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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第4章 中学最強が決まる全国大会

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全国大会準決勝 桜見VS名西寺4

『名西寺のスローインから一転、カウンターからFKのチャンスを迎えました桜見!』



『このFK取れるか取れないかで大きな違いがありますからね。前半残り時間も少ないので』



 前半はそろそろ30分を迎えようとしていた。



 桜見にとって最高の形は無論、ゴールを決めて1ー0で折り返す事。


 名西寺としては絶対に点をやれない。



「確か相手のGK黒石は関西の名手って呼ばれてるぐらい、腕の立つ守護神だから簡単には行かなそうかな……?」



「いーや、取ってくれるだろ。すんなりスパッとあの人ならやってもおかしくないって!」



 若葉は相手のGKが結構な実力者と知って、簡単ではないと思っているが海東は与一なら決めるだろうと見守っている。



 烈気1人だけ優れてる訳でなく名西寺は総合力の高いチーム。


 関西のエリート揃いなら、与一のFKを止めても不思議ではないレベルだ。



「止めろー! 名西寺!」



「神明寺2世を跳ね返したれー!」



 名西寺に向けた地元大阪の観客から、威勢の良い声援が飛んできていた。



 距離は30m以上離れ、ゴールほぼ正面と狙える位置。



 キッカーとして立つ与一は前を見据えている。




「(なんや、石立中学の時みたいにキーパー上がって来んのかい。止めればカウンターで1点やったのに、慎重やなぁ〜)」



 烈気としては輝羅が上がってきて、それで桜見のゴールをガラ空きにした所を狙いたかったが、相手が今回慎重なせいかゴールマウスが無人になる事は無い。



 此処は0ー0が最高の形と、烈気は納得するしかなかった。



『さぁ、キッカーは神明寺与一! 偉大なる小さな巨人、神明寺弥一の血を受け継ぐ息子が沈めるか!?』



『名西寺の壁も結構高いですからね。越えられるのかどうかですよ』



 桜見の平均身長を上回る、名西寺の高い壁が与一の前に現れる。



 その壁を与一は静かに見ていた。



「(高さで来るなら一斉に同時ジャンプや! 俺らの高さなら向こうが打ち上げて来ても届くはずやからな!)」



 高さに自信のある名西寺は与一のキックに合わせて飛ぼうと皆が考えている。



 それが与一には心で見えてバレていた、とは知らずに。



 与一は左足で斜めの角度からキックを捉え、壁の選手達は同時にジャンプ。



 上を狙ってくるかと思ったら、与一の蹴った球は壁の左真横へ向かって、そこから生命を宿す生き物のようにボールは曲げられて壁を越える。



 ボールは左から曲がってゴール左隅を捉えようとしていた。



「っ!」



 曲がる球の前に大きな壁が立ち塞がる。


 直接狙って来た与一のキックに烈気が反応すると、193cmの長い右足をボールへ向かって伸ばす。



 驚異的なカーブキックだったが烈気の恵まれた体格がゴールを阻んで、ボールは弾かれて左のゴールラインを超えて行く。



『防いだ番名! 神明寺与一のキックを長い右足が叩き落とす!』



『これは番名君、良いブロックを見せてくれましたね。あれ止められていなかったら枠に行ってましたから。しかし与一君も壁の真横を越える程のキックにも驚かされますよ……!』



 烈気のファインプレーに大阪の会場は大いに沸いて、チームメイトも彼の周囲に集まると輪が出来ていた。



「まだコーナーが残ってる! 気落ちしてる暇はねぇぞ!」



 与一のキックを止められて全体の士気が下がらないように、竜斗は手を叩きながら声を張り上げる。



『(時間も無いし、与一戻らないで引き続き蹴りなよ)』



『(分かったー)』



 スタンドからの声が大きくなりながらも与一と輝羅のテレパシーによる、やり取りに影響は無い。



『おっと、桜見は神明寺与一が戻らずCKも蹴るようです!』



『そうなるでしょうね。残り時間を考えれば守りに戻るよりも攻めた方が良いですから』



 再び与一が左CKのキッカーをやる事となり、位置につくと名西寺イレブンは皆が与一に鋭い目を向けた。



「(高いボールは弾かれる、かぁ)」



 桜見は竜斗と大橋ぐらいしか長身と呼べる選手はおらず、総合的な高さでは劣っている。


 与一から見て桜見の選手達が大体、相手より低いので高さは通じないだろう。



「(だったら──これでどう!?)」



 短い助走から与一は右足でゴール前へ、思いっきり蹴ってきた。


 先程の異常に曲がるカーブキックと違い、シュートを思わせる弾丸パスが竜斗の頭上へ迫る。



 サッカーマシンで鍛え上げた竜斗は与一の速い球へ反応すると、頭で合わせにいく。



「うおっ!」



「っ!?」



 竜斗の前に長い足が急に現れると、それはボールを蹴り返してクリア。


 烈気がハイキックのように足を高く上げて、与一のキックを止めてみせた。



『またしても番名烈気だ! 名西寺の前に立つ強大な壁が桜見の連続セットプレーを止め切った!』



『与一君、速いボール送ってたんですけど、番名君は高さだけでなく反応も優秀ですよね』



「マジで〜!?」



 2連続で自分の蹴ったセットプレーが決まらず、与一は頭を抱えてしまう。



 その与一を見て烈気は鼻を鳴らしてドヤ顔を見せる。



 此処で前半が終了して、結局スコアレスのまま試合を折り返す。



 ☆



「良ぇ感じやな。この試合1点取ったら間違いなく勝てるで」



 ロッカールームに戻ると、マネージャーから貰った水で烈気は喉を潤していた。


 その後に皆へ勝てると告げる。



「そうは言うけど簡単じゃないぞ神明寺与一を突破するのは……あいつフェイント何も引っかからない」



「別にそこをデュエルで競り勝たんでも、他から突破すればええやろ」



 与一をドリブルで突破しようとしたが、抜けなかった事をセンハは悔しそうな気持ちを秘めながら、冷えたタオルを肩にかける。



「俺らの強みはセットプレーや。頭は見事に取られてもうたけど、良ぇ位置からFKでも取れば行けるで」



 後半は上手くセットプレーに持ち込もうと、烈気がセンハや皆と話し合い、どう狙おうか休みながらも打ち合わせを重ねた。



 烈気はFKに相当自信があるようで、チャンスが来たら自ら決めてやろうと笑みを浮かべている。



 彼のターゲットは神明寺兄弟の守るゴールへと向く……。

与一「やっぱ足なっが! あんなに上がるとか聞いてない〜!」


輝羅「空手とか格闘技でもやってるのかなぁ? でなきゃあそこまで足上がんないでしょー」


神奈「確かに空手の上段回し蹴りに近いかも」


若葉「合気道といいサッカーとプラスして格闘技は結構流行ってるんでしょうか?」


与一「漫画とかでもそういうキャラ多いからねー」


輝羅「史上最強の格闘家とかがサッカーやったらどうなるのかなぁ? 次回は桜見と名西寺、後半戦ですー!」

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