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Luna Cuore

プロローグ

作者: 常葉青


沈んでく……。

そんな感じがした。






第0話 追憶






精神世界と言ったらいいのか。


真っ暗な空間を、緑がかった白髪の青年が真っ逆さまに、緩やかに堕ちていく。瞼は閉じられたままだ。

身に付けている喪服のような服が、バサバサと五月蝿い位に音を立てているが、目を醒ます気配が感じられる事はなかった。

彼の堕ちる先には、地上などない。ただ、闇が道をつくっていた。






永久的に続くかと思われた時間が過ぎた頃、青年に変化が起きた。


閉じられた瞼が震え、僅かに開けられたのだ。翡翠のような美しい色をした瞳が、真っ直ぐ前を向いている。

前には――底が見えない、永遠の暗闇。




『後は……頼んだ……。我の力が……たとえ妨げになろうとも……』




青年の唇がそう言葉を紡いだ瞬間、彼の身体が輝き始め、眩しすぎて彼が見えなくなった。






光が止んだ。




さっきの青年と瓜二つの青年――いや、青年と呼ぶには幼い。それに、髪の色が黒に変わっている。

彼は、さっきの者と同じように眠ったまま、闇の中に沈んでいった。





混沌とした奈落へと。






運命は、規則正しくなど動いてはくれない。

古くなった歯車は動きが鈍るように、それもまた変動するものなのだ。




彼の運命は、ここから狂い始めた。



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