↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
6/10

瑠璃花倒れる?!

翌日の学区内の体育会の朝、体重計に恐る恐る乗ってみたの。そしたら、一kg減ってたの。あと一kg減れば元に戻るよ。

「瑠璃花! 早くしないよ!」

「は―い!」

台所からママが呼んでる。

簡単に身支度をすると、ママと一緒に学校に向かう。

パパは役員だから三十分前に学校に行ったんだ。

実は昨日の晩ご飯と朝ご飯食べなかったんだ。そのせいで、

くぅ〜〜〜〜〜〜っ。

お腹鳴っちゃったの。

仕方ないよね。



学校に着いて、真理が私の住んでる地域のテントまで来てくれたの。

「瑠璃花、おはよう。早速だけど彼はどんな人なの? 来てるでしょ?」

真理に催促されると、私は翔太君を探す。

「前列に座ってる紺のジャージ着てる人だよ」

翔太君を見つけると、真理に教える。

「後ろ向いてるから顔が見えないよね」

「そうだね。あ、こっち向いた」

真理ってばまるで好きな人を見つけたような感じで、私よりキャピキャピしてる。

「あの人か。結構、いい感じじゃん」

「そうかな?」

「うん。お似合いだよ」

「ありがとう」

思わず、真理が言った“お似合い”って言葉に反応しちゃった。

お似合いだなんて嬉しいよね。片想いだけど嬉しいよね。

クラッ。

ヤ、ヤダ。目の前がクラクラしちゃった。ご飯抜いちゃったからかな? お昼まで我慢しなきゃ。



そして、九時に学区内の体育会は始まった。

プログラムの一番は、小学生の100m走。最初は一年から三年までが走って、その次に四年から六年まで走るの。参加賞がもらえるんだけど、一位から三位まではもっといい参加賞がもらえる。

私が出るダンスは、十一時半からだからまだ先だ。

その間、翔太君と話してた。

「ダンス頑張れよ」

「目一杯、頑張るね」

「写真いっぱい撮るよ」

「変な顔してるのはダメだよ」

「わかってるって…」

私達の間に、幸せな一時が流れる。

街中、バレンタインで一色。甘い香りに包まれてる。なんだか、ウキウキしてる。

公園でお姉さんに言われた。後悔だけはしちゃダメよって…。


ハァ…。

深いため息。

バレンタインの事でため息ばっかりついてる。

後悔してる? ううん。後悔なんてしてない。

翔太君、バレンタインにあなたに私の“好き”を伝えるね。その時まで待っててね。



ダンスの出番まで、あと十五分。体育館で衣装に着替えて、出番まで待機する。

「今までの練習した成果を見せなきゃね。みんな、頑張ってよ!」

ダンスを教えてくれた他の地域の人が、私達に頑張れコ―ルを送る。

「みんななら大丈夫だからね」

「ハイッ!」

みんな気合いを入れて返事をする。

急に緊張してきたよ。大丈夫かな。間違えたらどうしよう…。きっと大丈夫だよ。


いよいよ本番がやってきました。

♪♪♪〜

一曲目の曲が始まって、全員が一斉に踊り出す。

一曲目の終わりのほうになると、また私のお腹がなったの。一つ一つの動きがよいしょって感じになってる。

下を向くと、地面がクルクルと回る。

あれ、あれれっ…。な、何…?

クルクル…クルクル…。

全部がクルクル…。目の前の物が回ってる…。私、地面に落ちていくの…。

一体、何が起こったの? もしかして、ダイエットのせい? 昨日の晩ご飯と朝ご飯抜いちゃったせい? バレンタインで翔太君の事で悩んでて食べなくて、ダイエットしたからこんなことになったんだ。

誰にも翔太君を取られたくない。絶対に誰にも渡したくない。ずっと翔太君の側にいたい。気持ちを伝えるまでは気が張ってるけど、私は勇気を出して気持ちを伝えたいの。


ぼや〜ん…。

目の前のものがだんだんとはっきりしてくる。

がばっ!

私は勢いよく飛び起きたの。

「大丈夫か?」

翔太君が心配して声をかけてくれる。

「…翔太…君…?」

「いきなり倒れたからビックリしたよ。瑠璃花ちゃんの家族がさっきまで見てたんけど、交代で見ることになったんだ」

翔太君は安心しきったように言った。

時計を見ると、二時前を指してる。

翔太君は午前中だけ参加するって聞いてたから、今いるって事は仕事休んだって事だよね。

「仕事は…?」

「休みにしたんだ。ホントは出なければいけないんだけど、無理に休んだよ」

笑って答えてくれ翔太君。

そんな翔太君を見てると、自分が情けなくなってくる。こうやってみんなに迷惑かけてるよ。ホント情けないよ…。

そう思うと、涙が出てきた。

「瑠璃花ちゃん? どうしたんだよ?」

「翔太君に仕事休ませて、みんなに迷惑かけてるって…」

「仕事はオレが勝手に休んだだけだし、瑠璃花ちゃんが倒れたのは瑠璃花ちゃんのせいじゃない。みんなに迷惑かけてないし、誰だって協力していくもんだよ。わかった?」

翔太君、キッパリ言い切ってくれる。

「…そう…かな…?」

「そうだよ」

翔太君、笑顔になる。

「そういえば、瑠璃花は貧血だって。もう少し寝てたらいいよ」

翔太君がそう言った後に、私ベッドから降りたの。

「オ、オイ? 大丈夫かよ?」

「もう大丈夫だよ」

「でも、もう少し寝てた方がいいって…」

「大丈夫だから…」

そう言って出て行った。



「瑠璃花、もう大丈夫?」

グラウンドに戻ると、真理が近付いてきて心配してくれる。

「うん。もう大丈夫よ」

無理に笑顔を作ってみせる。

大丈夫だけど私の心は大丈夫じゃない。また不安が広がっていく。胸がズキンズキンと痛くなる。翔太君が優しくしてくれたのに逃げてきちゃった。なんてことしちゃったんだろ。後悔だよ。私ってばヒドイよね。好きな人から逃げるなんて最低だよね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。