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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第4章 中学最強が決まる全国大会

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小さな巨人の指導

「はい皆、まずは正座からー。正しい姿勢でねー」



 早朝の神明寺家、道場では何時も通りの朝練が行われて神明寺家の皆は袴で臨み、桜見のサッカー部員達はジャージやユニフォームで参加していた。



 輝咲の指導で皆が合気道の稽古を行う中で弥一の姿は無い。


 朝練に誘った張本人は輝咲に代わり、朝食を張り切って作っている最中。



「てっきり弥一さんが合気道を教えるかと思ったら、朝食係って〜」



 弥一が合気道を皆に本格指導するイメージを持って、朝練に臨んでいた楽斗だが本人は妻に負担をかけない為に家事優先。



 結構家庭的なんだなと新たな一面が見られる。



「はいはい、皆頑張ってるねー♪」



 そこへ青いエプロンとずきんを被った弥一が登場し、朝練終了と手を叩く。


 用意が整ったらしく、今回は大人数の為に道場での朝食となる。



 部員達で協力して大皿をいくつか運び、その皿の上には手作りのサンドイッチが沢山乗っていた。



「わ〜、全部パパ作ったの〜?」



「すご〜い」



「そうだよ〜、今日は中学生のお兄ちゃん達いるからパパ張り切って作ったんだ〜♪」



 姫奈、姫香が大量のサンドイッチを前に目を輝かせて、弥一は娘2人の頭を優しく撫でる。



「すっげぇ贅沢かも……あの弥一さんにサンドイッチ作ってもらうって」



「しかも美味しそうですよねこれ……!?」



 ハムや卵、野菜にフルーツと様々な具材のサンドイッチがある。


 これが全て弥一の手作りなのが贅沢と思うのは、霧林や室岡だけでなく桜見の部員全員がそうだろう。



「では、皆でいただきまーす♪」



 弥一の合図から皆がサンドイッチを食べ始める。



「めっちゃ美味い……!?」



「弥一さん料理上手……!」



 特製の手作りサンドを食べた楽斗、影二からは美味いという感想が飛び出した。



「父さんの手作り久々に食べたよ〜♡」



「やっぱ美味しい〜♡父さん料理も上手いからね〜♪」



 与一や輝羅、神明寺家の家族全員が弥一の料理の上手さを知っていて、美味しく味わう。



 優人に関しては夢中で2個目をすぐに食す程だ。



「そりゃあね、料理下手だったら子供6人の父親にはなれないよー。ん、上出来〜♪」



 弥一も自ら作ったサンドイッチを食し、自他共に認める美味しさを出せていた。



 美味しそうに食べる弥一に部員達は与一や輝羅の食べる姿と重なり、親子だなと今更ながら思う。



 食事は皆で美味しく味わって食べる。


 これが神明寺家のルールだ。



 ☆



 午前は神明寺家にて合気道の朝練を行い、体幹とインナーマッスルを中心に鍛える。



「もうちょっと腕をだら〜って下げて走ろうかー! 大きくは振らずにー!」



 朝食後に軽く食休めをしてから、桜見のグラウンドへ向かって弥一に走りを指導してもらう。



「走り方の使い分け、これが出来ると出来ないでスタミナの消耗は結構違ったりするからねー!」



 今からスタミナをどんなに鍛えようが全国までの僅かな期間、そう都合良く体力が増す訳ではない。


 なので消費を最小限に抑えるよう、走り方だけでなく各自のプレーを見直して改善という指導だ。



「(どうせなら弥一さんに高度なテクニックとか教えてもらいたかったけどなぁ……)」



 部員達の中には、プロならではの高難度な技を教えてほしいと思いを抱える生徒も居る。


 それを心の読める弥一には、しっかり見えていた。



「フォーム見直しばかりで結構地味だな〜、派手なスーパープレーの練習とかやりたいって思うだろうねー」



 一部の部員が見透かされたと思い、ギクッと一瞬リアクションをする。


 弥一は輝羅へ視線を向けると、輝羅の方は意図を理解して与一や神奈と共に駆け出す。



 そしてグラウンドに、神明寺3兄妹の手でサッカーマシンが運び込まれて来た。



「このタイプは学生時代を思い出すなぁ〜、っと思い出に浸ってる場合じゃなかったー」



 昔を振り返っていた弥一は部員達へ向き直る。



「結構ジミ〜な積み重ねは馬鹿に出来ないもんでね、派手なスーパープレーの陰には何気ない積み重ねがあるもんなんだよー。ボールの無い所で動いたり、コーチングで声を出したりとかね」



