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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第4章 中学最強が決まる全国大会

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執念の差

『桜見、開始早々から先制点! 2年の倉本が防ぎ、繋いで2年の室岡がボールを運び、最後に決めたのも2年の海東!』



『2年の皆が躍動してますね。来年は彼らが桜見を背負うと思いますから、これは次の年が楽しみなゴールでもありますよ』



「お前らどうしたよ!? 覚醒始まったのか!?」



「爆発的に成長しちゃった!? 何でもいいや、頼もしいねー!」



 2年の周囲に3年の先輩達も集まり、彼らの活躍を称えていた。



「いや、もう先輩達に頼ってばっかじゃいられないっすから!」



「おお、言うね海東! それなら竜斗みたいに3点行こうかー♪」



 ゴールを決めて自信をつけた海東に、与一は彼の背中を押す。


 1点止まりで満足させない為に。




「速攻読まれたからって下向くな! これから返してくぞ!」



 先制点を開始から狙ったつもりが逆に先制をすぐに許し、御手洗はチームが下を向かないように励ましていた。



 まだ試合開始から3分になろうとしている所で、始まったばかりだ。


 気落ちするには早すぎる。



 若水口は反撃の為に再び攻めに出ていく。




「中央来てるよー! 5番取り囲んでー!」



 与一は相手の中央突破を狙ってくる事に気づき、鍵となる選手をマークするよう指示を送る。



『若水口、サイドへ展開して高いクロス! 神明寺輝羅ガッチリとキャッチ!』



 中央からが厳しくなり、左サイドに渡して高いクロスボールを上げるも、相手の前で跳躍した輝羅が掴み取る。



 神明寺兄弟が中心となって守り、相手の攻撃を断ち切ったりと若水口は思うような攻めが出来ていない。



 双子がそれを許していないのだ。



 すると輝羅の投げた球から影二が繋ぎ、左サイドの室岡へ渡る。



「(走らせるか!)」



 相手の御手洗が室岡の前に立って、前を向いてのプレーをさせない。



 だが、室岡は右へと軽く転がす程度に右足のインサイドで蹴り、そこに若葉が走り込んで来た。



『また抜けた左サイド! 室岡から今度は倉本だ!』



 左SDFの位置から中盤の室岡を追い越し、若葉は転がった球を受け取ってドリブルに入る。



 2年の連係が若水口の守備を翻弄していき、追加点を貪欲に狙う。


 相手DFも先制点の海東にマークがしっかり付いて逃さず、追加点は決めさせない。



 若葉はゴール前の海東に目を向けながら、左足でクロスを上げた。



 海東の後ろから来ている楽斗へのボールで、これを右足でトラップすると左足でシュートに行く。



 若水口DFが防ごうとブロックで立ち塞がるも楽斗の左足はフェイント。


 本命は切り返して右足でのシュートだ。



 ゴール右下へ飛ぶボールにGKは飛びついて腕を伸ばすが、反応が少し遅れたせいか届かず、ゴールネットは揺れ動く。



『鈴本の鋭いミドルが炸裂ー! 桜見2点目を取ってベスト8を大きく手繰り寄せます!』



『左足のキックフェイントから右足まで行く流れが良いですね。シュートも取り難いコースを突いて素晴らしいです』



 桜見の2点目が決まって会場のスタンドは盛り上がり、楽斗の元へ選手達が集まると手荒い祝福で称えた。



「っ……まだまだ、たったの2点だ! 立て直すぞ!」



 御手洗は失点して下を向くチームメイト達に声を掛け、励ましていく。




「1回戦の時といい、私達のチーム……凄い強くなってない? 相手は全国大会に出て来てる強豪校なのに」



 早くも2点差をつけている桜見を見て、ベンチへ座る遊子は苦戦すると予想していた事を伏せながら言う。



