ミノタウラスとの決着
おっさん(以下お)「あああああああもうどーなってんだこれぇ!あのでかいのは?
あ、もしかしてもう死んで・・・?ああああああああああああ」
混乱すると人は頭をかきむしる。おっさんも例にもれずやった。だがそれは
そういう状況になったらアニメで見た頭をかきむしるようなことをしてみたい。
という憧れを本当にやるとは思わなかったが本当にやれてうれしい気持ちの表れでもあった。
なにもない空間、上下前後左右、おっさんと半透明のなにか以外ぼんやりした
その世界で頭を抱えたおっさんに半透明の、おっさんと同じようなサイズのそれは再び語りかける。
なにか(以下な)「おい、もう実は落ち着いてるだろうけど落ち着け。想像通りたいして時間もない」
半透明のなにかはおっさんに言う。おっさんはピタッと止まり唾を飲む。
お「時間がないって、やっぱここって」
な「思ってる通りここはお前の精神世界。現実の1000分の1の圧縮時間世界だ。
状況が状況だ。手短にいうぞ。私がお前を助けてやる。目覚めた瞬間に
目の前の巨人がお前から逃げようとする。それを止めればお前に向き直るだろう。
それが攻撃のチャンスだ。こないだのあれ・・・の数百倍の想像をして
その想像を奴にたたきつけろ。詳しい話はそのあとだ」
お「え?あ、ちょ」
本当に時間がないのか、なにかは程よくゆっくり、しかし流れるように言いたいことを言った後
半透明のその姿は景色に溶け込むようにおっさんの前から消えた。
消えた瞬間おっさんの目の前はトンネルをいきなり抜けたようにまぶしくなったと思ったら
目の前に巨人の股からのぞく遠くの村が見えた。
おっさんは目を少し上げる。巨人はなぜか震えながらいまにも前に走り出しそうだ。
『コイツ逃げようとしてんのか?』
「ふう~・・・ああ、こっち向いてくれよ。これで決めっから」
ぼそっと、それでも巨人との距離から巨人に聞こえるくらいの声量で少し
煽り気味におっさんはしゃべった。
ミノタウラスは戦士だ。目の前の敵を逃がしたことはない。どれほど自分を追い詰めた
強者相手でも、自分とどれほど格差のある哀れみすら感じたか弱い敵相手だとしても。
『ナゼニゲタガッタ?コイツヲシトメテツレテカナキャ・・・ワカラン、ナニガコワカッタ?』
数分前の自分、向かってきたはったりヌンチャクを防ごうとしたとき、
突然後ろのおっさんの気配に今まで感じたことのない戦闘以外での恐怖に襲われ
そこに立っていることすら後悔し逃げたいと思っていた事すら疑問に思いだした。
『センシノオレガナニヲオソレタ?ナニニオソレタ?ミウシナウナ!モクテキハコイツダ』
「フウウウ゛ウ゛ウウ、オマエダ!オマエヲモッテイケバ!!」
一呼吸し叫びながらミノタウラスはおっさんに体ごと振り返る。上部の腕は諸手で棍棒を振り上げ
中間と下部の腕は小盾と斧を持つ腕を横いっぱいに広げ持っていた袋は後方に放り投げていた。
その刹那にいろいろなものが動いた
おっさん「いくぞおおおおおおおおおおお!!!」
聖女「う!ロック!雨どい陣形!!!」
おっさんの咆哮とほぼ同時に聖女も叫ぶ。
おっさんの叫びは村まで届かない。聖女の声もミノタウラスが聞こえたかもしれないくらい。
聖女の声にラグ、ナー、ロックの3匹は聖女の前に、聖女=ラグ=ロック=ナーの順に整列。
聖女を高い位置としてナーが一番低い地面に立つ形で傾斜を作って防壁を張る魔力を展開した。
「みんな私の後ろへ!私の背中押さえて!」
聖女の声に周りの村人は一瞬迷ったが
「よし!俺が!」「いや僕が!」「いやいやワシが」
男を中心に聖女の背中がら空きのローブに殺到した。
「早くしろ!アレがくるわよ!!」怒声交じりの聖女の声、村人が聖女の前を見ると
ドドドドドドドドドドドドドドド
おっさんとミノタウラスの方向から何かわからない巨大な柱のようなものが
村めがけて突進してきていた。その柱のせいでおっさんとミノタウラスは見えない。
「ナー!上だぞ!」
「わかって・・・!」
バシャアアアアァァァ・・・
柱はナーの叫びとともに消えた。柱だったものは水の壁?だった。
おっさんはミノタウラスが振り返った時、自分も少し横に動き位置を修正、
この時、村の聖女の位置がおっさん=巨人=聖女と直線でつながった。
正面を向き合った。ミノタウラスの虚を突いて最下段に持ったヌンチャクを
あの大男を真っ二つにした時よろしく勢いよく振り上げた。瞬間。
最下段のヌンチャクから振り始まった途端に尋常でない水が噴き出した。
吹き出した水の勢いは固定されてないヌンチャクなのにヌンチャクの真下の地面を
掘りながら、振り上がるヌンチャクから考えられない量の水がまっすぐ伸びていった。
その前にはミノタウラス。10メートルも離れていない巨体は、おっさんの先の攻撃、
おっさんは貫通する超高速の円盤をイメージしてヌンチャクを振り投げたが、
ミノタウラスの強靭な肉体を貫通することができなかった。
その体を水圧で真っすぐ真っ二つにしてしまった。
ミノタウラスの体は2つに分かれてもう動かない
ヌンチャクを振り上げきったおっさん。決めポーズをといてすっと立ち上がる。
水の壁、と思ったが巨大な水の円盤のようで振り上げた瞬間そこまで出ていた水は止まり
出たままの水は下から上に回りながらミノタウラスを通り過ぎて進んでいってしまった。
お「あ、やば!えーっと、ん、できたぅ・・・」
村まで数百メートルはあるミノタウラスをゆうに超える高さの水の柱に見えた円盤が
地面をえぐりながら村目前に迫る。
聖女は危険は察知し防御形態を整え男たちの欲情をかき回しながら防御形態を整え終わった時、
おっさんは自分のイメージをといた。するとその水の円盤はバシャンと周りながら消えていった。
村まであと50メートルは残した距離だった。
水は一滴たりとも落ちていない。ただえぐれた地面と、
遠くの方で真っ二つのミノタウラスの、その横で倒れて動かなくなったおっさん。
大気に変化はない・・・次があるとか、はないようだ。
迫る水もなくミノタウラスの立つかげがなくなったのを確認しまずラグが聖女の確認をとって
おっさんの方向に喜ぶように飛んで行った。
ロックは最前線のため必死で魔力をあげて疲れたナーを気遣っている。
聖女は落ち着いた後、後始末を言い伝え、目立つ格好、中心人物なのにまるで誰にも気に留められることもなく
自分の家に去っていった。背中にモミジの後をたくさん残しながら誰にも聞こえない声で嬉しそうに
聖女「やっと・・・ここにたどり着いた・・・あんなので、本当にここに・・・フフ、フフフフ」
とりあえずおっさんの利用目的は終わった。
更新しました。
いろいろ空いてしまい設定もなんやかんやありますが
話の流れはとりあえずこれでいいのかな・・・?
って感じで続けます;^^




