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引くも進むも地獄

ラ「すごいな・・・あれがあのおっさんか?」


ナ「こんなに変わるの・・・?」


ロ「な、何回死んだんだろう?」


3匹の妖精(?)がとある窓の中を見つめている。


「ほらほらほら!早く水汲み終わらせな!あっちももうすぐ終わっから!」


パンパン手を叩いてまくしたてて窓のそばの妖精を追い立てる人。


その人に追いやられ窓の先の通路の向こうに飛んでいく3匹。


「・・・ん。ましになってきたねぇ。それにしてもつくづく不思議な武器だねありゃ」


黒いローブをまとった老婆のような姿だが袖からのぞく腕はとても若々しい。


窓の中では


「ふううぅぅぅぬあぁぁぁあ!!」


自分の3倍以上はあるカニの右のはさみを右腕の小盾で受け止めて振り返り様に


勢いをつけた左手のヌンチャクを振り込む。


ヌンチャクは明らかに届かないはずなのに振り込まれた端の方の棍が異常な光を発し


その棒状の光がカニの甲羅ごと叩き切った。


鋭く、ではない表現するならば紙をごういんに破くような感じ。そんな斬れ方が


まっすぐカニを貫いた。直後光はすぐに消えてヌンチャクを操りながら


手に収め男は腰を落とした。


「ぶふぁああああああああ!!くっそきっっっっつぁあああああ!!」


溜息とともに出るグチ、とともに大の字になってのびた。あのおっさんだ。


この状況は何なのか?それはこの時点から10日前にさかのぼる。



――――――――――



自室でくつろいでいたらいきなり周りが暗くなり座っていた椅子も周りにあった


景色そのものがなくなり落下している気分がおっさんを襲った


おっさん「ぅぅううううわああああああああああああああああ!」


ラグ「おっさん!おっさん!落ち着け!」


ナー「これって・・・ロック?」


ロック「ば、ばあちゃんだ!なんでいきなり!!」


  「おうおう、お前達、よくやったねぇ」


いまだ落下している空間にオッサンの耳に聞こえてきた声。


おっさん「あ、あな、なん、なん、なん・・・」


ロック「あははは!なん!なん!なんって!」


ナー「あはははは面白いおっさん(爆笑」


ラグ「ばあちゃん!つなげられたのか!?」


  「ああ、よく見つけてくれた。誰でもよかったが


そこそこ掘り出しもんじゃないか。あの悪ガキをまっぷたつとはねぇ~」


ラグ「あ、それは俺もびっくりしてる」


ロック「え?褒めてくれてる?ばあちゃん?」


ナー「ってことは帰ったら・・・うふふ!」


  「まぁまぐれだったから本当に使えるかはこれからさね。おいおっさん」


おっさん「な、わあああああな、なぁ、な」


ロック「まだ慌ててる!あははははは(爆笑」


ラグ「人間ってそうそう落ちる感覚ってもたないもんだしな~」


  「それがわかってんなら早く落ち着かせな!バカドモ!!!」


ナー「あ、はーい!」


ナーの返事と同時におっさんの周りを囲むように妖精たちが光ると


おっさんの落下感が治まる。しかし景色はまだ何かしらの暗い中を落ちているような感じ。


周りを見ているとまた落下感に襲われそうだ。


ナー「おっさん、落ち着いた?とりあえず周り見ないでばあちゃんの話聞いて?」


おっさん「周り見るなってお前・・・」


  「落ち着いてはいるね。よく聞きな。あんたはこれからこっちの世界に来てもらう。


  あんたの中にあった異世界ってやつだ。あんたは死んでないから転生ってやつじゃないよ。


  だから何も能力がつくことはない。ただのおっさんだ」


おっさんさりげなく凹む。


  「ただこないだみたく変な巨人の時のようにあんたのイメージは


  なかなかの強さを持ってる。それを完全確実にいつでも引き出せるように


  あんたをこれからこっちで鍛えなおすよ」


おっさん「え?」


  「拒否権はないが死にたくなったら死んだとき死にな。誰も恨みやしない。


  私らも運がなかったと諦めるだけ。あんたは人知れず死ぬだけさね」


おっさん「え?え?」


  「死にたくなかったら生き返ればいい。まぁただの蘇生だから能力なんかつかないよ。


  凡人のままだ。いいかい?イメージがものにできるまでに最低10匹!


