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上手くいってしまった初参加

5年ほど前の初夏、私は突如として同人誌を描きたくなったのです。

一応、小学生までは漫画家になりたいという夢を持っていましたが・・・。まあ、社会科見学のつもりだったのでしょう。とにかく軽く考えていたことは確かです。何の迷いもなくオンラインで申請書を取り寄せました。


申請書一式が届きましたが、「そもそも参加許可がおりないだろう」と思うようになりました。だって実績もなく、サークルといっても私一人です。そういうことを申請書に書いているうちに、弱気になっていったのです。さらに絵の心配も増しました。40mm×55mmのカタログ用のカットを描くだけでもだいぶエネルギーを使いましたので。


数か月後、まさかの当選通知。12/29に東京ビッグサイトです。

『魔法少女まどか☆マギカ』の4コマ漫画。と申請書には記載しましたが中身は考えていません。だって通ると思っていなかったから・・・。10月末に受け取ったので、残りは二か月。果たしてできるのか?


コピー本でいくことに決めました。

A4上質コピー紙に印刷した原稿を半分に折って、そこにL字ホッチキスを打ち込むという、とても簡素なものです。しかし製本所というステップを省くメリットは大きいです。折ったらA5になるので、私の絵の拙さもかなりカバーできます。


あっという間に当日になった気がします。とにかく描いて捨てて描いて捨てての日々でした。家にいる間は基本絵を描いていました。前日は寝てないです。L字ホッチキスで製本していました。ギリッギリで50冊完成。


総武線・武蔵野線・りんかい線からの国際展示場駅。途中めちゃくちゃ混みます。「さすがはコミケだ」と思っていましたが、舞浜駅で半数以上の乗客が降りていきました。「さすがは夢の王国だ」


駅からビッグサイトまではゾロゾロと歩く人についていくだけでしたが、入ってから手間取りました。フロアの大きさに対して自分のテーブルの狭さたるや。なんですかあれは。


開場までに、両隣の方にご挨拶。その時、値札と見本を作ってないことに気づき、慌てて作成しました。


というわけで10時。開場です。最初に入ってきたお客さんは目の前をスルーして真っすぐに目的地に行きました。これは事前情報として勉強していました。徹夜組、始発組の方々ですものね。


30分ほどして私も本気で客寄せの声を上げます。こんなの学生時代の新人勧誘依頼です。が・・・上手いこといきました。


声をかける、まどマギトーク、見本を見てもらう、購入、「ありがとうございました!良いお年を!」この流れが、基本ずっと続きました。昼に休憩をとる暇もありませんでした。最後のお客さんは二人組。残り一冊だったので、足りない一冊は見本を無料で差し上げました。これにて店じまいです。私は「完売。ありがとうございました。」と書置きを残して持ち場を去りました。まだ14時でした。


帰り道でカタログと次の夏コミの申請書を買いました。その他のサークルを見るパワーはありません。慣れない作業と今日までの同人誌作成のダブルパンチで初めてのコミケを楽しむ余地は残っていませんでした。人ごみを抜けてりんかい線に乗り込みました。時間が早かったおかげかゆっくり座れることができました。そうして私は脱力をしながらも、言いようもない充足感に満たされたのです。


さて、売り上げとなった100円×50冊から参加料、製作費、交通費、雑費を引いたら1万か2万の赤字でしょう。私の同人誌制作を人件費としてカウントしたら、とんでもない数字になります。でもいいのです。今回に限って、そこはどうでもいい。大成功なんだから。有頂天になっていい。成功したんだから。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 尊敬します。参加しようと思ったこと、そしてそれを実行する行動力。素晴らしい。
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