第20話 今後のOHANASI
街の名前を間違えてしまいました・・・
フィフス×→フォース○
時は遡り、コビー達の初依頼達成の翌日。
冒険者ギルドマスターの部屋は空気が張り詰めていた。
「さて〜アッシュくん〜昨日は〜うちのコビーが〜お世話になったみたいで〜。なんか死にかけたとか〜。」
「ア アニーさん・・・それは・・・その・・・こちらとしても予期せぬ出来事というか・・・その・・・。」
「予期せぬ出来事〜?冒険者ギルドでは〜常にダンジョン内の〜情報を集めて〜安全を確保する〜って前に決めましたよね〜?覚えてます〜?」
「いや、しかし・・・「しかし、じゃないでしょうが?!うちのコビーが死にかけたんだ!安全確保ってのはちゃんとやってんのか?!ハングリーベアが近くの森に出るなんて事がわかったら低ランク冒険者は森りに入らなくなるぞ?!そうなったら町の景気も悪くなって不満が募って、犯罪が起きて!冒険者ギルドはそんな事もわからないのか?油断はするな!常に目を光らせておけって!君のお爺さんにいつも口を酸っぱく言われてたでしょうが!わたしからハンマー爺に言っておこうか?いまの冒険者ギルドはたるんでるって?!」
「ひっ・・・も、申し訳ございませんでした!」
冒険者ギルドマスター、アッシュ=ハンマはお爺さんのハンマー=ハンマに全てを叩き込まれた。故にハンマーには逆らえない。ハンマーの名前を出されただけで軽く震えがくるほどだ。
「以後はこのような事がない様に常に町周辺の見回りをさせていただきます!」
「・・・わかればいいさ。けど次はないから!」
アニーは鋭い視線でアッシュを睨みつけ言い放った。
「けど〜コビー達の事〜特別扱いにはしないでね〜周りの人達に変な目で見られても〜かわいそうだから〜。揉め事になりそうだしね〜。あ!あと〜コビーには私が来た事言わないでね〜」
笑顔だが目が笑っていない顔でアッシュを見据える。
「承知しました!通常通りの対応をさせていただきます!もちろん絶対に言いません!!」
ギルドマスターアッシュは足を揃え、背筋を正し軍隊の様に答えた。
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「さて今日はどうする?」
お昼、昨日の初依頼達成を祝してギルドの食堂に集合したクロノブレイバーは食事を食べながら今日の予定を確認する。
「昨日あんな事あったから森の奥まで行くのはちょっと怖いかな・・・」
アントニオは野菜のサンドウィッチを食べながら答えた。
「何言ってんの!冒険者がモンスター恐れてどうすんの!?まぁ昨日はもう助からないとか一瞬思ったけど・・・けど!ここで森まで行かない判断したらそれこそ今後の冒険者人生に支障をきたすよ!」
マイルは右手に肉を持ちながらも熱弁した。
「いや・・・そもそも僕は冒険者をずっと続けるとは・・・」
「はいはい!で?トニー君とマイルはこう言ってるけどリーダーはどうしたいの?」
「そうだね〜当面はレベル上げとお金稼ぎがしたいかな?とりあえずレベルは全員が最低でも30にして、お金は1人25万位になるまで稼いで武器防具を良いのにしてからフォースの街への護衛依頼を受けたいかな?」
「1人25万って事は合計100万ゴルドか・・・ウェアウルフ10体で5,000ゴルドだから全部で・・・2,000匹?!そう考えるとかなり大変ね・・・。レベルもこの辺りで30だとかなり大変だと思うよ?この辺りってウェアウルフとウェアラット位しか出ないから・・・。」
「そうか・・・。けど今のままだと武器も新調出来ないし昨日のハングリーベアを考えると30くらいはあった方が今後いいと思うんだよね・・・。」
「う・・・確かにね・・・私の剣全く傷つけられなかった・・・あれはかなりショックだったな・・・。」
「何かいい手はないかな?ギルドの受け付けで相談してみようか?向こうの方がベテランだし何かいい案あるかもしれないしさ。」
「そうね。私達だけじゃわからない事だらけだし聞いてみよう。」
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「すみません。」
「あ!こんにちはコビーさん!ギルドマスターが、コビーさんが来たら呼ぶ様に言ってたので少し待って頂けますか?」
受付嬢ミリアはトテトテと2階にあるギルドマスターの部屋へ行ってしまった。
