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歯車の損傷と対策~熱的影響~


「熱的影響は、今回2種類紹介するぞ。まずはスカッフィング、もしくはスコーリングと呼ばれる損傷だ。まず状況としては歯先と歯元の部分に無数のかききずが発生する。そのきずの起点付近や条痕には、熱の影響による変色または融着の群れが確認出来る」

「確かに少し色が違いますね」

「それがスカッフィングの特徴だから覚えておくんだぞ」

「はい!」

「よしよし。原因は歯車の歯面の油膜が切れて金属同士の接触が起こり、歯面が発熱の為に融着したり、それが引き剥がされたりして起こる。運転初期の頃だと過負荷、歯面のなじみ不足、潤滑油の質の不適当、計画した供給油量の不足なんかが原因のことが多いな」

「ふむふむ」

「あとは軽いスカッフィングと激しいスカッフィングに分けられて、激しいスカッフィングはゴーリング、もしくはウェルディングなんて呼ばれることもある」


 呼び方が多いと混乱しちゃう……。

 激しいスカッフィングはゴリゴリしてそうだからゴリゴリゴリゴリゴーリングと覚えよう。


「対策だが、鉄鋼製歯車の場合は潤滑油の供給量の増加、潤滑油の粘度アップを行う。重症の場合は歯車の更新な」

「はい」

「ウォームギアの場合は歯面の銅系融着金属を完全に除去する。除去が完全に出来てないと、潤滑油量を増やしたりしてもまたスコーリングが起きるからな」

「はい!」


 スカッフィングは歯先と歯元に無数のかききずが発生する。起点や条痕には熱の影響による変色や融着の群れが確認出来る。

 原因は歯面の油膜が切れて金属同士の接触が起こり、熱で融着したり引き剥がされたりすること。

 運転初期では過負荷、歯面のなじみ不足、潤滑油の質の不適当、計画した供給油量の不足が原因となることが多い。

 対策は潤滑油の供給量の増加、粘度アップ。重症の場合は歯車の更新。

 ウォームギアの場合は歯面の銅系融着金属を完全に除去する。


 情報量が、情報量が多い……。


「次がバーニング。シンプルに焼けと呼ばれることもある。これは運転中に歯面が高熱になって変色する損傷で、過度の速度や荷重の条件、または潤滑条件の不良、外部からの加熱なんかが原因になる」

「見るからに焼けちゃってますね」

「だからバーニングなんだな。しかもこいつは硬さの低下も一緒に起きることが多くて、そうなると歯面や歯元の疲れ強さを低下させちまう」

「ということは他の損傷も同時に起こす可能性もあるんですか?」

「そうなるな。大体、原因が被ってるのが結構あるし、そもそも損傷の原因のほとんどは荷重と潤滑の不良だ」

「確かに……」


 聞けば聞く程に油の重要度が上がっていく気がする。


「対策として、まずは潤滑油の油量の増加だ。これには熱を吸収して逃がす役目もあるぞ」

「熱を逃がすんですか、なるほど」

「次はお馴染の潤滑油粘度の改善と、硬度が低下した重症の歯車は更新だな。あとは、外部からの強制的な熱の影響がある場合は熱遮蔽版の設置、冷却装置の設置なんかの処置が必要だ」


 バーニング、もしくは焼けは運転中に歯面はが高熱になって変色する損傷。

 原因は過度の速度や荷重の条件、潤滑条件の不良、外部からの加熱、等。

 熱影響によって硬さの低下を伴うことが多く、歯面や歯元の疲れ強さも低下する。

 対策はまず潤滑油の油量の増加。冷却効果も期待できる。それと潤滑油粘度の改善、硬度が低下した重症の歯車の更新。

 外部からの強制的な熱影響がある場合は熱遮断版の設置、冷却装置の設置等の処置も必要、っと。


「あとはその他の損傷だな。これも地味に種類が多いから、ばーっと流していくぞ」

「はい!」

 

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