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Get Over  作者: 天瀬亮斗
Dragon Hunt
6/9

5.竜の牙

 結論から言えば、鍛冶屋にはアクィスの案内で向かう事となった。

 一度ルトが指差した方向に向かい火の魔力を感知した場所を確認してみたが、そこに在ったのは陶芸品屋だったのだ。裏に窯があり、其処で作ったものをそのまま店に並べるような形の。

 なんで裏通りにこんな店があるんだよ、とツッコミを入れたルトに、丁度冷まし終えた陶器を窯から出していた職人がルトを見ることなく回答する。


「炉とか窯とか暴走すると危険なものを人通りの多い大通りに置けるわけがないだろう」


 あまりの正論にぐぅの音も出ず、ただ頭を下げて謝罪したルトの姿はある意味一見の価値があっただろうか。

 とにかく、落ち込むルトに蹴りを入れ、風に聞いた鍛冶屋へと案内するとアクィスが言い出したのは当然のことである。


 そうしてアクィスの案内でたどり着いた鍛冶屋は、ルトが思っていたよりは大きいものだった。

 場所を頭の中で確認すれば火の魔力を感じた場所のうち、おそらく最後に回ったであろう場所である。探した時に一番遠かったという訳ではないが、最初の陶芸屋に向かった後、そこから一番近いところ、次は移動後に一番近いところ、という形で回っていけば最後に最後にたどりつく位置にあったのである。


「……アクィスのおかげで街を一周しなくて済んだよ、ありがとう」

「素直に感謝をして頂けるのは有難いのだが、主殿、言わなければ知られぬ事を言う必要はないぞ?」

「いや、言わなくても気づいたろ」

「まぁ、気付いたから案内したのだがな」


 実際、回り始めて二つ目か三つ目の位置なら、アクィスはため息を吐きつつも付き合ったことだろう。疲れる事をしたくないという訳ではないが、街一周分の時間を無駄にしたくはない。

 どうやら裏に鍛冶用の施設があるらしいその店の扉に手をかけ、引きあけると正面のカウンターに一人の土人(ノーマ)の少年が座っていた。


「いらっしゃ……って、どなた?」

「え? いや、どなたって、客だけど……?」


 店に入るなり、少年に怪訝そうな顔をむけられてルトは困惑を表情に浮かべる。ひょっとして実は店はやってなかったのだろうかとルトが周りを確認すれば武具が種類分けされ、丁寧に並べられており、それぞれに売値の札が掛けられていた。さりげなくルトから離れたアクィスがそれらの品を興味深そうに見て回っている。

 鍛冶もやっているのだろうが、武器を売ってもいるという事は間違いない。首を傾げるルトを見て、少年は慌てたように頭を下げた。


「って、済みませんっ! ぇと、俺が店番始めてから店に馴染みの人以外が来るのが初めてで」

「……あぁ、成程。理解できた、気にしないで」


 表通りに武器屋があり、大抵の武具はそちらで揃うのだから態々裏通りの鍛冶屋にまで人が来ることはあまり無いのだろう。武器屋で欲しいモノが無いとしても、発注すれば店から鍛冶師に伝え、作成してもらうこともできるからなおさら直接訪れる必要がない。今回だって持ち込むモノがモノでなければ、ルトも表通りの武器屋から発注するだけで済ましていたのは間違いないのだから。

 結果、この店に来るのは近所の馴染みの人や、武器屋の仕入れ役位となるのは仕方ないことだろう。仕入れ役が変わったことはないのかとも思うが、よほど急な状況でもない限りは旧担当者と新担当者の二人で挨拶という顔見せに来るはずである。

 少年の態度に納得がいったルトは一つ頷いて、気にするなと片手を振って見せた。

 

