表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋の消失パラドックス  作者: 葉方萌生
第二話 消失
31/127

30


受け入れられない、というのが正直な気持ちだろう。まして穂花にとっては、いくら「遠藤柚乃が消えた」なんて言われても、その人は元からいなかった人で、いまいちピンと来ていないに違いない。もし逆の立場だったら私だって今の穂花と同じ反応をするだろう。


「信じられないよ。でも、日和が嘘なんかつくわけないし、あたしは信じる……」


「ありがとう。そう言ってくれるだけでも救われるよ」


完全に受け入れられたわけではないだろうけれど、私のことを理解しようとしてくれた穂花に感謝した。

私は立ち上がって部屋のカーテンを開け、「お茶入れてくるね」と部屋を出た。熱はもうすっかり引いていた。朝に比べると身体がかなり軽い。

お茶を持って部屋に入ると、窓の外で雨が上がり晴れ間が見えている。梅雨の間に時折覗かせる晴れの空は、普段の晴れの日よりも温かく見える。

穂花とお茶を飲みながら、私が遠藤柚乃の名前を入力した経緯と、これからどうしたらいいかを話し合った。


「今ではすごく後悔してる。確かにいなくなって欲しい人ではあったけれど、

まさかほんとに消えちゃうなんて思ってもみなかったから」


「そりゃそうだよね。名前を入れて少しでも心が軽くなるなら、って気持ちあたしにも分かるし」


「ありがとう。でもここからどうしたらいいか分かんないんだ。元に戻す方法でもあるのかなって……」


「難しいね……。アプリは今どうなってるの?」


穂花に言われるがまま、私は『SHOSHITSU』を起動した。そういえば昨日からこのアプリを開いてさえいなかった。

真っ黒な背景の画面が映し出され、画面の中央に浮かび上がる白文字。この間までは『あなたが消したいものを、入力してください』という一文が表示されていたのに、今回は違った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