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スキル物真似師で最強目指せる?  作者: 厨二に目覚めた中年
第1章 成長
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第25話 ワイルドボア再び

コビー達とヒョーロイはワイルドボアが向かったという方向だけを頼りに木々をすり抜けながら走っていた。


「いやーーー!!来ないでーーー!」


そんな中女性の悲鳴が響いた。


「!!この声はアンダーか!」


ヒョーロイは声の聞こえた方向へ走り出す。コビー達もその後について行った。


少し開けた所に出ると女性が木の前で座り込んでおり、その後ろにはもう一人女性が倒れていた。


「アンダー!無事か!!」


ヒョーロイはいち早く辿り着き声をかけた。


「ヒョーロイ!姉さんが姉さんが!!」


どうやらアンダーと呼ばれた女性の後ろに倒れているのは彼女の姉らしい。アンダーは姉を庇おうとしていたようだ。

そんなアンダーの向かい側には魔物(モンスター)ワイルドボアが今にも突進しそうな体制(モーション)をとっていた。

そこにコビーも追いつき、ワイルドボアに向かってスキル「威圧」を使った。


「お前の相手は僕だ!」


コビーは威圧を使いながら両手を広げワイルドボアを挑発した。


「ぶぎゃぁぁ!」


威圧は効果を成さ無かったが注意を引く事には成功し、ワイルドボアは狙いをコビーに変え突撃してくる。

そんなワイルドボアを瞬身でかわしヒョーロイの元へ駆けつける。


「ヒョーロイさん!ポーションまだあるんで良かったら使ってください。」

「ありがとう!助かるよ!アンダー!これをワンダーに飲ませてくれ!」


コビーは女性二人をヒョーロイに任せてワイルドボアの元へと戻った。



マイルは自身にエアブーストをかけ速度を上げる事でワイルドボアの体当たりを避け続けていた。避けると同時にライトニングソードで攻撃をするが皮に多少の傷を付ける事しかできない。

次にマイルがワイルドボアとすれ違った瞬間、アントニオとアニーが同時に魔法を放つ。


「ガイアランス!!」

「ファイアランス!!」


それぞれ5本の槍となった炎と岩が左右からワイルドボアに向かって放たれた。


ワイルドボアは動き出したら早いが動く前は動作が遅い。避けようとすらしないその身体目掛けて魔法の槍が襲いかかる。しかし、炎の槍は皮を焦がしただけで霧散し、岩で出来た槍は当たった瞬間砕け散った。


「ぶぎゃあぁぁぁ!」


皮を焦がされた事に激怒したワイルドボアはサニーに狙いを定め威圧を放ち、突進した。

サニーは威圧の効果を受け身動きが取れない。


「サニー!」


コビーが瞬身を使おうとしたその瞬間、ワイルドボアの横の茂みから人影が飛び込んできた。


「ヒートナックル!」


飛び出した人影はワイルドボアの側面へと拳を叩き込む。

ワイルドボアは突然の横からの攻撃によろけると、サニーの横を通り抜け後ろの木に体当たりをした。


「すまん!遅くなってしもた!」


そこには180cm程の線の細い男が立っていた。


「ナーヨン!お前も無事だったか!」


ヒョーロイは飛び出してきた男に駆け寄り背中をバシバシと叩きながら話しかけた。


ナーヨンと呼ばれた男は30歳半ばで長い髪を後ろで束ね馬の尻尾の様にしており、身体は細く筋肉質ではない、服はボロボロで激戦の後を物語っている。


「すまん。あの魔物(モンスター)に体当たりを食らって気を失ってしもうた。で、気付いたら2人が居なくなってて探している所に、今度はウェアラットの群れに襲われてのぉ。遅くなってしもたんじゃ。」


