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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第4章 中学最強が決まる全国大会

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進化するチーム

「今日はどんよりしてるな。曇りとか言ってたけど雨降るか?」



「ゲリラ豪雨は来るかもしれないから、それは気をつけた方が良いかもね」



 太陽が雲で隠れている空を見上げた海斗に、部員達へ早めの昼食として弁当を配る美怜は幼馴染にも手渡す。



 中学サッカーの全国大会はベスト8を懸けた試合へと入り、午後の試合から出番の石立中学は自分達の前に行われる試合を観戦。



 この会場では午前からの試合、桜見中学と鹿児島代表の陸山(りくざん)中学。


 午後からの試合、石立中学と熊本県代表の宮高(みやだか)学園と2試合が此処で始まる。



「桜見、1回戦の林王を下して調子を上げてるよな。うちと試合した時よりもプレーの質が増してるって言うべきか」



「僕達を破ったぐらいだから、それぐらいやってもらわないと困る」



 試合前なので小さなおにぎりの弁当をもらい、体の大きな米沢が早々に平らげる横で、登山はアップを行う桜見イレブンの姿を食べながら見ていた。



「陸山かぁ、全国の常連で手強いんだよな」



「パスサッカー中心の高い組織力で来て、前の試合じゃ6点奪ってるね。守備も少ない失点でバランスが良い」



 戸村がおにぎりを食べながら、桜見の対戦校である陸山について話すと美怜は試合を見ていたのか、前回の試合で大量得点を陸山が取ってる事を伝える。



 マネージャーとして、この先当たるかもしれない相手のチェックは欠かさない。



「ただ……どうなんだろうな。相手があの神明寺兄弟だと大量得点するチームも封じてくるだろうし」



 どんなに相手が多くゴールを決める攻撃力を持っていようが、あの双子なら完封してしまう。


 海斗や石立は身を持って関東大会で思い知らされていた。



 なので陸山も同じ道を辿るかもしれないと。




『またインターセプトー! 今度は闇坂だ!』



 桜見と陸山の試合が始まり、陸山は得意のパスサッカーで中盤を広く使って来る。



 それを無効化するように影二は陸山選手が気づく事もなく、パスコースへ飛び込んで阻止。



 先程攻め込んで来た時は与一にも読まれ、カットされていた。



「うちとの試合でもそうだったけど、闇坂って奴が結構良くないか?」



「俺も思ってた。何か気づくとコースに入ってたり、目の前にあいつ居るんだよ。気配を消すのが上手いって」



 スタンドからは桜見の14番を背負う影二の姿が見えて、米沢も戸村も彼が自分達との試合も含め、結構活躍していた事を思い出す。



 ちなみに戸村は何度か影二によって、得点チャンスを潰されている。



「プロで言えば影山選手だな。あの人も中盤で相手の攻めをよく潰してたり、混戦の中を上がってゴールを決めたりもしてたから」



「ああ、混戦に結構強いイメージはあるな。忍び寄ってたせいか相手気づかない事がとにかく多かったし」



 海斗は1人のプロ選手を思い浮かべ、登山も影二と重なる物を感じた。



「鈴本君も持ち前のテクニックに向上が見られるし、海斗もうかうかしてられないかもよ?」



「確かに、ドリブルやパスの質とか上がってるか……シュートも良いのを若水口戦で決めてるのを思うと侮れない」



 桜見の司令塔として機能し、楽斗が中心となって中盤のパスがうまく通ってると海斗、美怜は共に同じ印象を持つ。



「それと赤羽とのコンビも良くて、両サイドの動きも見えてるのかタイミング上手くパスを出してくる……加えてその両サイドも霧林が上手くて室岡が速いんだよな」



 桜見の左右のサイド、スタメンから出てる霧林、室岡にも米沢は目を向けていた。



 彼らは多くサイド攻撃を仕掛けて霧林と室岡が特に要として動き、両サイドから多くのチャンスとゴールをもたらす。



「で、中央には赤羽か。あいつ180には届いてないけどジャンプ力あって結構フィジカル強いんだろ?」



