表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋の消失パラドックス  作者: 葉方萌生
第二話 消失
23/127

22


窓際の一番後ろの席に座った私は、ゴソゴソとカバンから英語の教科書を取り出した。ふう、と一息ついて顔を上げ、黒板を見る。中川先生がチョークで文字を書くたびにはらはらと粉が落ちていた。


しばらくはじっと授業を受けていたのだが、授業が終わる5分前に、私はある違和感に気づいた。

なんだろう。

何かが足りない。

正体が分からないのに、不安の水たまりが胸の中でどんどん滲んでいく。

ノートと黒板に視線を行ったり来たりさせていたけれど、突如襲われた不安に、思わず顔を上げて教室を見渡した。一番後ろの席だから、一眼で教室全体を眺めることができる。


「うそ……」


不安の正体にようやく気がついた私は、誰にも聞こえないぐらいの音量だが声を上げてしまった。

遠藤柚乃が、いない。

私とは真逆の廊下側の四番目の席にいるはずの彼女がいない。「いない」だけならば欠席ということも考えられたが、明らかにそうではない。だって、彼女の机と椅子ごと、教室に存在していないから。

よく見れば廊下側の列だけが五列になっている。三十六人クラス、縦横六列の私たちのクラスで、一列だけ机が五台しかないなんてありえない。それこそ、この間私の机が隠されていたときのようだ。


しかしその時とは決定的に違うことがある。遠藤柚乃自身がいないということ。もしかして、いろんな人の恨みを買いすぎて彼女の机が隠され、彼女自身は学校に来ていないだけ? でも、「机を隠す」という嫌がらせ自体、前回の件で相当注意されているし、そんなことをするのは柚乃以外に考えられない。

だとすればどうして……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