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ギャルゲーの世界編②

一応分かってるとは思いますけど


ただの()の中は場面の説明

「」の中の()はその時の思考

→は選択肢


です

Now Loading…



(朝、鳥の囀りが聞こえる)


降旗

「(二日目の朝か…今日もまた猿の惑星の声が下から聞こえてくるんだろうなあ)」


琴美

「朝だよお兄ちゃーん! 早く起きてー!」


  寝たふりをして起こしにくるのを待ってよう


→ 「そのくらい分かってる。こっちにも色々とあるんだよ」


琴美

「なーんだ起きてるのか。私もう部活にいくけど、朝ごはんは机の上にあるからね」


ガチャリと扉の開閉音が聞こえた。

どうやら彼女は学校へと向かったようだ。


降旗

「(ふう、やっと行ったか。

フラグをへし折るのにも一苦労だな…声だけは美少女なだけに聞く分には全然いいんだけど)」


降旗

「(さてと、学校に行く前に…)」


*一時停止*


珠希

「お前………朝の挨拶なら学校に着いてからすりゃいいだろ」


降旗

「いやそういうことじゃなくて、珠希さんルートの選択肢とか教えてもらおうかと」


珠希

「こんなクソ早い時間から何かと思えばこの私を攻略本代わりか…

ケツの穴にぶっといの二本くらいぶち込んでヒロインに変身させるぞ」


降旗

「そんなことやったら俺の対戦車砲が火を吹きますよ。いいから教えて下さい」


珠希

「このギャルゲーは固定イベント以外は完全にランダム、そのイベントも1000種類以上あるから選択肢に関しては分からんな」


降旗

「また面倒なシステムですね。そこはなんとかならないんですか?」


珠希

「ゲームも根本たるシステムはいわば物理法則みたいなものだからそう簡単にはな…」


*再開*


降旗

「(はあ、投稿したら今度は猪八戒と沙悟浄のフラグを回避しなきゃいけないのか…強制イベントがないことを祈るしかないか)」



Now Loading…



(通学路にて)


降旗

「(それにしても通学にチャリ使うってギャルゲーにあるまじき設定だよな…ん?あいつはたしか)」


美咲

「あなたは降旗さん、でしたよね? おはようございます」


降旗

「あ、ああ、おはよう薄井さん(これはチャリを降りなきゃいけないのか。通学途中のイベントも大変だな)」


美咲

「降旗さんはいつも自転車で登校されてるんですか? あの学校は坂が多いから大変そうですね」


降旗

「まあ中学時代は運動部だったからこれくらいは余裕だよ。薄井さんこそ大丈夫なの?」


美咲

「なっ…バカにしないで下さい! 私だって歩くことくらいできますから」


降旗

「そうじゃなくて時間の事だよ。俺はいつもギリギリの時間に家を出てるからさ…ほら、もう8時25分じゃないか」


美咲

「あっ………こ、これはつい前の学校の時の癖で、別に寝坊したとかでは……あ、あの、その…」


  「しょうがないな…ほら、時間もないしさっさと乗って」


  「俺はいいけど、お前はいいのか?俺の後ろだぞ?」


降旗

「…………ん? ちょっとタイムいいですか」


*一時停止*


降旗

「薄井美咲ことオーダーピンクさん。この選択肢おかしくないですか?絶対いじったでしょ」


オーダーピンク

「あなたを『お約束的展開』へと導くための当然の措置です」


降旗

「俺は珠希ルートを選ぶんだから邪魔しないでくれよ。

それだって『お約束的展開』であることには変わりないだろ」


オーダーピンク

「現役女子高生の私を差し置いてあんなおばさんを選ぶんですか?」


降旗

「だって薄井さんって敵でしょ? 薄井ルートの先には『死』が待ち受けていそうで怖いじゃないですか」


オーダーピンク

「たったそれだけの理由で私よりあいつを……危険を冒してまで援交するクソジジイ共の度胸を見習ったらどうです?」


降旗

「余計なお世話だ。とにかく、今度からは選択肢をいじらないでくれよ」


オーダーピンク

「それは無理ですね。だって私がいるだけで強制的に『お約束的展開』に巻き込まれますから」


降旗

「ああそうだったな。全くもってクソ面倒臭い能力だな」


*再開*


→ 「しょうがないな…ほら、時間もないしさっさと乗って」


  「俺はいいけど、お前はいいのか?俺の後ろだぞ?」


美咲

「いいんですか? 本当に迷惑とかじゃない?」


降旗

「大丈夫だって、中学の時は運動部だから(白々しい…口元がプルプルしてるじゃねーか)」


(美咲、どんよりとしていた顔が一気に明るくなる)


