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スキル物真似師で最強目指せる?  作者: 厨二に目覚めた中年
第1章 成長
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第18話 前代未聞のランクアップ

コビー達はギルドへと戻りギルドマスターの部屋のソファーに腰掛けていた。


その向かい側にはギルドマスターのハンマ=アッシュとギルド受付のミリアが並んで座っている。ハンマは剣士ジョブで元A級冒険者として活躍していたが、とある人物に頼まれ42歳という若さでギルドマスターをしている。筋骨隆々の暑苦しいギルドマスターではなくスラッとした風貌のどちらかというとイケメンタイプだ。


「さて今回はご苦労だった。まさかハングリーベアが出るとは・・・。よく無事で戻ってきてくれた。知っていると思うがこのハングリーベアには冒険者も手を焼いていて、新人が出会ったらまず逃げ切れない。それこそC級以下の冒険者だと20人以上で討伐に当たる程のモンスターだ。そんなモンスターをまさか3人で討伐してしまうとは・・・。しかも今日冒険者登録したばかりの新人が・・・。」


ハンマは腕を組んで目をつぶり考え込んでしまった。


「皆さん登録したばかりなのにハングリーベアに遭遇なんて災難でしたね。しかも討伐してしまうなんて・・・。Fランク冒険者がハングリーベアを討伐してしまうなんて前代未聞ですよ?ギルドマスターもほらこの通り、あまりに驚きすぎてフリーズしちゃいましたからね。」


ミリアはギルドマスターをチラッと見ながら微笑んだ。


「まぁなんというか・・・疲れました・・・はは・・・」


「っていうか私達何もしてないし!討伐したのはコビーだからね?!」


「たしかに・・・悔しいけど私達じゃ歯が立たなかった・・・コビーが気絶ちゃった時はもうダメだと思って諦めかけてたよ。」


「いや、サニーが足止めしてくれてなきゃ襲われてやられてたし、マイルがポーション飲ませてくれなかったら僕死んでたかもだからね?だから討伐は3人でしたようなものだよ。」


「「・・・うん・・・」」


2人は納得していないがコビーとしてもシスがいなければ死んでいたのは間違いなく、2人の気持ちはよくわかる。だが、どうしてもパーティの実績にしたかったのだ。今後のパーティでの活動のためにはいち早くランクを上げたい。その為にもこのチャンスは逃したくなかった。


ギルドでは個人の冒険者ランクの他にパーティのランクも付けられている。パーティメンバーのランクがバラバラな場合が多いという事もあるが、個人よりパーティの方が連携取れて上手く行く場合もあるからだ。


個人のランクは依頼達成数や討伐数がランクアップに必要でC以上になるには試験も受けなければならない。


パーティランクについては依頼達成率と貢献度がいちばんのポイントとなる。


この貢献度はギルドからの信頼値とも呼ばれギルドマスターやギルド職員などから信頼して依頼を任せられるかどうかを判断される。


依頼失敗を繰り返せば当然貢献度は低くなるし、消極的な依頼ばかりこなしていても貢献度は低くなる事がある。


ある程度の強さと、チャレンジする姿勢、依頼の達成度など総合したものが貢献度に反映される。貢献度が高くなればランクが上がり、パーティ指名依頼なども来る様になりベテラン冒険者と呼ばれるパーティとなる。もちろん報酬も上がる。


「よしっ!!決めた!!」


ハンマギルドマスターがカッ!と目を見開き叫んだ。その横でミリアが煩いとばかりに睨みつけている。


「・・・で、何を決めたんですか?」

ミリアはジト目を向けたまま言葉を投げかけた。


「君たちを全員Eランクへ昇格し、パーティランクもEにする!本当ならDまで一気に上げてあげても良いくらいの貢献度だが、今日登録したてで高いランクの依頼を受けられる様になると死ぬ確率も上がってしまう。けど、ハングリーベアを倒せるならばDランクの依頼までは受けても支障はないと判断した。よって君たち全員をEランクにする!」


こうしてコビー達『クロノブレイバー』は登録したその日にランクを上げるという偉業を成し遂げたのであった。



「さて、という訳でランクが上がったクロノブレイバーの皆さん。今日の依頼は達成出来ましたか?帰る前に報告出していきます?」


ギルドカウンターに戻ってきたミリアは呆然としながらギルドを去ろうとしているコビー達へ、カウンター越しに声を掛けた。


「そうだった!報告して行きます!」


そう言ってコビーはディメンションボックスからウェアウルフの肉と薬草を取り出した。


「・・・うん!ウェアウルフの肉が全部で30と薬草が50本だね!初依頼でこの量は凄いね!薬草もすごく鮮度が良いよ!少し色をつけてあげるね。ウェアウルフが15,000ゴルドで薬草が少し色をつけて8,000ゴルド。合わせて23,000ゴルドだね。そういえばハングリーベアのドロップアイテムはどうする?買い取る事もできるけど・・・。」


ハングリーベアの肉は高級肉で滅多に出回らない。また爪や皮などは武器や防具の素材として高級素材となる。そして魔石は魔導具の素材として使える。その為、売ればかなりの金額になる。肉もこの量だと30万ゴルド、爪や皮などもそれぞれ10万ゴルドにはなる。また魔石は特大魔石なので最低でも80万ゴルドにはなると思われる。


「う〜ん・・・ちょっと相談してからにしても良いですか?素材が凄すぎなもので・・・。」


「そ、そうですよね!わかりました。もし売っていただけるならば金額も頑張らせていただきます!」

ミリアは興奮気味に力強く答えた。


こうしてクロノブレイバーの初依頼は達成で終わり、辺りはすっかりと夜の闇に包まれており、各々帰路に着いたのであった。



「ただいま〜」


「おかえり〜。随分と〜遅かったわね〜?登録しに〜行っただけかと思ってたけど〜依頼を受けてきたの〜?最初は〜近場にしておきなさいね〜?」


「うん。みんなで薬草採取とウェアウルフ狩りに行ってきたよ。いやぁハングリーベアが出てきて死ぬかと思ったよ。」


「そうなんだぁ〜ハングリーベアね〜・・・ん?ハングリーベア〜?ハングリーベアって新人殺しの〜あのハングリーベア〜?」


「そうそう。吹き飛ばされて気絶しちゃってさ。いやぁ冒険者になって初日から死ぬかと思ったよ。まぁなんとかなったけどね。」


「・・・コビー?死ぬかもしれなかったってどういう事?ちゃんと説明しなさい!」


アニーはいつもの間延びした喋り方ではなく早口で少し低めの声で喋っている。本当に怒っている時の口調だ。


「ひっ・・・いや・・・その・・・森で薬草採取してたら大きな音と獣の叫び声がして・・・そしたらハングリーベアが出てきて・・・」


コビーは必死に今日あった出来事を最初から順を追って、ハングリーベアを討伐するまでの経緯を語った。


「はぁ・・・わかりました。明日ギルドマスターの所へ挨拶に行ってきます。えぇ挨拶にね!」


コビーは心の中でギルドマスターのハンマに詫びるのであった。

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