ナーヨンは頭を掻きながら答えた。


コビーはその間に威圧を受けたサニーの元へ瞬身で駆けつけると、サニーの顔は青ざめ、小刻みに震えていた。


「サニー!大丈夫?」


サニーはコビーの顔を見上げて涙を溜めていた。


「コビー・・・身体が動かなくて・・・もうダメだと思ったよ〜・・・」

「サニーごめん・・・守るって言ったのに・・・とにかく今は移動して少し休んでて。」


コビーはサニーに優しく言葉をかけ抱き抱えるとマイル達の元へと移動した。


「マイル!サニーをお願い!威圧は切れてると思うけど少し休ませてあげて?トニーはあの人達と一緒にワイルドボアを倒すのに手を貸して!」


そう言うとコビーはヒョーロイ達の元へと走っていきアントニオはその後を追って行った。


木に体当たりしたワイルドボアは起き上がり頭を振ると、ナーヨンの方へと向き直り後ろ足を蹴りながら突進の準備を始めた。


ナーヨンとヒョーロイが仲間の2人の元へと移動しようとした瞬間、茂みの中から先程のワイルドボアがナーヨンに向かって突進してきた。

突然の事に2人は反応出来ず立ち尽くす。


「アースウォール!!」


アントニオは前回同様ワイルドボアを止める為に土魔法のアースウォールを唱えヒョーロイ達の前に展開した。前回の反省を生かし魔力を多めに込めた魔法(アースウォール)は砕け散りはしたもののワイルドボアの突進を止める事に成功した。


そこへコビーが飛び込み攻撃スキルを使用する。


「ウィンドスタッヴ!!」


マイルが前回見せたスキルを使用したコビーの剣がワイルドボアの首へと深く突き刺さった。


「ぶぎゃぁぁぉ!!」


しかし倒すには至らずワイルドボアが身体を大きくふるった瞬間コビーは吹き飛ばされた。

ワイルドボアは血を滝の様に流しながらもコビーに向かって突進しようとした。だがその瞬間、


「ファイアーボム!!」


ヒョーロイの背後から魔法が放たれた。

放たれた火の玉はワイルドボアの首の傷に当たると爆発し激しく燃え上がった。立ったまま燃え上がったワイルドボアはゆっくりと横に倒れて肉と牙と皮を残して霧散して行った。


コビーが魔法の放たれた方向を見るとアンダーが杖を向けて座り込んでいた。



「改めて礼を言わせてもらおう。俺達はファイアーサークルというEランクパーティで俺はヒョーロイ、こっちのほっそい男が武道家のナーヨン、それからあっちが双子で赤魔道士のアンダーと青魔道士のワンダー、ちなみに赤い服の方がアンダーで青い服の方がワンダーだ。本当に助かった!ありがとう!」


「いえ、こちらこそ助けに来たのに助けられてしまって・・・。僕達はクロノブレイバーというEランクパーティで、僕はコビーと言います。こっちの男の子が黄魔道士のアントニオ。この剣を持ってるのが剣士のマイル。で、最後が赤魔道士のサニーです。」


