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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第4章 中学最強が決まる全国大会

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全国大会準決勝 桜見VS名西寺5

「ふぅ〜、あそこまで身長高いとああいう事をやれるんだなぁ」



 ロッカールームで体力回復に努める桜見イレブン。



 与一は神奈が用意した冷たいタオルを首にかけると、水を飲んで熱さで消耗している体の疲れを癒やす。



 そこで与一はセットプレーを続けて防がれた事を思い出していた。



「今まで戦って来たDFの中でも1番高く跳んでたし、あの高さをまともに競って勝つのは想像以上に骨だな」



 同じように休憩する竜斗の頭の中で思い出される、烈気による圧倒的な高さ。


 あれを攻めでも守りでも有効的に活用していた。



「何時上がってくるのか分かんないし、さっきは思わず慌てたよ。悪い……!」



「大丈夫だよー。結果的には0で終われてるんだから平気平気♪」



 楽斗は先程、自分の迷いによるミスでピンチを招いてしまった事を謝罪。


 それに輝羅は明るく何時も通り笑うと、楽斗の肩に手を置いて励ます。



 全国大会で一瞬の迷いは命取りとなって、あっという間にやられてしまう恐れがある。


 迷いがあれば今のうちに取り除いた方が良い。



「番名が何時上がるのかは分かんないけど、あいつがもし上がってる時に素早く奪えばカウンターチャンスだよな? さっきも輝羅のキャッチから行けてたし」



「でも、1度失敗してるから慎重になって上がらないかもしれませんよ?」



 烈気の上がっている時が攻撃チャンスだと、霧林が扇子を取り出して扇ぎながら言う横から、室岡が口を挟む。



 相手は1度失敗してゴールされるかもしれない危機を迎えた。


 幸い防げたので、このまま上がらず守備に専念するだろうと。



「スコアレスになったら、それはもう桜見の勝ちだよー。PKになれば僕がいるからさ♪」



 輝羅はPKに対して大きな自信を持っており、ずっと烈気が上がって来ずにスコアレス狙いなら好都合と考えている。



 PKになれば絶対負けないからだ。



「ま、気楽に気楽に♪相手の守備がガラ空きになった所を狙ってやろうー!」



「……おお〜……」



「相変わらず盛り上がらねぇなぁ……」



 与一の声掛けに影二が小声で乗ると、気合の入らない盛り上げ方だと竜斗は苦笑してしまう。


 そこは同じ双子の輝羅も共通していて、2人ともマイペースな緩い声掛けだ。



 あっという間にハーフタイムは過ぎ去り、後半戦が近づくと両チームとも再び猛暑のフィールドへ踏み込む。



 ☆



『後半戦、桜見は新田に代わって倉本を投入。それ以外はメンバーの変更はありません』



『出ましたね桜見のスーパーサブ。試合の流れがこれで変わるかどうか……?』



 左サイドの新田が相当頑張った為、疲労が来て若葉と交代。


 スコアレスでも良いとなっていたが、点を取る為に桜見は動き出す。



 今度は桜見のキックオフを迎える番だ。



『(あっち、スコアレスで済ます気なさそうだよ)』



『(こっちのゴール破ってやるって気持ち凄い現れてるね)』



 双子達の方は名西寺達の心を覗き込み、自分達から点を取る気満々という気持ちを読み取る。



 だとしたら烈気がまた攻めて来るかもしれない。



『(後半も前半と同じようにね与一)』



『(分かってるってー)』



 双子達のテレパシーによる作戦会議が終わる頃には、後半戦キックオフの瞬間を迎えていた。



 ピィ────



 桜見のキックオフで後半が始まり、速攻は仕掛けずにゆっくりとボールを繋いでいく。



 前半の名西寺と同じ立ち上がりだ。



「あんま深追いせんでええぞー! 温存しとけー!」



 名西寺DFラインから烈気は走らせてスタミナを削る作戦と読み、様子を見させる。



 後半に入る前、ハーフタイムに陽射しが強くなって気温は上昇。


 闇雲に走ってしまえば、すぐにバテてしまう。



 両チームとも走らずにボールを回したり静観と、互いに隙を伺っていた。



