった
もう数年たつけど
お元気でいらっしゃいますか
病気になっていらっしゃいませんか
私には関係ないけれど
無責任に私に預けた
貴方が作った生命は
“責任”持ってお預かりしています
貴方の声が遠くなって
私の声もかすれていって
あの頃を思い出すたび
すてき、水滴が頬を伝う
自身から言えることなんてない
端から見たら負け犬
どうやったらまた会えるの?
ずさんな設定に、ため息が混じり出す
貴方と私の物語は
私が私を“僕”と呼ぶ頃に
とっくに終わっていたんだって
“僕女”と言ってからかってたね
貴方は終わったつもりだけど
私と小さな...
小さな命はどうしたらいい
楽な設定に、私は騙されました
僕女な誰かさんに捧げる