「何だろうね?昨日の事はもう終わってたはずよね?なにか問題でも発覚したのかしら?」
「あ・・・もしかしたらうちの母さん来たのかも・・・かなり怒ってたからなぁ・・・」
「あぁ・・・アニーママ怒ると怖いもんね・・・普段があんな喋り方だからギャップがね・・・。一度コビーと一緒に怒られた時の事が私の中でトラウマになってるよ・・・。」
サニーは遠い目をしながら言った。
そうこう話をしている間にミリアは戻ってきた。
「ではクロノブレイバーの皆さんギルドマスターの部屋までどうぞ!」
そうしてミリアにギルドマスターの部屋まで連れていかれた。
コンコンッ
「ミリアです。クロノブレイバーの皆さんをお連れしました。」
「おう!入れ!」
「失礼します・・・どうぞ」
ミリアがドアを開け、入る様に促したので入室する。
「こんにちは。僕達は何故呼ばれたのでしょう?もしかして・・・うちの母さん来ました?」
ピクッとギルドマスターの眉が上がる。
そして不自然な汗が流れ落ちる。
「な、なんのかのとだ?ヨクワカランナァ!」
明らかに不自然な口調で答える。嘘が苦手な様だ。
「はぁ・・・まぁ良いですよ。で、僕達が呼ばれたのは何でですか?」
ギルドマスターの反応に色々察したコビーは話題を変える事にした。
「そ、そうだった!昨日のハングリーベアの素材の事なんだが、魔石だけでも売ってもらえないだろうか?街の防衛の為に魔石が必要なんだが、この辺りのモンスターだと魔石が取れるのが少なくて、いつもフィフスから取り寄せて補充しているんだが、ハングリーベアの魔石はそれよりも純度が高いってミリアから聞いてな。もし売ってもらえるなら100万だそう!どうだ?」
「100万ですか!?」
コビーはサニーに目を向ける。
サニーは腕を組んで悩んで頷く。
次にトニーに目を向けると目を見開き何度も頷いている。
最後にマイルに目を向けると口を開けて呆けている。
「マイル?なんか意見ある?」
「・・・?!ないない!!100万っていきなり目標達成じゃん!!あとはレベルと武器が揃ったらフィフスへの護衛依頼受けられる様になるんでしょ!それに実質倒したのコビーなんだからコビー決めなさいよ!」
「と、言うわけでそれで構いません。100万ゴルドでお譲りします。」
「いいのか!?ありがとう!!じゃあ早速用意させよう!ミリア!」
ミリアはお辞儀をすると部屋から出て行った。100万ゴルドを用意してくれる様だ。
コビーはディメンションボックスから魔石を取り出してテーブルの上に置いた。
「では、こちらがハングリーベアの魔石です。」
「おぉ!!たしかに大きさといい純度といい、いつも仕入れるのより段違いだ!助かるよ!ちなみに武器を仕入れたいのか?ってかお前等ハングリーベアの素材あるんだろう?それなら良い武器になるんじゃないか?フラワーファイアでドラゴにお願いしたら良いじゃんか?」
コビーはサニーを見やる。
サニーは眉間に皺を寄せて考え込んでいる。
「鍛冶の仕事を見せてもらった事がなくて、普段の様子を見てるとどうもあの親父に頼んで良いものが出来るのか不安になるのよね・・・」
「何言ってんだ!ドラゴはこの街どころかフォースの街にも愛用しているものが多い屈指の鍛冶職人だぞ!?気に入った奴にしか武器は作らないって所が難点だが・・・。」
「いやいやあの親父が?ないない!家でグウタラしてますよ?」
「まぁ娘には職人の姿を見せないって心意気なんじゃないかい?一度話してごらん?冒険者としてね。」
納得がいかないサニーだがとりあえず話してみると言う事で話しはまとまった。
ミリアが戻ってきて100万ゴルドを受け取り、席を立とうとした所でアッシュが声をかける。
「あ!そうだあとレベル上げがどうとか言ってたな?いくつまで上げるつもりだ?」
「出来れば30までは上げておきたいと思ってます。」
「そうか・・・そしたら20まで達したらもう一度俺を訪ねて来い。それ以上は今のこの階じゃ上がりづらいからフォースへの階段を開けてやるからそこでレベリングしたらいい。もちろん最初は護衛をつけるがな。」
「本当ですか??ありがとうございます!」
「ただ、依頼もこなして冒険者ランク、パーティランクはDまで上げておけよ?他の連中が煩いからな!」
「わかりました!レベリングと依頼を両立して進めます!」
こうしてコビー達の狩場が決まったのであった。
魔石を取り出したコビーが宝石商に見えてきた。




