50/127
49
「どうしたの穂花」
「いや、二人がこんなに会話してるの見るの、新鮮でさ。てか永遠が、あたし以外の女の子と学校で話すとこ見たことないし」
「言い過ぎだよ。俺だって用がある時は誰とでも話すし」
「あら、そうだった? あたしの知ってる永遠は学校ではクールぶってるおバ
カさんだからさ〜」
「おバカさんって……ひどい言われようだな」
今度は穂花と神林のリズミカルなキャッチボールがおかしくて私はクスクスと声を上げて笑ってしまう。言いたいことを遠慮なく言える二人は、やっぱり幼馴染みなんだなぁと実感する。
と同時に、胸に一抹の寂しさを覚えたのも事実だ。自分の感情の変化に若干戸惑う。これはどういうことなんだろう。二人が仲良くしているのを見て、チクリと肌を刺されたような感覚がした。
「てか、集中しないと! ほらほら、お二人さんも。勉強しに来たんでしょ」
穂花の一言で、我に返った私は数学の参考書に再び視線を落とした。




