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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第4章 中学最強が決まる全国大会

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全国大会準決勝 桜見VS名西寺2

「名西寺、良い連係してるなぁ。あそこからオフサイド取ってくんのかよ」



 ベンチで出番を待つ海東は、烈気のいるDFラインが一筋縄では行かないと見ていた。



「与一先輩のロングパス対策、相当やってそうだし縦パス厳しそうかな今日は?」



 これまで桜見の大きな武器となっている与一の正確無比なロングパス。


 それを名西寺は相当な対策をしてそうと、若葉はフィールドの相手DFの動きを観察し続ける。



「やっぱり全国になると、そういう完璧な対策してくるチーム出てきますね」



 そこに神奈も話に加わりつつ、ベンチからフィールド全体を見渡す。



「(対策されてる上に相手は豊富な運動量を持つチーム……守備も堅いから桜見にとって苦しいゲームになりそう)」



 今回は後半のスタミナが鍵になるかもしれない。



 夏の太陽は輝きが増すと共に気温も上がっていき、神奈はペットボトルの水を飲んで水分補給しておく。




「でぇっ!?」



 中盤で楽斗はボールを持つと、強く肩からぶつかってくる相手にバランスを崩しそうになる。



 それでも合気道の特訓で鍛えた体幹のおかげで、踏み止まる事が出来た。



『中盤で橋本、鈴本と激しく争う! 鈴本倒れない!』



『良いバランスしてますね鈴本君。あそこから持ち直すとは』



「(関東大会で見た時よりも粘り強くなっとんなぁ。ホンマにあの後、秘密特訓してたんちゃうか?)」



 桜見の全国での戦いぶりを烈気は全て動画でチェックしていた。



 関東大会でも良いサッカーを見せていたが、今回の全国では更に上回っている。


 現に優勝候補と言われた林王を寄せ付けなかったので、烈気や名西寺からすれば、桜見がパワーアップしてるとしか思えない。



「(ま、ええやろ。そんな桜見と神明寺兄弟を倒したら俺ら名西寺が、ごっつい強さを持つと証明される訳やからな」



 どっちにしろ望む所だ。



 烈気は再び前を見据えて声を出すと、桜見の左サイドを走る室岡がライン際で追いつめられ、ボールがタッチラインを割る。



 判定は名西寺ボールと、ボールを取り返す形になった。



「よっしゃ、俺投げるわ」



 このスローインを烈気が自ら投げると申し出て、両手で持つと助走の為にラインから離れていく。



『これは番名、かなりの距離をとりました。ロングスローか?』




「(大橋、センハのマーク行って。狙って来る)」



 与一は密かに大橋をセンハのマークに向かわせる。



 彼らの狙いは心で分かり、それを潰そうと密かに動いていた。



「(読まれても構わんわ。知ってて止められるもんなら止めてみろや!!)」



 ボールを持ったまま烈気は走り出すと、勢いをつけて両手で思いっきり放り投げる。



「わっ!?」



 これが相当な遠投となり、大橋を驚かせるとセンハは投げられた球へ向かって走り出し、大橋も続く。



『なんという超ロングスローだ! 一気に桜見陣地へボールが届いてしまう!』



『中学生でこんなの投げられるんですか……!飛距離が間違いなく相当出てますよ!』



 烈気のロングスローを目の当たりにしたスタンドからは驚きの声が出て、高いボールに長身の大橋とセンハが同時にジャンプ。



 先に届いたのはセンハの頭、彼はポストプレーで前線の高清へ送っていた。



「おっとー!」



 しかし、前線に届く事は無く与一が高清の前でインターセプト。


 空中戦で競り合っても勝てないと見て、ポストプレーの方を読んで備えたのだ。



『神明寺与一、頭で繋いだボールを取った!』



『落とした先を読んでましたか、良い読みしてますね』



 与一はボールを持つと、一瞬だけ名西寺ゴールの方向を見る。



「(あ〜、戻り速いなぁ)」



 チラッと見ただけでも大きな人物が守備へ戻っていく姿は見えた。