 戸村が桜見の前線、竜斗を見ながら聞くのに対して彼とマッチアップ経験を持つ米沢は頷く。



「正直抑えるのは苦労したな。俺の方が身長で勝ってたけど、楽には勝たせてもらえない」



 競り合った時の事を思えば見た目よりも力強く、厳しく来て気を抜けば自分の方が競り負けそうだった。



「む……!」



 登山の見ている前で桜見は影二のパスを楽斗が受け取ると、右サイドの霧林へスルーパス。



 スピードのある室岡に出すと思った陸山DFは、反応に一瞬遅れたせいか霧林に裏へ抜け出される。



「入れさせるな!」



 陸山GKの大声がスタンドにも届き、1人のDFが霧林に追いつくも、ボールを持つ彼は右足でのクロスを選択。



 丁度、竜斗の頭に届く程度の高さで速い球を放り込む。



 サッカーマシンの速さで鍛えた竜斗は霧林からのクロスに飛び込み、額で捉えていた。



 勢いを付けたヘディングは陸山ゴール左へ飛び、GKのダイブも及ばずゴールネットが揺れる。



『霧林のクロスから赤羽、飛び込んで先制点ー! 豪快なヘディングが決まりました!』



『霧林君から良いクロスが入りましたね。赤羽君もタイミング良く合わせて、これは幸先良いです』



 桜見の先制点が石立の目の前で決まり、桜見イレブンは竜斗の元へ集まれば手荒い祝福。



「あいつら陸山相手にマジか……!」



 全国の常連として知られる陸山から、桜見が鮮やかな先制点を決めたシーンを目の当たりにして、戸村は驚いていた。



「石立の時は手抜きしてたという事は絶対にあり得ないはずだから、何か秘密特訓でもして驚異的な実力を身に付けたんじゃないか?」



「それ、ファイヤーイレブンの見過ぎだろ」



「んな特訓はフィクションの世界だけですって」



 大真面目に秘密特訓だと、目を煌めかせた登山は自信満々だったが新一、新二の村木兄弟2人から一斉にツッコミが入る。



 石立や世間は知らないが桜見は弥一の指導を受けているので、ある意味では秘密特訓かもしれない。




「来るよ左寄せてー!」



「真ん中5番フリーなってるよー!」



 与一、輝羅の神明寺兄弟は主に声で支え続け、今回は主に声を出す事がメインとなっていた。



 それが桜見の守備を鉄壁と化して、反撃に出る陸山の攻撃を跳ね返す。



 同時に自分達は何者の攻撃も跳ね返せるという、自信へ繋がって強気な守備に繋がる。



『陸山の突破、此処も桜見が阻止! 1点が遠い!』



「やっぱ桜見の守備堅いんだよ。うちも取れなかったし」



「相変わらず守りが鉄壁ね……」



 陸山が決定的チャンスを作れない所を見て、米沢と美怜は改めて難攻不落だと知った。



「(……これは、桜見だな)」



 全体の状況を見て、桜見のペースで守れてると海斗は感じ取る。


 攻め込まれるも怖いシュートを1本も撃たせていないのが証拠だ。



 その海斗の予想へ応えるように桜見は陸山の攻撃を凌ぐと、得意のカウンターへ繋げていく。



 楽斗のスルーパスからDFの裏へ抜け出した竜斗が右足で蹴り込む。



 勝利を手繰り寄せる2点目が決まり、桜見イレブンは皆が喜びを爆発させて抱き合う。



『後半終了間際! 赤羽竜斗がこの試合2得点と、桜見のエースが試合を決めた!』



 陸山も懸命に反撃するが、最後にカットした影二がボールをクリアした事で試合終了の笛が鳴る。



 桜見が準決勝進出、そして同じ時間に始まった別の試合会場にて、名西寺も2ー0で勝ち上がっていた。



 この結果、準決勝の組み合わせは桜見VS名西寺。



 もう1つの準決勝では石立VS神上海となる。



 桜見2ー0陸山


 竜斗2


 マン・オブ・ザ・マッチ

 鈴本楽斗

与一「竜斗ノッてるねー♪」


竜斗「俺っつーか周りのパスが良かったんだって。マジで押し込むだけって感じだったし」


楽斗「これって弥一さんのコーチによるおかげ!?」


影二「だとしたら神コーチ……!」


輝羅「それか皆のポテンシャルが発揮されて結果に繋がったりとかねー。次回は大阪代表、名西寺との対峙!」


与一「あのデッカいのが来るよー!」

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