「改めて。いらっしゃいませ、カジウルの鍛冶屋へようこそ。どんな武器をお探しですか?」


 今度こそ歓迎の言葉を述べた少年。明るい茶の髪を短く刈り込んでおり、見る者には清潔さと爽やかさを印象付けるのに一役買っている。濃い茶の目は子供らしく大きく無邪気さと好奇心を宿すように輝いている。商売用とはいえ笑みを形作る口唇は健康的な色を宿しているが、鼻が少々低いかもしれない。もっとも、そのおかげで愛嬌のある顔立ちをしていると言えるだろうか。背の伸びの上限が低く、身長差で大人と子供の区別をつけるのが難しい土人ではあるが、その顔立ちにはしっかり年齢は出るものだ。間違いなくこの少年は「少年」と称される年齢だろう。

 なお、土人の男性は二十を過ぎた頃から髭を伸ばし始めると言う習慣を持っているが、客商売の都合上髭を剃っている者もいる。髭の有無だけで土人の年齢を図ると手痛い目に合うのはよくあることだ。

 

「えぇと……。鋼製の片手剣を二振りと、後、素材持ち込みで剣を打って欲しいんだけど」


 伝えながらルトは己の左の袖をまくり、嵌めてある腕輪に刻まれた紋章を少年に見せた。

 腕輪に刻まれている紋章がハンターの証明である証である。この証を持つ者からの依頼は出来るだけ受けるように、と言うのが生産職に就いている者達の暗黙の了解となっていた。

 生産職の大半は、素材に対し手を加える、あるいは合成することで食い扶持となる商品を作成する。その素材を入手してくる、あるいは素材を入手するために危険を排除しているのがハンター達だからだ。

 場合によっては国や領主が兵を出して魔物等を排除することもあるが、それは多人数で挑まねばならない相手や状況の場合のみであり、ちょっとしたお使いに近い素材入手に兵を動かすことは流石にない。

 ハンターが危険を排除する事で食い扶持の種を得る、その礼として彼らからの依頼を出来る限り拒まない。ハンターたちと生産者はそんな関係を築いている。

 馴染みの客以外来たことがないという店でも店番をする以上それは教えられているだろうとルトは踏んだのだが、しかし少年は証を見て複雑そうな表情を浮かべた。


「……ぁー、えぇと……」

「あ、ぇと。ハンターさん達の持ち込む仕事は出来る限り受けるように、ってのは聞いてます。でも、親方はあんまりハンターさん達をよく思ってないようでして……」

「よく思ってない? こっちでなんかやらかした奴がいるのか?」


 ルトが問うと、どこか申し訳なさそうな表情のまま少年が語ってくれる。なんでも、彼が店番として仕事に就く前に妙に高圧的なハンターが依頼に来たことがあり、当時店番もしていた親方はその態度を腹に据えかねたらしく、ハンターを追い返したとのこと。

