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小一時間ほど無言で勉強をしていた。一人が集中していると自然と残りの二人も勉強に集中できる。友達と勉強するのもなかなかはかどるものだ。店内を流れる穏やかなクラシックギターの音楽が耳に心地よい。ほどよくお腹が空いてきたところで、穂花がちょうど「お腹すいたー!」とペンを置いた。
「そろそろお昼休憩にする?」
「賛成。俺はカレーにする」
「はや! じゃああたしはミートドリア」
「え、ちょっと待って。えっと、ペペロンチーノかな」
三者三様で食事を注文した私たちは水を一口飲んだ。一時間集中して勉強しただけで、肩が凝っていたことに気がつき軽く腕を回した。
「それにしても、知らない間に永遠と日和が仲良くなっててびっくりしたよ。きっかけは何?」
穂花は私たちを交互に見てニヤニヤと笑っている。
「きっかけって、特になにも」
「そうだよな。気づいたら自然と話すようになっただけ」
「ほーう。なんかそういう感じ、逆に怪しいな〜」
「怪しいって、何がよ」
「だって、二人はそういう関係なのかなって。男と女の」
「ちょ、何言ってんだ」
神林が穂花を慌てて止めるが、私はすでに恥ずかしさに顔が赤くなっていないか気になって俯いていた。隣に神林がいなければどうってことないのに、この状況ではとてもじゃないが顔を上げられない。
「ごめん、言い過ぎたわ。日和、気にしないで」
さすがの穂花もこれ以上問い詰めるつもりはないらしく、ふふっと笑って正面から私の頭をポンと軽く叩いた。




