第36話 ソフィアの事情
今回は少し短めです。
ソフィアと出会った僕らはひとまず休憩をする事にした。
ディメンションホームは流石に控えて、その場に座り飲み物だけバック経由でディメンションボックスから取り出す様にした。今日の飲み物はりんごジュースだ。
ソフィアも含め人数分の飲み物を出してみんなでくつろぎながら話をする。
「この飲み物美味しい!それに冷たい!氷魔法使ったの?すごいね!!」
「コビーは特別だからね〜。いや!それよりソフィーはなんで一人でこんな所にいるの?冒険者になったんじゃないの?なんでパーティ組んでないの??」
「あ・・・いや〜・・・冒険者にはなったよ。なったんだけど〜・・・。 両親がさ・・・。」
言いながらソフィアは声が小さくなっていく。
「え?反対されてるの?あぁ・・・ソフィーの親父さん娘溺愛だもんね〜・・・。でもおばさんも反対なの?想像つかないんだけど?」
「実はさ・・・うちのかぁちゃんが体調崩しちゃってここ数年寝込んでるんだ・・・。で、あたしがお店を手伝ってるの・・・。でも冒険者の夢は捨てられないし、休みの日にこうして一人で行けるところまで行って鍛錬をしてるってわけ。周りの同じ年の子達はだいたいが冒険者になって、パーティ作って下の階でレベル上げたり依頼を受けたりしてるんだけどね・・・。」
「そっかぁ・・・知らなかったよ。うちのとうちゃんもなにも言ってなかったからさぁ・・・。けど誰かを雇えば良いんじゃない?そしたら販売くらいは出来るじゃん!」
マイルの問いかけにソフィアは俯いて
「・・・そう思って雇った事もあったんだけど親父があの調子だからすぐ辞めちゃって・・・。うちは代々続いてるアイテムショップなんだ。ポーションとかマジックアイテムとかを仕入れて販売してる。かぁちゃんが販売担当で親父が仕入れを担当してるんだけど、うちの親父は・・・その・・・無口で頑固で接客は出来ないからさ・・・。私がいないと店が回らないんだよ・・・。かぁちゃんが治れば良いんだけど、かなり貴重な薬草が必要でさ・・・」
「なんかどこかの頑固親父を思い出すわね?」
サニーは「うんうん」と頷きながら呟いた。いやそれドラゴおじさんの事だよね?君の父親の。
「なに?」
「いやなんでも・・・」
サニーに睨まれてしまった。
「そ、その薬草ってそんなに貴重なの?こ、高額とか?」
トニーは薬草に目がありません。
「うん。フィフスの街のあるこの100階層でもある事にはあるんだけど、場所が場所だけに依頼を出しても受けてくれる冒険者はいないし、かなり危険な所なんだ・・・。だからここ数年依頼を受けてくれた冒険者がいなくて、かぁちゃんも寝込んだままなんだよ。幸い容体は安定してるから今のところ命に別状はないんだけど、起き上がったりも出来なくなっててさ・・・。」
ソフィアは少し涙ぐみながら一気に話した。僕たちも何も言ってあげられなくてしばらく沈黙が続いた。そんな中サニーが声をあげた。
「とりあえずフィフスの街に行きましょう?私達もギルドに到着の報告とかしなきゃいけないしね。」
「そうだね。とりあえず動こう。ソフィアさんも良かったら一緒に戻らない?ソフィアさんの依頼もどんなものなのか詳しく知りたいし。どうかな?」
「ソフィーで良いよ?親しい人はみんなそう呼んでる。マイルの友達だしね!じゃあ街を案内するよ。依頼はまぁ一応案内するけど流石に無理だと思うよ。」
「よし、じゃあ動き出そう!あと少しだけど油断せずに進もう!ソフィーも改めてよろしく!」
僕たちはフィフスに向けて歩き始めた。
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「ねぇねぇソフィー!そういえばセカンドジョブって何だったの?戦闘系?補助系?」
「あぁ、あたしのセカンドジョブは錬金術だったよ。」
「錬金術!!!???」
トニーがソフィーのグイグイと近寄って興奮している。怪しいからやめなさい。
「う、うん。トニーくん近いよ・・・。あたし的には良かったかな?戦闘職が良かったけど、ほらあたしん家アイテムショップじゃん?だからポーション作ったり出来たら良いなぁって思っててさ。」
「ぼ、僕もセカンドは錬金術なんだ!ポ、ポーションもよく作ってるよ!一緒に研究しよう!!」
トニーグイグイいくからソフィー引いてるよ?
「はいはい!トニー!わかったから落ち着いて!ハウス!ごめんねソフィー?この子研究とかになると見境なくて。害はないから。ヒートアップしてきたらしばいてやって!?」
と、言いながらマイルはトニーのおでこをペチンと叩いた。
「いたっ!うぅぅぅ・・・。」
おでこを抑えながらうずくまるトニー、自業自得だね。
「まぁトニーは置いておいて。今までポーション作った事とかあるの?なんならトニーに教わると良いと思うよ?こんなだけど腕は確かだからさ。」
マイルはトニーを指差しながらそう言った。
「ん〜考えとくよ」
ソフィーは苦笑しながらそう言った。
その後ソードマンティスを瞬殺しながら階段を降り続けついに100階層にたどり着いた。