「関東大会での経験、特に石立との激闘がチームを大きく成長させたのかもしれません」



 多くの公式戦を勝ち抜き、強豪校との接戦も潜り抜けてきた。


 それが選手達を成長させたのだと、共に見守る神奈は思っている。



「まぁ、結構雨の試合とか厳しい環境とかもあったし、皆それで自信に繋がってるのかもしれねぇけど」



 今回ベンチスタートの竜斗も外から選手達の動きを見て、彼らのプレースピードが速くなったり、動きのキレが増したように思えた。



 弥一による走り方、自分のプレーを見直すよう指導したのも効いているのかもしれない。



 心の中で改めて弥一に感謝しつつ、竜斗は後輩に負けてられるかとアップを開始する。



『桜見3点目決めたー!!』



 その間、今度は中央へ切り込んで楽斗とのワンツーで抜け出した霧林が、右足のシュートを決めていた。




「(どうなってるんだ、桜見ってこんな強かったのか!? エースがいない状態なのに!)」



 完全にゲームを支配されて防戦一方となった若水口。


 そのキャプテンである御手洗は諦めずにプレーする中で、相手の強さに驚かされる。



 攻撃で決定的なチャンスは来なくて、遠目からのシュートで終わってばかり。


 それは枠外へ飛ぶか、輝羅に取られる2パターンのみだ。



 守備では桜見の連係やプレースピードに振り回され、後半に入って5ー0と桜見が5点を先行。



 海東が今日2点目のゴールを決めれば、彼と交代した竜斗が豪快なミドルシュートによるスーパーゴールで、会場を沸かせる。



「(何で5点差って……!)」



「(こんなの絶対逆転不可能だろ……!)」



 此処まで無失点の相手に今から最低5点を後半に取って追いつくなど不可能だと、粘り強く戦って来た彼らにも諦めの雰囲気が漂う。



「諦めるなよ! 足を止めるなって!」



 チームの空気を察した御手洗が、まだ行けると励ますも最初の時より効果は薄くなっていた。



 何人かは諦めていないものの、全員が同じという訳ではない。




「(まだだ! 1点……俺が切り開いてやる!)」



 キャプテンの御手洗は果敢にドリブルで右サイドから攻め込み、桜見のゴールを狙う。



「(メンタルは良いけど──此処までだよ!)」



 そこへ迫るのは御手洗のサイドからの突破を読んでいた与一。


 彼は御手洗のドリブルで運ぶボールを側まで忍び寄り、瞬時に奪い取ってみせた。



「(っ!?)」



 この時、御手洗は感じていた。



 実力の差、そして執念の差を。



 御手洗が絶対ゴールを奪う以上に、与一の方も絶対1点も取らせないという思いが、鬼気迫るプレーへと現れる。



『神明寺与一が奪った! そこからロングスルーパスが出る! 赤羽へ通って追加点ー! 6ー0!』



 奪った位置から与一はDFの間を正確に通すボールを出して、これが竜斗へ一気に渡ればGKとの一対一を決めた。



 竜斗は後半に出場して2点を取り、エースとしての仕事を果たす。



 今日は2年トリオの活躍が大きく、東北の強豪を相手に6ー0と大勝で全国のベスト8へ桜見は進出。



 桜見6ー0若水口


 海東2


 竜斗2


 楽斗1


 霧林1



 マン・オブ・ザ・マッチ

 倉本若葉

与一「今回の試合は2年トリオの大活躍だったねー♪」


若葉「僕がMOMとは思ってませんでした……!」


輝羅「結構、攻撃の起点になってたから選ばれたんだと思うよー。別に2年達にスポットライトが当たって注目されて、選ばれただけとかじゃなくー」


与一「守備でも良いカット見せてたからねー。決して僕とか竜斗が選ばれて「結局お前ら取るんかい!」的な事にさせない為とかじゃなくー」


若葉「そういうの言わなくていいですから!」


輝羅「という冗談も飛び出した所で、次回はライバル達の試合の様子が流れまーす♪」

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