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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第4章 中学最強が決まる全国大会

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双子の父親

「どうしたの皆ー、さっきまで張り切ってたのに硬いよー?」



「いえ、あの……」



 正体を知ってから竜斗達、桜見の部員達は一気に緊張してしまう。



 見た目は双子と変わらぬ少年の外見で、同じ桜見の中学生に見られても全く違和感は無い。



 それが30代で6人の子を持つ、神明寺家の大黒柱とは到底見えなかった。



 神明寺弥一。



 日本サッカー界の歴史に名を刻んだ選手が今、目の前にいる事が部員一同は信じられないと思っている。



「というか色々聞きたいんだけど、父さん。何で僕に化けて来たのさー!?」



 与一は父親が自分に変装して何故チームメイトと接したのか、その事を問う。



「いや、最初はそういうつもり無かったんだけどねー。朝起きたら2人が寝坊してるって神奈から聞いたもんだから、サプライズ閃いちゃった♪」



 父親の弥一は陽気に笑って答える。


 その姿は悪戯好きな少年を見ているようだ。



「とりあえず変装の為に帽子とサングラス身に着けて、声もずっと与一の真似してたんだよ。いやー、中学生なりきれるもんだねー♪」



 普通は特殊メイク等しなければ無理だろうが、弥一は素の状態で可能としている。


 小柄に加えて童顔だからこそ中学生の息子になれたのだろう。



「そのサプライズの為に忙しい合間を縫ってわざわざ来てくれたの?」



「まさか、それだけで来ないよ」



 輝羅から驚かせるだけの為に来たのかと言われれば、弥一は手に持っていた麦茶のペットボトルの蓋を空けて喉を潤してから、皆と向き合う。



「桜見って選手達が主導でコーチが居ないと聞いてね。息子や娘が世話になってるし、全国に向けて頑張ってる君達のコーチをやろうかなと思ってさ♪」



「え……えええ!?」



 あまりの事に竜斗が叫び、部員達は大きくざわついていた。



 弥一は現役のプロサッカー選手、それもトップ中のトップと贅沢過ぎるコーチ役。


 何処までも桜見を驚かせていく。



「それは凄く光栄な事なんですが……弥一さん色々忙しいのに大丈夫でしょうか?」



 指導してもらえるなら指導してほしい。


 竜斗や部員達にとっては、これ以上ない程ありがたい話だ。



 しかし弥一は本業のサッカーは勿論、他にも色々と活動をしている。


 自分達のコーチまでして負担にならないのかと、心配になってしまう。



「ううん、サッカーの方はサマーブレイク中で仕事もなーんも入ってない。むしろ暇なんだよね♪」



 スケジュールについては全く問題無いと、弥一は笑顔で言いきってみせた。



「ええと、じゃあ弥一さんがコーチしてくれるって事で良いですか?」



「うん、30過ぎのおじさんじゃ不満かなー?」



 誰も弥一がコーチなのは不満と思う者などいない。




『(父さん、僕達もコーチの件は聞いてないよー)』



『(帰って来た時言ってくれればいいのにー)』



 与一と輝羅はテレパシーで自分達に伏せる必要あったのかと、会話をしていた。



『(言ったら部員の子達にも情報行って、サプライズにならないからねー)』



 その会話は弥一にも聞こえ、彼も心の会話に参加。



 彼もサイキッカーなので心を読んだり、超能力者同士によるテレパシーも慣れていた。




「コーチをすると言っても、あまり多くは教えられないけどね」



 芝生の上に部員達が勢揃いで立っており、その前で弥一は話す。



「桜見の試合は見せてもらったよ。何人か僕の家の道場に通ってたっていうのは聞いて、その子達を中心に良いサッカーしてたね」