 烈気が再びDFの位置に行ったのを確認した後、与一はロングパスを狙わず影二へ確実に繋ぐ。



 全国レベルとなれば守備へ戻る速さも増しているようだ。




「膠着してきたなぁ〜」



 出番を待つ海東はまだ呼ばれないかと、そわそわしつつ試合を見守っていた。



「名西寺のDFラインが高い選手揃ってるし、連係も良いから簡単には攻め込めないって所かな」



 相手の守備陣を見れば烈気の頭1つ抜けた身長で目立たないが、共に守る市岡、千林も180cm以上のDFだ。



 平均身長が出場校の中で1番低い桜見にとって、相当大きな相手だろう。



「あっ……!」



 その時、神奈は声を上げる。



 見つめる先には烈気が前へと走り、攻撃に向かう姿が見えていた。



『おっと、大きな山が動いた! 番名が攻撃へと参加してくる!』



「(マジで!?)」



 楽斗は烈気のシュートがあるかもしれないと判断した後、マークに向かう。



「楽斗! 10番!」



「え!?」



 そっちへ行くなと与一からのコーチングが聞こえ、楽斗の中で迷いが生じる。


 隙を突いたセンハがボールを持って宮村を突破し、中央からドリブルで桜見ゴールに進む。



 一瞬の守備の乱れ、これがセンハに突破を許してしまうと名西寺にチャンスがやってくる。



『名西寺、コ・センハがボールを持ってゴール前! 神明寺与一が向かう!』



「(突破する気満々なのは分かってたよー!)」



「(神明寺……!)」



 正面から向き合う与一とセンハ。


 次の日本と韓国を背負う若きプレーヤー同士の激突に、スタンドからの視線も集まる。



 センハは動かず与一を見据えていると、いきなり左側から抜こうと動き出す。


 そこに与一も反応するが、センハは鋭く右へ切り返して逆方向から突破を狙う。



「(甘いね!)」



 与一は読んでいたらしく、すかさずサイドステップで追いついていた。



「(想定内だ!)」



 そこまでついて来る事をセンハは分かっていて、焦りは一切無い。



「!」



 目の前へ来た与一を嘲笑うかのように、2度目の切り返しで先程と同じ左からの突破を狙う。


 彼の本命は最初からこれだ。



 そこから思いっきりスピードを上げようとした時──。



「っせぇ!」



「うぉ!?」



 与一が左足を伸ばして、センハの足元にあるボールを弾いた。


 鋭い2連続の切り返しを読み切り、阻止に成功する。



 だが、弾いた先は運悪く烈気の前まで転がってしまう。



『与一とコ・センハの激突! 零れて番名が迫る!』



「(来る!)」



 輝羅はシュートが来ると身構え、読み通りミドルレンジの烈気が右足を素早く振り抜いた。



 ボールはグンと加速して勢いが付き、桜見ゴールへ襲いかかる。



 バシィィンッ



「ぐぅっ!」



 シュートを正面で受け止めた瞬間、体にズンッと衝撃が伝わってきて輝羅は少し辛そうな表情となった。



 それでも零す事は無くキャッチに成功。



『番名の豪快なシュートは惜しくも正面! 相当な速さでしたが神明寺輝羅が止めました!』



『凄いシュートでしたね。今のは取り難いコース行ってたら入ってたかもしれません』



「(入ったら儲けもんやったけどなぁ。ま……足慣らしにはなったからええか)」



 烈気はキャッチした輝羅の姿を見た後、自陣ゴールへ戻っていく。



『(与一、彼の上がりは注意した方が良い)』



『(結構怖い感じのシュートだった?)』



『(ズシッと重くてヤバいね。結構なパワーシューターだよあれは)』



 テレパシーのやり取りで輝羅は与一へ、烈気の上がりを警戒しようと伝えていた。



 神明寺兄弟を警戒させる烈気は、それ程の力を持つプレーヤーなのだと。

輝羅「キャノンシュートって感じだったぁ〜」


与一「漫画みたいに体が飛びそうになんなかったー?」


輝羅「流石に飛ばないってー、でもそれぐらい重かったね……体で受け止めたから行けたけど」


与一「ううん、準決勝で強敵登場って感じだぁ〜」


輝羅「勿論勝つけどけね!次回も桜見と名西寺の試合は続くよー!」

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