朝起きたら部屋に風が吹いた
背中に走った激痛によって俺は叩き起こされた。
「いっづぅぅっ!?」
あまりの痛さに眠気は吹っ飛び、腰を直角に曲げる勢いで飛び起きた。
そして、飛んだ。
「うおぉっ!?」
上から下へと突風が吹く。だが、俺の体は風の向きとは逆に上へと飛ばされた。
何かに背中を強く引っ張られたのだ。
「あだっ!?」
勢いそのまま、俺は背中と後頭部を天井に強く打ちつける。部屋に吹き荒れた風はすぐに収まり、重力に従って俺はゆっくりとベッドの上へ舞い戻った。
ようやく頭が正常に動き出した俺は、とある事に気がついた。
「......背中に羽が生えている」