悲しい涙さえ流さないのに…
ねぇ、もし自分の好きな人が年上で、奥さんと子供がいたらどうする?
私だったら涙が枯れるまで泣くと思うな。地球が潰れても泣いてると思うな。
男性が十八歳で結婚っていう法律が変だよ。女性も十六歳ってのも変だけどね。せめて男女二十歳のほうがいい。いや、二十歳じゃ嫌だ。二十二歳のほうがいい。
でも、現実はそんなに甘くない。私がどんなに「結婚は二十二歳にして下さい。無理なら二十歳にして下さい」って、偉い人に言ってもダメだよね。当たり前だけど、私の力じゃどうにもならない。
人間って勝手だよね。人間は勝手だからすれ違いやケンカや言い訳が多くなっていく。人が人を傷つけたりもする。
私の片想いの人――青山翔太。十九歳で社会人。しかも、私の近所に住んでいる。私は翔太君って呼んでる。
私には一つ不安がある。それは、彼女がいるかどうかってこと。いない感じがするし、直接本人に聞くのも恐い。どうしても彼女がいるって悪いほうこうに考えちゃう。
自分の好きな人が、片想いの人がいたり彼女がいるから、悲しい想いをしたり、悲しい涙を流したりするんだ。色んな不安な気持ちもする。そんな悲しい想いをしなければ、悲しい涙さえ流さないのに…。
ねぇ、絶対に悲しい涙を流さないようにしようね。