 毎日の地道な積み重ね、これを折れずに続けるのが大事だと語った後に弥一はゴール前へ立つと、ゴールマウスの脇にサッカーマシンが置かれた。



「神奈、最高速度で来て」



「うん」



 弥一に言われると神奈はマシンの速度を最大にまで設定、それからボールを発射台にセット。



「その積み重ねが実を結べば──」



 部員達へ言った後に弥一は合図を送り、神奈はボールを発射させる。



 マシンから繰り出された球は弾丸のような加速が付いて、真っ直ぐ弥一へ飛んでいく。



 だが、目の前の弾丸と化したボールを弥一は左足で芯を捉え、正確に蹴り返してしまう。



 弥一の蹴った球は凄まじい勢いでゴールネットへ突き刺さり、豪快に揺らしていた。



「すげぇ……! 生で、間近で見れた……!!」



「あんなの何で蹴り返せるんだよ……!?」



 伝説のプレーを目の当たりにした桜見の部員達は皆が衝撃を受け、驚きを隠せない。



「これから先の君達の積み重ね次第で、こういう事やれちゃうと思うよー。僕しか出来ないって訳じゃないからね♪」



 惜しみなくプロとしての力を見せた弥一は陽気な笑顔で伝え、これが部員達のやる気を向上させていった。



 地道な事は大事だと教えても長続きは難しい。


 なので行き着く先を見せたという弥一の指導方法。



 他の監督やコーチがやらないような事を迷いなく実行する。



 ☆



「……時間経つの速くない……?」



「もう夕方かぁ、何か不思議とあまり疲れなかったですね」



 主に走り方やプレーの見直しを中心に行ってきた今日の練習。


 影二と若葉が空を見上げると、外は夕焼けを迎えようとしていた。



「つい僕も若い頃を思い出して熱中しちゃったなぁ〜。じゃ、長引くのは駄目だから帰ろうかー。今日の夕飯はっと〜♪」



 弥一は今日の練習を終わりにしてスマホで輝咲と連絡を取り合い、この後の夕飯についてメッセージを送る。



 それから解散となり、弥一は3兄妹と共に家までの道を歩く。




「ねぇ父さん、昨日皆と僕に化けて1on1やってたよね? 僕も久々にやりたかったよー」



 道中で与一は隣を歩く父親に、皆みたいにやってみたかった事を明かす。



「そうだね、しばらくやってなかったし僕達も結構強くなってきたから。昔は歯が立たなくても今はどうかなー?」



 弥一との1on1については輝羅も乗り気で、今なら勝つ自信を持っていた。



「じゃあ全国大会の後で、ね」



 指導してる今は無理だが弥一は大会の後ならと、息子からの挑戦を受ける。



 昔は自分や周囲の人間達から教わっていた幼い子が、自分へ挑むぐらいに大きくなったんだなと、しみじみ思ってしまう。



 今は親として、コーチとして、万全の状態で息子達を全国の晴れ舞台に立たせる事を最優先に考え、家族と共に弥一は家へと帰宅する。



 明日は彼らにどんなメニューを作ろうか、密かに桜見の皆へ振る舞う朝食も考えていた。

輝咲「昔は料理とか出来ずに食べ歩きを結構してたけどね弥一君は」


弥一「今は自分で作るよー♪ほら、料理男子とか流行ってるしさ、和食は少し難しいから輝咲ちゃんにそこは甘えちゃうかなぁ〜」


輝咲「どちらしても凄く助かってるし、ありがたいよ」


弥一「案外自分で作るのも楽しいもんだねー。美味しいと言ってくれるのにハマっちゃったし♪あ、次回は息子達が全国大会に向けていよいよ旅立つので読者の皆さん、息子達の活躍をぜひ見てください♪」



輝羅「父さんが僕の仕事やってるし〜!」


与一「トーク番組とか動画出てるから、めっちゃ手慣れてるよ〜! 役割このまま交代は避けたい……!」

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