ギャルゲーの世界編①
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(西日が射し込む放課後の教室)
降旗
「ちょっと珠希さん! なんであなたが転校してくるんですか!」
珠希
「別にいいだろう。それともあれか、私を攻略したいのか?」
降旗
「今まで出てきたメンツだと必然的にそうなりますね。そんなことよりですよ」
(降旗、珠希のそばにぐっと近寄る)
降旗
「(あの薄井美咲って何者なんですか?セオリー通りの美少女って感じじゃないですか)」
珠希
「(私にも分からん。設定は色々と、特に登場キャラのデザインなんかは全てブスにしたはずなんだがな)」
降旗
「(そんなギャルゲー誰がやろうと思うんですか?
リアルの追求が許されるのはアクションゲームだけですからね。
そもそもリアルにあんな人間がいるんですか?)」
珠希
「(作者の家族以外の身辺にいる人間がモデルになってるからいることにはいるんだろうな)」
降旗
「(じゃああの薄井美咲も作者の知り合いですか?)」
珠希
「(いや、作者の友達に美少女はいないから多分あいつらなんじゃ……)」
???
「その通り!」
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オーダー
「「「「「宇宙の秩序を守る為、今日もお約束的展開を貫いていく! そんな我ら『オーダー』只今ここに見参!!!!!」」」」」
オーダーレッド
「今日こそ我々の因縁に決着をつけようじゃないか!」
珠希
「また妙にいいタイミングで『オーダー』が出てきやがったな
お前らここが何の世界だか分かっているのか?
ギャルゲーの世界で戦隊物みたいな格好っておかしいだろ」
オーダーグリーン
「こちらにもこちらの事情があるから仕方が無いだろ! 今脱ぐからちょっと待ってろ!」
いそいそとタイツを脱ぎ出すオーダー達。
その中の一人であるピンクの姿に降旗は驚く。
降旗
「お前は……薄井美咲!」
オーダーピンク
「その名前は世を忍ぶ仮の姿よ!
私達が来た以上ギャルゲーの世界で好き勝手にはさせない!
とりあえず醜いヒロイン達と登校途中のヒロインとの遭遇フラグ発生の確率を元に戻しなさい!」
珠希
「全ヒロインのデザインはいじったが乱数はいじってないぞ……もしかして薄井美咲ことお前が攻略対象に割り込んできたからずれたんじゃないのか?」
オーダーピンク
「あっ………と、とにかくお前らの悪事なんて絶対に許さないんだから!」
降旗
(ああ、やっぱり美少女がこんな感じの態度を取ると可愛いな)
珠希
「別に許さなくてもいいんだけどさ、ギャルゲーでどうやって決着をつけるんだ?」
オーダーピンク
「どうやって決着をつけるかはあなたに選ばせてあげるわ」
珠希
「思いつかないからって人に丸投げするなよ…じゃあ降旗がどっちもルートに突入するかで決着をつけようじゃないか」
オーダーピンク
「な、それじゃああなたに有利すぎるじゃない!」
降旗
「(果てしなくどうでもいい争いだな…)
ねえオーダーレッドさん、あなた達も制服着てるってことはこのゲームに参加するんですか?」
オーダーレッド
「まあ一応な。隣のクラスで『夏目雅人』って奴がいたらそれ私だからよろしく」
降旗
「よろしくお願いします。レッドさんが出るってことは他の方々も何かしら参加してるんですか?」
オーダーグリーン
「僕は本職が小学校教師だから数学の教師をやってるよ。分からないことがあったらなんでも聞いてくれて構わないよ」
オーダーイエロー
「俺は用務員のおっさんやってるから何か壊れてたらすぐに駆けつけてやるぞ」
オーダーグリーン
「俺は降旗君がバッドエンドに行き着いた時フォローを入れる係だから」
降旗
「絶対に関わりたくねえな(よろしくおねがいします)」
オーダーレッド
「本音が漏れてるぞ」
降旗達が親睦を深めていると女性陣二人の会議が終わったようだ。
薄井美咲ことオーダーピンクは残りの四人を連れて教室を出て行く。
珠希
「じゃあそういうわけだから…って聞いてたか降旗?」
降旗
「いえ聞いてませんでした。それにしてもオーダーの人達も悪い人じゃなさそうですね」
珠希
「はいはいそうだな。お前がどのヒロインのルートに突入するかで勝負することになったからよろしく」
降旗
「えっ、俺は普通に珠希さんのルートに入ろうとしてたんですが」
珠希
「だろうな。ということで今回は私達の勝利が確定したわけだが…薄井の誘惑に負けるなよ?」