  目の前に出る怪物を10匹殺しな!諦めるなら死んだままでいい。


  期待しないで期待してやるよ。せいぜい頑張んな~。戻っといでお前達~」


ラグ&ナー&ロック「「「は~い!おっさんばいば~い!」」」


おっさん「え?え?ええええええええ???」



――――――――



と、落ちた先がここ、で今仕留めたのがその10匹目の怪物である。


よくみるとどっかで見たような鎧?というより聖衣?を着ている。


ヌンチャクという武器を振るうのには適した装備なのかもしれない。


目の前にあったものいわぬカニの残骸は空気に溶けるように消えていっている。


その向こう側に扉があったのか両開きに開く。おっさんは開く音は聞こえていただ動かない。


  「よくやった。だいぶ慣れてきたな。諦めなかった結果だ」


近づきながら男にしゃべる老婆。おっさんは動かない。


おっさんの2メートル前くらいで座る老婆。地面は芝生。だが屋内なのか


多少広めの体育館のような面積のドーム状の形をしている。上の方には円状の窓が見える。


妖精たちがのぞいていたのはその一つだ。


「あの・・・俺どれくらい死んだんですかね?」


たいして親しくない面識も薄い人物にですます調なのもおっさんのなせる業である。


  「10回は記憶しておる。そこからさきは何回か、ってくらいでしょうかの」


「・・・」ガサ


無言のまま老婆に背を向けるように寝返る。小刻みに震えている。


  「死ねば楽になったでしょうに、どうせ戻れもしません。でも・・・なんで」


「死なないから、でした・・・」


老婆の言葉を止めるように少し強めに、でもやっぱ恐縮気味に言葉が出るおっさん。


「この中では何度でも生き返ります。そう聞いて有無を言わさず頭叩き割られて、


めちゃめちゃ痛かった・・・怖かった。その後も何していいかわからないまま


斬られて、刺されて、食われて・・・」体を起こすおっさん。


「そのたびに・・・「どうするぅ?くたばるぅ?おくたばりあそばされますぅ?」


とかなんか煽られて気づいたらまた怪物の前にいてその繰り返しで・・・」


  「で、どの辺から気づいた?」


「・・・えっと、燃やされて死んだ時だったかな?手にヌンチャクが握られてて、


それは燃えてなかった・・・」


  「ほうほう」


「それから初めからヌンチャク握ってるのが分かって、でもヌンチャクでどうやって


怪物とやればいいのかわからなくて・・・イメージってのを思い出して」


  「それでその鎧かね?」


「え?ああこれですか。昔見た漫画のやつで、鎧として着るならこれだな。と思ってて」


  「動きがよくなったのは?」


「これ着たら軽いし痛みも減ってだいぶ楽になったんです。動きやすいって言うのが


気持ちにだいぶよかったみたいで」


  「ヌンチャクで受け止めなかったのは?」


「このヌンチャクって武器はそもそも地味に頼りない武器なんですよ。


棍が二つ繋がってるけど一本はたいして長くないし長いと振りづらくなるし、


繋がってる鎖の部分は遠心力を上げるためで支えられるような強度もないんですよ。


イメージでどうにかなると思うけど考えてなかったし」


  「ふむ、最初から武器として防御にしないという考えからか」


「ヌンチャク使いの強みはその機動力なんです。動きやすさで躱しそのすきに叩き込む!


それがヌンチャクってやつです!」おっさん意気揚々と語りが止まらなくなる。


  「でも最後のカニの攻撃は受けてましたね?」


「あ、あれは・・・なんていうかもう体が動けませんで・・・


片手で受けたほうが早いな。って」


おっさん若干照れる。若干キモイ。それに引いたのか老婆は立ち上がって


  「最後に、ここから出るとあんたは本当に次は死ぬことになる。


  こっちの都合であんたの運命を狂わせたのは申し訳ないがそれも定めとこちらは


  考える。もう取り返しつかんしな。もし、それが嫌ならあんたはもう死ぬしかない。


  ここでまた殺しその時はもう煽る事も無い。そのまま召される事になる・・・」


老婆は俯きながらも確かに聞こえる声で、まるで若々しい声でおっさんに言う。


  「それでもいいなら (ガサッ


おっさんが立ち上がる。


「何度か死んで死ぬほど痛い思いしながらコンテニュー繰り返す中で思ったのは、


俺を煽る声、けっこうかわいいな。っていうのと、3匹くらい倒せたときに


俺の鍛えてきたものは無駄じゃなかった!ってことです。


役者にもなれず、大道芸人としてもパッとしなかった・・・このまま終わるんだろうなと


思いながらそれでもしがみついていた技と少しでもと鍛えてきた体。


もし意味があるならここからかもしれない。そう思うことにしたんです。


それに、死に慣れましたしね(切ない笑い)次が最後になるにしろあんまり関係ないですよ!


それに・・・」


おっさんは扉のあるほうに歩きながら老婆を追い越してしゃべり続ける。そしてで立ち止まり、


「煽ってでも生き返らせてくれたかわいこちゃんに会いたいですしね!」


渾身の軽口なのだろう。異常にイラっとくる顔をして老婆に振り向くおっさん。


  「うわきも」


老婆(?)は普通に引いた。

お久しぶりです。

不適更新ですんません。

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