表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界武蔵転生『我、天下無双は飽きた故、のんびり所望ライフを所望する』  作者: 二天堂 昔
第一章『我と最高の仲間たち〜全てにおいては単純にスローライフのためにて天下無双を貫く我が生き様よ』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/57

第八話(挿絵有)「二人の刺客、所望を阻むもの」


山道の峠道――

陽が傾き、濃い影が地を伸ばすころ、一行の前に現れたのは、まるで火山のような炎のオーラを纏った男と、雷を従えた魔術師だった。



挿絵(By みてみん)




「……この空気、何やらただならぬ気配ですわ」


「ふむ……来るぞ。全員、下がれ」


武蔵が一歩前に出た時だった。


バァァン!!


地面が砕け、突如として現れたのは巨漢の男。

炎の大盾を背負い、赤銅色の肉体を持つその男は、満面の笑みで吠えた。


「武蔵ー!! ようやく会えたなァァ!!」


続いて、雷光とともに、黒い法衣をまとった男が空間をねじ曲げて出現する。


「剣豪どの、自分は天道空雷(てんどうくうらい)と申す。この男は護堂烈火(ごどうれっか)。こやつに付き合う形ではあるが……本日、貴殿に挑ませていただく」


「……挑む? 我に?」


「おうとも! オレさまはなあ……強い奴と戦うのが所望なんだよォ!」


「天道空雷は知の所望を貴方に見る。この出会い、我が人生における確かな“特異点”である……!」


ナギサが心配そうに見つめる中、カエデがこめかみを押さえる。


「ちょ、ウチら旅の途中やねんけど!? この人ら何!? 変態増えすぎちゃう!?」


「カエデどの、既に手遅れでござるよ……」


武蔵は、静かに木刀を構える。


「ふっ……よかろう。ならば貴殿らの“所望”――我が所望で打ち砕こう」


「その言葉、俺の盾で盛大に跳ね返すぜェェ!」


烈火が盾を構えて地を蹴る! 

その一撃、まるで山が動くような突進!!


武蔵は木刀でその一撃を受け流し、回り込む!


「剣豪どの、右上より雷の斬撃、警戒されたし」


空雷の指示と同時に、天が裂けるような雷が落ちる――!


しかし武蔵は静かに、地を這うような低い体勢で抜け、カウンターの一閃を烈火に叩き込む!


グガンッッ!!!


「ッハァ〜〜〜!! 今のは重いッ!! これが木刀の一撃かよォ!?」


「拙者なら骨折れてるでござる……」


天道は笑みを浮かべる。


「想像以上だ……ならば――陣、展開!」


彼の足元に浮かび上がる魔法陣。

空間を歪め、烈火の盾が瞬時に別の角度へ転送された!


「ほらよ、武蔵ー! 今度はこっちからだッ!!」


正面、背後、側面――次々に現れる攻撃の波。


それでも武蔵は一歩も退かず、研ぎ澄まされた動きでそれを全てさばく。


そして――


「我が“所望”は、静かなる暮らし。騒がしき挑戦者どもよ、所望に水を差すなかれ――!」


全身に木刀を伝う重みと気配が集まり、一閃。


ゴオオオオオッ!!!


烈火と空雷、ふたりがまとめて吹き飛ばされ、大木に打ちつけられる!


……数秒の静寂の後、空雷が咳き込みながら笑った。


「くっ……完敗だ、剣豪どの……木刀に、これほどの意思を感じたのは初めてだ……!」


烈火もゲラゲラと笑う。


「ハハハ! 最高だよ武蔵ー! 気に入ったァ! オレさまを仲間にしろォ!」


「ふむ……所望するのか?」


「するッ!! 絶対楽しいに決まってるぜ、この旅!!」


天道も肩をすくめながら立ち上がる。


「天道空雷も……貴殿と所望の旅を共にすることに、異論なし」


カエデ:「変態二人追加やぁ……ウチ、ほんま大丈夫かなぁ……」


ナギサ:「ふふふ、仲間は多いほど賑やかで愉快ですわ」


黒鋼:「にぎやかすぎて、拙者の鍛冶場が壊れないか心配でござる……」


武蔵は微笑しながら、木刀を腰に戻した


「では……我ら、六人。所望なる日々へ向けて、いざ進まん」


こうして、五行で言うところの地・水・火・風・空がそろい踏み。

伝説の屋敷――五行庵ごぎょうあん建設へと至る、最初の物語が、静かに幕を開ける。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