 その後からこの店の親方は店番を雇うようになり、対応を店番に任せて一日奥で槌を振るう様になったそうだ。


「……何やらかしたんだ、そいつ」

「流石にそれは……解りません」

「『ハンター様が依頼に来てやったんだ、有難く仕事しやがれジジイ』なんて事を言った、に票を投じておこう」


 頭を抱えるルトに眉尻を下げる少年、そんな二人へと、店内を興味深そうに見て回っていたアクィスが近づいて声をかけた。

 今度は男の声に聞こえるよう声音を作る、と言う器用な事をやって見せるアクィスに、声をかけられて初めて気づいたらしく少年はアクィスへと驚いたように顔を向け。

 その容姿に小さく息を呑んだ後、ひきつった笑顔と責めるような視線をルトへと向ける。


「……っていや、待て、誤解するな。別に俺は好き好んでこんな格好の……こいつを連れ歩いてる訳じゃない」

「うむ。この傷は魔の所為で付いたものであり、彼は危機に陥っていた私を助けてくれたのだ。そのような目を向けないでくれぬか」


 視線の意味を正確に理解したルトは慌てて片手を振って無罪を主張し、アクィスもからかう事無くルトの言葉のフォローを行う。

 ルトから視線を外しアクィスへ「本当に?」と問うような目を向けてきた少年へ、虐待されている少女では浮かべられぬ様な柔らかな微笑を浮かべて頷いて見せる。

 アクィスの表情を見てようやく少年は納得した様子で、謝罪の言葉を述べながら多頭を下げてきた。苦笑を浮かべながら、ルトはまた片手を振って気にするなと応じておく。


「しかしまぁ、とりあえず伺うだけなら問題は無かろう。取りあえず素材を持って確認だけはして貰えぬか?」

「えぇ、解りました。聞いて見るだけは聞いてみますが、良い返事を返せなければ、その時は申し訳ありません」

「や、良いさ。その時は剣を買って帰るよ」


 アクィスの提案に、少年は素直にうなずく。先ほどの責めるような目で見た失礼への謝罪もあり聞く事は問題ないようだが、それでも彼は、親方は断るだろうという予測を立てているようである。

 そんな少年に苦笑を浮かべたまま、ルトは提げていた鞄から牙を取り出し、少年へと差し出した。元アクィスの上顎の牙は、切り取ってしばらくは赤黒い筋がまとわりついていたのだが、それもとれて今はタダの見事な牙となっている。

 動物の牙と言う素材自体は比較的よく見るのだが、しかし、初めて見る大きさに少年は思わず目を丸くする。


「大きな牙ですね。いったい何の牙でしょうか」

「そこは内緒という事で。んじゃ、確認頼むな」

「はい、それでは少し失礼します」


 軽く頭を下げ、少年は奥に向かう。店内に残されたのはルトとアクィスのみとなった事に、不用心な、と思うものの、そもそも馴染みしか来なければこうもなるか、とルトは思い直した。


「……しかし、服屋の方じゃ突っ込まれなかったから気付いてなかったけど、そりゃ今のアクィスを見ればそう思うか」

「裏通りの服屋を利用するものなど、大半が事情があるものだ。私のような者など見慣れていたのだろうよ」


 先ほどの少年の視線を思い出しぼやくように零せば、アクィスも小さく溜息を溢す。気付いてしかるべきだった事に気付かなかった事に彼女も責任を感じているようだ。


「だが、それよりも私は主殿に驚いたのだが」

「俺に? ……あぁ、名前か」

「うむ。私の名前を呼び掛けた時、思い止まるとは思わなかったぞ」


 この街の名は翠竜からとられたとされていて、今隣で少女の姿をしているのがその翠竜である。恐らく名前を呼んだ所で問題があるとは思えないが、それでもなんとなく人目のある場所で名を呼び捨てるのははばかられた。

 そして、さりげなく人目のある場所ではアクィスもルトを「主殿」とは呼ばない。名を呼ばなくても気を引く方法はいくらでもあり、それを駆使してアクィスはルトを呼ぶことを避けていた。今の彼女の姿でルトを「主殿」等と呼べばどんな想像がされるかなど、火を見るよりも明らかである。

 と、奥から近づいてくる気配を感じ、ルトは口を閉ざし軽く体を開く。そうしよう、と意識する間もなく体が自動的に四肢に一度力を込め、それから緊張をほぐすように脱力し、いつでも瞬発的に動けるように状態を整える。

 アクィスはルトの陰に隠れるように移動する。本来であれば主であるルトの前に立つのが正しいのであろうが、しかし、出血は止まっているとは言え傷だらけの上竜人(ドラグノ)の姿を取っている現状では只の少女に過ぎず、前に出ても足手まといでしかないと理解していた。


 二人が思わず臨戦態勢を整えてしまうほどに、奥から向かってくる気配は殺気を纏っていたのだ。


 ぬぅ、と今しがた少年が消えて行った奥から姿を現したのは、少年と同じ明るい茶の髪を持つ土人の男性。洗いはすれど手入れなど全くされていないだろう髪はもじゃもじゃと絡まっているように見えるが、口周りに蓄えた髭はしっかり手入れされているらしく艶すら見て取れた。濃茶の瞳は鋭く細められ、本来であれば客人である筈のルトを睨みつけるように。その瞳には疑惑と怒気に似た輝きをともしている。背の高さは精々ルトの胸辺りまでしかないが、鍛え上げられた肉体に纏う気配は歴戦のハンターと比べても遜色ない物となっている。

 そんな男の眼光を受けても柳に風と受け流しながら、しかし、ルトは同時に疑問を感じていた。

 ――確かによくは思っていないと聞いてはいたが、その程度でこのように殺気まで纏うか?

