第3話 お手伝いするぞ!ふんすっ!
今度はアニー回です
コビーは父の影響で料理人の道を進み・・・という訳ではなく、マッスルの手伝いを毎日続けていた。
《マッスルハッスル》は宿屋。
母マリーは商人のジョブを持つ根っからの商人だ。
「・・・はぁ。疲れた〜。流石に毎日これだけ忙しいと身体がきついわね〜。従業員雇おうかしら・・・。」
そう!お忘れかもしれないがこの《マッスルハッスル》は名前の割にかなり繁盛しているんです!
「けど、従業員雇うと言っても読み書き計算が出来る人なんてそうそういないよ?」
そう語るのはこの宿屋の看板娘といっても過言ではない唯一のウエイター。ミリア=サーヴァスさん。ミリアはアニーの幼馴染で同じ商人のジョブを持つ商人仲間だ。マッスルと出会い、この宿屋を開く時に手伝いたいと言ってくれて以来ずっと共同経営してくれているのだ。
アニーとミリアの2人で接客をこなしているが多忙以外の何者でもない。
せめてもう1人忙しい時の会計やらを任せられればと思ってはいるものの、この街には読み書き計算が出来る者は少なく、ほとんどのものは他の商売をしている。
「まぁ・・・なんとか頑張りますか!」
それを聞いてなんとかして母を手伝いたかったコビーは、ふんすっ!と鼻息を荒くし力強く
「おかぁちゃん。コビーお手伝いするよ!」
と告げた。
「・・・コビ〜ありがと〜じゃあ計算のお勉強してみましょ〜か〜。それが出来たらお手伝いお願いしよ〜かなぁ〜。」
当たり前だが4歳で計算が出来るとは思っていないので、アニーはとりあえず興味を持ってくれたらと計算の勉強をさせてみることにした。
「じゃ〜あ〜この計算をやってみて〜」
簡単な計算の仕方を教えた後、369+451と問題を出してみる。出来る訳がないので教えながらやろうとしていたのだが・・・。
コビーは鉛筆を持って計算と向き合う。
そんな時あの声が頭の中に響いた。
【スキル物真似を使用します】
【ジョブを商人に切り替えます】
その瞬間頭の中に知識が入り込んできた。
「820」
コビーは呟いた。
「・・・ふぇ?」
アニーは口を開けたまま変な声を出し固まっていた。
・・・アニーよおまえもか。
「おかぁちゃん。合ってる?」
首を傾げて聞いてくるコビーにアニーは
「・・・コビ〜すごいね〜天才だわぁ〜!よ〜し!明日から手伝ってもらおうかしら〜!」
母はノリノリだった。
こうしてコビーの手伝いが増えたのであった・・・。
ふんすっ!