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恋の消失パラドックス  作者: 葉方萌生
第三話 代償
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「わあ……」


扉の向こうには、何もない殺風景なコンクリートの空間と、青空が広がっていた。太陽の光が直接肌に降り注ぎ、思わず両目を瞑る。蒸し暑い空気が全身を覆った。


「ね、開いたでしょう」


爽やかな笑顔で振り返る神林は、一仕事終えたという達成感に包まれているようだった。


「びっくりした。学校の屋上なんて小学校以来」


「普通は開かないもんな。鍵が壊れてるなんて、無用心にもいいとこだよ」


「神林は屋上に来るの何回目なの?」


「うーん、そんなに来てないよ。今日で三回目くらい」


「そうなんだ」


こんな秘密を知っているくらいだから、かなり常連なのかと思っていた。


「気づいているのはたぶん俺ぐらい。普通屋上に行こうなんて思わないからね」


「それじゃ私たちはあぶれ者だね」


「確かにそうだ」


私たちは笑いながらその場に腰掛けた。ちょうど扉がある壁の裏だ。ここだと日陰になっていて涼しかった。


「話したいことって、この間のことだよね」


早速私は神林に本題を投げかけた。昼休みの時間は限られている。彼ときちんと向き合うには時間が少ないように感じられた。


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