 ルト達が粘っているのなら話は別だろうが、ただ一度聞いてみただけならば、普通ならわざわざ顔を出したりなどしないだろう。

 それでも出てくるという事は、何かあったのか。もしかすれば知らぬうちに自分たちはこの男性から恨みを買っていたかもしれない。そう思いながら、男の挙動に意識を済ませる。何かしらの攻撃行動をとったなら、即座にアクィスを護り逃亡、もしくは撃退が出来るように。


「……こいつを持って来た、ってぇのはテメェラだな?」

「あぁ、そうだけど。……何か?」

「どこでこいつを手に入れた? いや、どうやってこいつを手に入れた?」


 男の手には、先ほど少年に託した牙が握られている。問いを一つ発するたびに男の殺気は膨れがあるように、けれど、それを無理に押し込めている。

 答えを誤れば、今持っている牙で襲い掛かってきそうなほどに。

 どう答えるのが正解か。ルトは思考を回そうとし。

 背後から聞こえた吹き出す音に空転する音が聞こえた気がした。


「……く、くく、く……。いや、済まん。何事かと思えば、そういう事か」

「嬢ちゃん、笑っていい時と場合、ってぇもんが……」

「その牙は、正当に翠竜が下賜したものであるよ。我が命をかけて誓おう」


 殺気が膨れ上がり、爆ぜる直前に。まるで涼風の様に通って行った言葉に男がわずかに表情を揺らす。

 アクィスの言葉を聞き、ルトは男の様子の原因を理解した。成程、それは怒るだろうと納得し、全身の緊張を抜いて両手を上げ、敵意が無い事を示す。


「……翠竜と魔の闘争に助力をしたんだ。その時の助力の報酬として牙を貰った」

「……嘘じゃねぇな?」

「虚実感知でもなんでも持って来い。何度でも胸を張って言ってやる」


 堂々と言い切ったルトを探るように暫し睨んで、男は息を吐き、全身から力を抜いた。


「すまんかった、客人方。牙を見たら抑えが利かなんだ」

「驚いたけれど、理由は納得できた。っても、出来ればいきなり殺気をぶつける前に、一言確認取ってくれた方がありがたかった、かな」


 繰り返しになるが、この街の名は翠竜よりとられている。逆に言えば、この街と翠竜との関係は相応に深いのだ。

 街の伝承では、この街が作られるときに周囲の魔物を狩り結界を展開するための広場を作り出したのが翠竜だ、と言われている。その伝承を街の人々は信じ、この街に住む者は人種関係なく翠竜へと感謝を抱いているという。

 その翠竜の牙が、ハンターによって持ち込まれたのだ。もしかして、と思ってしまうのも無理はない事だろう。


「翠竜様に助力したって事は、お会いしたんだろ。お元気だったかい?」

「ぁー……翻弄されました」

「そりゃ重畳、お元気そうで何よりだ」


 ルトが苦笑を浮かべながら答えた言葉に、男は楽しそうに笑った。ジト目をアクィスに向ければ、話題の翠竜様は壁に掛けられている売り物のハルバードを見つめる事にお忙しい様子。

 確かに悪戯好きな竜だとは聞いていたのだが。翻弄されたの一言にお元気そうと返ってきて、しかもそれに対し心当たりがあるかのように不満な様子を見せることなく、むしろ視線から逃げるように明後日向いているのはどういう事なのか。問い詰めてやりたいが、今それをやる時ではない。