美咲

「ありがとうございます! じゃあ後ろに失礼して…ゆっくり運転してくださいね?」


降旗

「はいはい、それじゃあ全速力でいきますよ」



Now Loading…



(朝の教室)


降旗

「(ふう、なんとか間に合ったか。それにしても珠希さんの姿が見あたらな…ん? あいつは昨日の猪八戒か?)」


???

「おはよう降旗さん。ちょっとお話よろしいですか?」


降旗

「いえよろしくないです。もう直ぐ授業も始まりますし」


???

「それならこちらで何とかしますので」


(降旗、大きなため息を一つついて)


降旗

「……はい、分かりました」



Now Loading…



(誰もいない廊下)


降旗

「それで、お話って何のことでしょう」


亜梨沙

「その前に自己紹介を。私は風紀委員長の斉木亜梨沙と申します」


降旗

「はあ、よろしくお願いします。(このスタイルで亜梨沙って…親はこいつを見てどう思ってるんだろう)」


亜梨沙

「話というのは他でもありません。

今朝、あなたは同じクラスの女生徒を自転車の後ろに乗せて登校してきましたね?」


降旗

「ええまあ、それがどうかしました?」


亜梨沙

「とぼけないでください! 我が校では不純異性交友は認められていないのですよ!」


降旗

「(う、うわあ、美少女が言うならともかく猪八戒みたいな不細工が言うとひがみにしか聞こえねえ…あれ、次ってもしかして選択肢かな)」


→ 「すみません。でも彼女は遅刻しそうだったので」


  「そんなこと言って、もしかしてひがみですか?」


亜梨沙

「分かればいいんです分かれば! それじゃあ私はこれで」


(ドスドスと地面を揺らし教室へ戻る亜梨沙を見つめる降旗)


降旗

「(下の選択肢とか絶対にあり得ないだろ! 作った奴は一体何を考えてるんだ?)」



Now Loading…



珠希

「おはよう降旗君。先ほどは何を怒られてたの?」


降旗

「ああ黒幕はここにいたのか。珠希さん、やっぱりヒロインのデザイン元に戻してくださいよ」


珠希

「デザイン? 一体何のこと?」


降旗

「とぼけないでくださいよ。あの猪八戒にことです。あとその年不相応な喋り方もやめてください」


珠希

「ちょっとカメラ止めろ」


*一時停止*


珠希

「お前、私も一応役を演じてるんだから合わせろよ。本当にヒロインにするぞ」


降旗

「い、いやあでもあんな喋り方はなんか違和感があるというか」


珠希

「本当にゴタゴタうるさいなあお前は。さっさと私を攻略しろよ」


降旗

「なんですかそのセリフ、新手のプロポーズみたいですね」


珠希

「はいはいそーですねーいいからゲームの世界に戻るぞ」


*再開*


珠希

「あのさあ、降旗君は今日暇だったりする?」


降旗

「うんまあ、帰宅部だしね」


珠希

「じゃあ買い物に付き合ってくれない? 色々と揃えたいんだけど引っ越したばかりだからよく分からなくて」


  「別に構わないよ。それでどこに行きたいの?」


  「女の子が喜びそうな店を知らないけどそれでもいいなら」


降旗

「(また断れない二択かよ! しかも珠希さん完全に笑ってるし!)」


  「別に構わないよ。それでどこに行きたいの?」


→ 「女の子が喜びそうな店を知らないけどそれでもいいなら」


珠希

「生活に必要なものを揃えたいだけだから大丈夫だよ。それじゃあ今日の放課後、待っててね?」


(上機嫌で去っていく珠希を呆然と見つめる降旗)


降旗

「(やっぱ気持ち悪い喋り方だな…本当にさっさと終わらしたいなあ…)」

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