「(〜じれったいわぁ!)」



 すると名西寺2トップの一角である太刀川は業を煮やしたのか、パスを回す桜見の方へ突っ込んでいく。



「こっちー!」



 与一がパスを要求すると、宮村から出されたボールを受けると共にもう1人のFW高清も迫って来た。



「(堪えきれなくなったみたいだねっと!)」



 2人がかりのプレッシャーをものともせず、与一は間を抜く速いボールを右足で蹴り、楽斗へ渡す。



「サイドGO!」



 与一の言葉を合図に霧林、室岡の両サイドの選手達は前へ走る。



 これに名西寺の守備陣がサイドから攻めるのかと、それぞれのライン際を走る2人に意識が向いた。



 だが、この2人はどっちも囮。



「(出さないんだなこれが!!)」



 楽斗はパスを出す事なくドリブルでの中央突破を狙う。



『桜見、両サイドが走る中で鈴本が正面から名西寺ゴールへ迫る!』



「うおっ!?」



 パスを警戒していたせいか、ドリブルへの注意が薄くなった米田は突破を許す。



「(まさか、そのままずっと1人で持ち込む訳とちゃうやろな? それはさせられへんわ!)10寄せぇ!」



 烈気がドリブルで迫る楽斗を見据えると、指示を飛ばす。



「(此処は……!)」



「!」



 この時、竜斗と楽斗の目が合えば互いのやる事を理解する。


 ゴール前でのワンツーだ。



 楽斗は此処でパスを出して、竜斗はダイレクトで折り返そうと迫る。



「(通すかい!)」



 だが、それを遮るかのように烈気の左足が伸びると楽斗のパスを弾いた。



『ゴール前のパス! 番名が弾いて零れ、名西寺クリア!』



 零れ球に桜見の選手が迫る前に蹴り出され、その上ボールはセンハへと向かって取られてしまう。



「(不味い……!!)」



 これに影二が気づいて右から迫ると、ボールへ向かって左足を伸ばす。



「グッ!?」



 センハは巧みにボールを転がして躱すが、影二の左足に自分の足がかかって転倒。



 これを見た主審は笛を鳴らす。



『おっとファール! 桜見、闇坂の反則だ!』



『これはカード出ましたね。イエローですか』



 影二の反則と判定した後、イエローカードが主審の手に掲げられた。



「あ……僕……その……」



 足を狙ったんじゃなくボールを狙ったと言いたかったが、嫌な位置でFKのチャンスを与えてしまった事に、影二は上手く言葉が言えない。



「ラッキー、あの影うっすい14番のおかげで儲けやわ〜」



 ニヤッと烈気が笑った後にFKの位置へゆっくりと近づいていく。


 前半に輝羅を苦しめた弾丸シュートを再び蹴るつもりだ。



 ゴール正面で30m付近、烈気のキック力なら充分に直接叩き込める距離だろう。



「ヤミー、今のはしょうがない。あれは止めなきゃ独走されてたかもしれないし、速攻を潰したのは良いよ」



「……」



 楽斗の慰めにも影二の暗いオーラが晴れる事は無い。



 自分のせいで悪い流れだと、かなり引きずっている様子。



「とにかく壁を作るぞ。向こうは番名が立ってるし、シュートだったら通せねぇからな」



「受けたくねぇけど……しゃーない!」



 霧林は烈気の前半に放ったシュートを思い出せば、あまり正面の壁に立ちたくないと本音が出てしまう。


 だが、腹を括ったのか壁となって立つ。



「おーい!」



 そこに桜見ゴール前から輝羅の呼ぶ声がした。



 すると彼は信じられない事を言い放つ。




「壁邪魔だからー! 誰も立っちゃ駄目ー!」



「は……?」



 まさかのGKから壁0枚指示に、一同は耳を疑ってしまう。

影二「僕の反則で負けたら……皆お前のせいだって思う……戦犯……責められる……」


与一「ヤミーがめっちゃマイナス思考になっちゃってるよー!」


輝羅「まだFK前なのに、ネガティブだなぁ〜。まぁそれがヤミーだけどねぇ」


影二「掲示板で悪口書かれる……学校でも陰口叩かれる……ネットで滅茶苦茶言われる……」


輝羅「そういうのさせないから、ね?次回は相手のFKが来るよ!僕が受け止められるのかどうか、お楽しみに♪」


与一「ヤミーの為にも止めないとねー」

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