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あまりにも深刻そうに私が言うので、穂花も普段の明るいテンションがすっと冷めたようで、「まじ」と視線を再び私のスマホに落とした。
「てかこれ、なんのアプリなんだろうね。開いてみた?」
「いや、まだ。なんだか怖くて」
「それじゃ、今から開こう。あたしも一緒だし、大丈夫っしょ」
アプリを開いたからといって何かが起こるわけではないということは分かっていたが、得体のしれない存在を前にしてなんとなく怖気付いていた。
「じゃあ開くね……」
割れたハートのアイコンを恐る恐る指でタップする。新しくダウンロードしたアプリを開くとき特有の「通知をONにしますか?」「位置情報を許可しますか?」などの質問は出てこない。表示された真っ黒の画面を見てスマホを投げ出しそうになりながら、そこに浮き上がる白文字を目で追っていた。
『あなたが消したいものを、入力してください』
「あなたが、消したいもの……?」
たったの一文だけしか表示されていないのに、むしろその一文のインパクトは強烈でスマホを持つ手が震える。
「なんだこりゃ。こんなの見たことない」
穂花も首を傾げている。そもそも、なんのアプリか分からない上にチュートリアルすら存在しない。広告もないし、一体誰がなんのためにこんなアプリを開発したんだろうかと疑うレベルだ。
「調べたら出てくるんじゃない?」
確かに、アプリストアやネットで検索すれば開発者からの説明や利用者たちのレビューが出てくるかもしれない。
私はまず、アプリストアを起動して検索窓に「SHOSHITSU」と打ち込んだ。
しかし、検索ヒットは0。まさか、ストアにないなんて。それならネット上には存在するんだろうか……?