 溜息一つ、ルトは男の……鍛冶師の方に向き直った。


「でも、それが翠竜の牙だって良く解ったな」

「街中央近くの役場には翠竜様が街に下さった鱗が飾ってあるからな。それが持つ魔力を知ってりゃぁ、牙に残留する魔力で一発で解ったさ」

「……なるほど。ぇと、それで、その牙で剣を打ってほしいんだけど……」

「おぅ、任せとけ。ほかの鍛冶屋になんぞこの仕事はくれてやんねぇ、翠竜様が認めた男の剣だ、最高の仕事をしてやるよ」


 実にイイ笑顔で親指を立ててくる鍛冶師。奥から出てきたときからの変わり様に、また、少年の話から感じた人柄との違いに困惑しか覚えないのだが……。

 ルトは吐息一つで諦めた。もう今更言ったところで無意味だろう。


「んで、打ちあがるまでの代理の剣として、鋼性の片手剣が二振り欲しいんだけど」

「あん? あぁ、アンタ双剣使いか。鋼の片手剣なら奥の棚だ、好きなの一本持ってけや」


 気風良く持って行けと言われ、ルトは一瞬言葉に詰まった。あれ、金は? と言う思いが表情に出たのだろう、ルトの顔を見て鍛冶師は豪快に笑う。


「はっ、翠竜様に助力してくれたんだろ? なら、剣の一本くれぇ痛くもねぇよ。好きなの持っていきやがれ。あぁ、だが一本だけだ。明日の午前までに剣を打ってやる、昼前に取りに来い」


 上機嫌に笑みを浮かべながら言う鍛冶師に、今すぐ二本欲しいんだ、という度胸はルトには無かった。街中でも用心の為に一本は欲しいが、二本を急いで揃える理由は実はあまりない。イーシャには朝昼晩常に魔物を狩っていると評されたルトだが、流石に時と場合は弁えている。

 傷だらけのアクィスを放置して狩りに行くという選択肢はルトには無い。


「んじゃ、適当に貰っていくよ。剣、よろしくな」

「応よ、任せとけ! あぁ、久しぶりにいい仕事が出来そうだなぁ……感謝するぜ、ハンターさんよ!」


 なんだかほんとに楽しそうに笑いながら鍛冶師は奥へと歩いていく。ふと、そういえば少年はどうしたんだろうかとルトの思考の端を過ったが、別にいいか、と気にしないことにした。奥に行ったのだ、殺気に充てられ気絶していたとしても危険はないだろう。多分。

 剣を見繕うために鍛冶師に言われた棚の方に向かおうとして、ふと唐突に思いついたようにルトは鍛冶師へと問いかけた。


「なぁ、嫌なら答えなくていいけど聞いていいか?」

「……あん? なんだ?」

「前……って言うとあれだが。あんたを怒らせたハンターって、何を言ったんだ?」


 あぁ、んな事か、と鍛冶師はやはり面白くなさそうな表情を浮かべ。気分を落ち着かせるように一息間を置いてから、肩を竦め。


「翠竜様を馬鹿にしやがったんでな。叩きだした」


 それだけ告げて奥へと消えていく。奇妙な沈黙が訪れる店の中、ルトは貰っていく鋼の剣を選んだ後、なんだかハルバードの前から凍りついたように動かなくなったアクィスの後ろ姿に声を掛けた。


「愛されてるってしみじみ感じて、照れて真っ赤になった顔見せたくないってのは解るけど、帰るぞ」

「解ってるならいちいち口にするでないわっ!!」


 漸く、宿での翻弄された事の仕返しができたルトであった。

「人に一番近いとか、威厳も何もあったもんじゃねぇよなぁ。しかも悪戯好きとかwwww翠竜ワロスwwwwww」

「よしてめぇ、今ここで死ぬか店を出て死ぬか選べ」

ってなことがあったのかもしれません。

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