第19話 コビーのスキル確認
ハングリーベアとの死闘から明けた次の日、コビーは日々の日課である家の手伝いを終え1人鍛錬場へと訪れていた。
「(さて、シス。昨日は疲れてすぐに寝ちゃったけど、今日は色々と確かめたい。今できる事を整理したいんだけどいいかな?)」
コビーは心の中でシスに声をかける。
もちろん声を出しても良いが周りの目もあるので心の中での会話だ。
「もちろんです。マスター。何から行いますか?」
「(とりあえず今出来るスキルが何があるのか確認していこうかな?)」
「スキルの合計は全部で1,001個有ります。初級552、中級312、上級101、特級以上11、その他で25ですね。ちなみにスキルレベルが上がった条件の1つに物真似スキルで覚えたスキル1,000越えというのが有りました。なので今のスキルは1,000を超えています。ちなみに先日ハングリーベアで使った魔法、アイスランスは初級、アイスボムは中級、アイスブラスターは上級になりますね。本来はマスターのレベルで使える魔法ではございません。私の補助と物真似スキルがあればこそです!それでは何からお伝えしましようか?」
「(・・・スキルそんなにあるの?それを把握しようって事がそもそも無理がある気がする・・・。)」
「ですよね?なので私が存在するのです。その都度何個かに絞ったスキルを提示させていただく予定です。」
「(そしたら普段使える近接用のスキルを教えてもらえる?そうすれば普段の訓練でも使用できるし。)」
「承知しました。普段使いという事でしたら初級のライトニングソードとエアスラッシュ、それからパワースラッシュはすでに使用できると思いますので中級の移動スキル「瞬身」とそれとコンボで使える上級スキル「斬瞬」などいかがでしょう?斬瞬は武器が風を纏い一瞬だけ剣速をあげるスキルです。どちらもジョブ「暗殺者」のスキルですがかなり実戦向きかと思いますが。」
「(暗殺者のスキルかぁ・・・ん?僕、暗殺者のジョブの人見た記憶無いんだけどなんでそんなスキルあるの?)」
「それはマスターが幼い頃から図書館に入り浸り、様々なスキルやジョブなどをスキル「知識欲」に溜めてきた結果です。今までは実際に見て動きを真似なければならなかったのですが、存在するジョブで私のデータの中にあるものであればマスターと共有が出来るのです。この瞬身と斬瞬も頭の中でどういうスキルなのかがわかるはずですよ。ちなみにハングリーベアの時のアイスボムとアイスブラスターもスキル「知識欲」にあったものを私を通して使用可能になったものです。」
「(そういえば氷魔法なんてアイスランスしか見た事なかった・・・。)」
「この辺りの冒険者は良くてAランクなので上級スキルを使える人は滅多にいませんね。なので上級スキルはあまり多用しない事をお勧めします。」
「じゃあとりあえずこの2つを試しに使ってみようかな?・・・う〜んと・・・こうかな?・・・瞬身!!」
的として使用されている巻藁の真後ろへ一瞬にして移動した。移動できる距離は大体200mが限界の様だ。
「からの〜斬瞬!!」
下段で構えていた剣が一瞬で切り上げられる。第三者から見たら瞬きよりも速い速度の為、動いた事に気付けるものは少ないだろう。
「あれ?今剣振り抜いたよね?手応えはあったのに巻藁が・・・」
と、コビーがそこまで言ったところで巻藁が斜めに斬られ上部が滑る様に地面に落下した。
「・・・え?木剣なんだが・・・なんで斬れた?」
「斬瞬は風を武器に纏い武器を保護し、強化します。刃の部分がスキルの威力に負けない様、且つ威力を最大限に発揮出来る様に風の抵抗を受けにくい形になります。なので木剣だろうと鋭い刃に早変わり。」
「(これ強すぎないかい?だってどう考えても使い所無いだろう・・・あれ?ちょっと目眩が・・・。)」
「言い忘れました。このスキル「斬瞬」は体力を著しく消費します。今のマスターの体力だと半分近く減るのではと・・・。」
「なっ・・・!(そういう事は使う前に教えてよ!連続で使用したらぶっ倒れてたじゃん!)」
「マスターがまだレベルが低いという事を忘れていました。てへぺろ。」
「(なんだよてへぺろって・・・。まぁいいや、けどかなりの威力だというのはわかったよ。瞬身は通常でも使えそうだね?とりあえず、パーティで行動する時はマイルの剣士ジョブに切り替えて前衛でこれらのスキルで対応するかな?斬瞬は少し怖いから保留だね。あとは魔法のスキルか)」
「魔法は初級は全属性使えますね。ボール、ランス、レイン。中級もウォール、ボム、トルネードは使用可能です。上級は火と氷、それから光が使用可能です。それ以外だと身体強化系はほとんど使えます。また生活魔法と呼ばれるものも通常で使えますね。こんな所でしょうか?細かく細かく言うともっとあるのですが今のレベルだと使用出来ないものもあるので使用できる様になった時にまたお伝えします。」
「(あ ありがとう・・・。自分の事ながらかなりのスキルが使えるんだね・・・。これは使い方を考えないと大変だね。)」
「もう一度伝えておきますが、基本ステータスはジョブに寄りますのでお気をつけください。剣士で魔法を使っても威力はかなり落ちますので。逆も然りですが。」
「(わかってるよ。ジョブのチェンジは僕がやらなきゃいけないんだっけ。それも練習しなきゃだな。)」
「これはあまり知られていない事なのですが、ジョブには常時発動スキルというのが必ず付いています。スキルチェックでは出てこないのですが、剣士には剣術スキル、各魔導師には魔力操作スキルと各魔法の耐性と強化スキルも付いてます。他にも暗殺者なら気配断絶スキルなどですね。これらはジョブに付いているイメージです。この常時発動のスキルは使用する毎に成長していきます。なので剣士が剣を振るえば振るうほどに剣術スキルは成長します。まぁ努力した結果が実ると言った感覚でしょうか?ジョブ「物真似師」の常時発動スキルは瞬間記憶です。これは動きなどを完全に真似することが出来るスキルになります。一度見れば大抵の事は出来る様になります。」
「(なるほど、瞬間記憶には心当たりがありすぎるよ。僕の場合はどうなるんだろうね?ジョブを変えた時に常時発動スキルはどの位のレベルになるんだろう?)」
「これは予測になりますが同じ様に換算されると思います。剣士ジョブにした時に剣を振り続けた結果のレベルですね。ジョブを他のものに変えた場合は知識欲の中にレベルのまま仕舞われるイメージです。」
「(って事は今まで通り剣士ジョブで戦ったりし続ければ剣術のレベルが上がるって事だな。じゃあ訓練はマイルとやるのが良いね。)」
「そうですね。剣術レベルを上げるには丁度いい相手かと思います。」
「(じゃあ今日の訓練は切り上げてマイルの所へ行こう。それからギルドにみんなで集合してどうするか決めようかな。)」