「そうか、パーティ共々よろしく頼む。それで?コビー達は森の調査依頼を受けて来たのか?」


「そうです。僕が鑑定スキル持ちなので紹介してもらいました。もしかしてそちらもですか?」


「そうなんじゃ。わしが鑑定スキルを持っておってのぉ。ヒョーロイが持ってきた依頼なんじゃが・・・死ぬかと思ったわい。」


「悪かったって!そんなわけで俺たちはここで引き返すよ。ギルドにはクロノブレイバーとの共同だったと伝えておくから安心しな。」


そう言ったヒョーロイの後ろから双子の姉妹が話しかけてきた。


「この度はポーションまで頂いた様でありがとうござました。お陰で命拾い致しました。このご恩はいつかお返しします。」

「ほんっっとうにありがとう!!もうあの時終わったって思ってたからさぁ!来てくれた時王子様が助けに来てくれたんだって思っちゃったよ!いや本当に!」


ゆったりと話しながらお辞儀をしてお礼を言ってくるワンダーに対し、妹のアンダーはマイルを3倍にしたくらいのテンションでグイグイ前に出ながら話してくる。

ワンダーとアンダーは性格が真逆の姉妹の様だ。


「い、いや気にしなくて良いよ?結果的に僕達も助けてもらっちゃったし。お互い様って事で!ね?」


コビーはアンダーの押しの強さに数歩引きながらも両手を前で振りながら答えた。

その横でサニーとアニーがナーヨンさん達の元へ行き直接お礼を言っていた。サニーの威圧は解けた様で、何時ものサニーに戻っていた。


「じゃあ俺たちはそろそろ行くな?そっちも気をつけろよ?戻ってきたら飯でも一緒に食おうや!」

「そうじゃの〜そろそろ行かねば日が暮れてしまうでの。」

「コビー様また会う日を楽しみにしております。」

「コビーくんまたね〜!マイル〜帰ってきたら一緒に遊びに行こうね〜!」


4人は手を振りながら去って行った。

いつのまにかマイルとアンダーは仲良くなっていた様だ。類は友を呼ぶというやつだろう。



ヒョーロイ達と別れた後、広場へと戻り休憩を取る事にした。サニーの体調が心配だったからだ。机と椅子とお茶を用意し席に着く。


「サニー大丈夫?僕がもっと早く駆けつけていればあんな怖い思いさせないで済んだのに・・・ごめん・・・。」


「え?あ、あれはあの魔物(モンスター)のスキルのせいで気弱になってただけで・・・ぜ、全然平気だから!気にしなくていいからね!」


サニーは真っ赤になってあたふたとしながら言った。


「けどさぁ?ワイルドボア倒したのにまた出て来たね〜。もしかしたら今後も出続けるのかなぁ・・・。2回とも倒せはしたけどかなりギリギリだったよね〜?」


「確かに・・・あの威圧スキルはかなり辛かったよ・・・。なんて言うか絶望がのしかかってくるみたいな・・・。」


「とりあえず今日はこの辺で戻ろうか?もうすぐ日も傾き始めるだろうし、ギルドへの報告もあるしね?」


「・・・あのさコビー?これは可能性の話なんだけど・・・もしかしてこの辺りの魔物(モンスター)の発現条件が変わったとかないかな・・・。これは滅多にない事ではあるんだけど、過去にも例があって、この辺では出た事の無いランクの魔物(モンスター)が出る様になったらしいんだ。その時は1ヶ月ほどで元の魔物(モンスター)だけに戻ったんだって。今回のもそれと同じ現象が起こってるんじゃないかな?だとしたらこれは一大事だと思うんだ!危険ではあるけど、ここで確認しておかないと知らずに森に入って襲われる人が出るかもしれない・・・。だからもう一度だけ奥へ確認に行かないか?」


真剣な眼差しで、自ら握りしめた拳を見つめながら話すアントニオを見たコビー、サニー、マイルの3人は顔を見合わせて頷き合いアントニオに向き合った。


「トニーがそこまで言うなんてよっぽどの事なんだね?私は賛成だよ!ちょっと怖いのもあるけど同じ様に危ない目に合う人は減らしたいからさ!ね?コビーとサニーも良いでしょ?!」


「だからリーダーはコビーでしょ〜・・・けど!トニーくんの言ってる事は正しい!私も同じ気持ちだよ!」


サニーは溜息をつきながらマイルにツッコミを入れた後、笑顔でアントニオに向き合った。


「じゃ、決まりだね!僕もトニーの言う事に賛成だよ!じゃあこの後だけどさっきの所から更に奥に進んでみようと思う。ただ、あの魔物(モンスター)はかなり好戦的だから見つからない様に気を付けよう!今回は極力戦闘は避けて様子を見るだけに留めたいと思う。」


そしてコビー達はゆっくりと森の奥へと入って行った。






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