 桜見のサッカーを良いサッカーと言われて、部員達は認められた感じがして嬉しく思う。



「でもまだ色々甘い」



「!?」



 褒めたかと思えば弥一は突き放すように言うと、部員達の顔が何人か驚く。



「桜見の問題は沢山あるけど特にスタミナ、後半に落ちてく選手が多くて最後の守りに結構頼り過ぎてる。与一、輝羅がいなかったら此処まで来てないと思う」



 弥一が問題点を柔らかく、かつ厳しく指摘して桜見の部員達が黙って耳を傾けると、霧林が質問あるのか右手を上げた。



「どしたキリー君?」



「あ、いえ……つまり弥一さんはスタミナを中心に徹底的に鍛え上げた方が良いって事ですか?」



 あだ名で突然呼ばれて動揺しながらも、霧林はスタミナを徹底強化のトレーニングをした方が良いのか問いかける。



「ううん、単純に今から体力トレーニング徹底しても間近まで迫ってる全国大会まで間に合わないだろうし、むしろ疲れが残って逆効果だと思うよ」



 オーバートレーニングとなる可能性があって、過度にやっても駄目だと弥一は説明。



 だとしたら結局大きな弱点を抱えたまま、大会に臨むしかないだろう。


 そう考える部員達が多数いると、その心が見えた弥一は言葉を発し続ける。



「完全に弱点を埋めるのは無理でも、ある程度は行けるかもしれない。勿論これは君達の頑張り次第だけどねー」



 スタミナを鍛える方法があるのかと、部員達は弥一の次の言葉に注目。



「これも君達の弱点だけど無駄に体への力が入ってる。余計な力を使う分、スタミナも時間が経つ程に大きく消耗してるよね」



 桜見のもう一つの課題が弥一から明かされる。



 力が無駄に入り過ぎて、ベストな体の使い方が出来ていないと。



「過酷に頑張り過ぎるスタミナ強化をわざわざしなくても、自分の動きを一つ一つ見直せばスタミナ消費を抑えられるだけじゃなく、プレーの質も上がる切っ掛けになったりするよ」



 今一度、自分の動きを見直す。


 それが弥一からのアドバイスで、皆が聞き入っていた。



 ☆



「腕は大きく振らずにだら〜って下げてー!」



 フィールドの上を部員達が走り、弥一は彼らの走り方をチェックしながらメガホンでアドバイスを送る。



「与一! 輝羅! 自分達は出来てるからって気は抜かないようにー!」



「「分かってるって〜!」」



 自分の息子達にも特別扱いはせず、周囲の部員達と同じ事をやらせていた。



「お父さん、このやり方で皆は何処まで上手くなれるの?」



「さぁ〜、それはお父さんにも分かんないよ。彼らの努力や工夫次第だけど、今の所はこれが桜見のベストかなー?」



 娘の神奈と話した後、弥一はスマホで連絡を取る。



「あ、輝咲ちゃん? 明日から少しの間、うちの道場を桜見の朝練場所にして良いかなぁ?」



「え」



 いきなり家に電話すると、弥一は打ち合わせを始めていた。


 何も聞いてない神奈は小さなリアクションを見せる。



「ちゃんと食事の準備とか色々手伝うよ勿論♪日々頑張ってるママに負担かけないってー。うん、うん、分かったよー」



 夫婦の会話を終えた弥一は改めて走る部員達に目を向けた。



「お父さん、皆で朝練やるの?」



「短期間でもやるのとやらないのじゃ効果が違うからねー♪」



 弥一の思いつき一つ一つに一切の迷いが無い。



 一体どうなるんだろうと神奈は先が全く読めないまま、父親の隣で自分達を見つめ直す部員達を見守るのだった。

弥一「息子達ー、ちゃんとやってるー?」


与一「父さん此処にも来るのー!?」


輝羅「それも聞いてないんだけどー! どんだけ驚かすので大好きなんだよー!?」


弥一「ほらほら輝羅、次回予告言うんだよね? あまり待たせないー」


輝羅「えー……次回、合宿あったりお父さん色々振り回して来ます!」


弥一「振り回してるかなぁ〜?」

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