表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋の消失パラドックス  作者: 葉方萌生
プロローグ
1/127

0



『あなたが消したいものを、入力してください』


『消したいものは、××』


『了承しました。では、明日から××が消えた世界をお楽しみください——』



◆◇



大人になるということは、大事なものを失ってゆくことだ。


誰だろう。私は誰からこの言葉を聞いたんだろう。昔の偉い人が言ったのか、漫画か何かの台詞で記憶に残っているだけなのか。はたまた、誰かから聞いたというのは勘違いで、思春期真っ只中にいる私が、自分に酔って生み出した言葉だっただろうか。


捨てたいものなら、たくさんある。


重たい教科書。汚れた上履き。ブサイクに写った卒アルの写真。

どれも、私にとって「煩わしいもの」だ。なくなったって、これから生きてゆくのに支障はない。教科書がなければスマホで解説を読むし、上履きだって新しいものを買えばいい。卒アルは、そもそも見返す機会がない。そのくせ重たいし場所だけはとられるから、ないに越したことはない。


そう思うのに、全部捨てられない。

絶対に必要なものでもなく、かと言って今すぐにゴミ箱に捨てるにはいささか勇気が足りないのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