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フライパンを描く

作者:


じぅと心臓の奥が焼けた

いきなり濃くなる味付け

胸焼けがしそう

わたしの知る愛はこんなものじゃない


春が巡り来る爽やかさよりも

白いキャンバスに投げたトマトみたいに

その色深く、爪痕強く どろりと融け落ちる

仄暗い赤に吸い込まれるようで

この指は止まることを知らない



短冊切り、銀杏切り

可愛らしくしたいからと星で型抜き

ボウルには山盛りの食材たち


イーゼルを立てて

パレットから油をひいて

大きな筆を取り出した

思っていたよりも、今までよりも、厄介な感情だ


綺麗な野菜も炒めただけじゃ味気ない

多少のスパイス、のつもりが

手が滑ってしまった


整えようと、影を足す

あれ、光源は 凹凸は 質感は

そもそも何を映したいの?

不足も過剰もありすぎる


温めすぎたフライパンの中

少しだけ形が崩れてしまった

素材は良いからと言い訳して

綺麗に盛り付けたら、夕食に出そうか



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― 新着の感想 ―
[良い点] 人の心を料理や絵を描くことにたとえるという発想が面白いです。たとえ綺麗にできなくても、それはそれで味がありそうですね。
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