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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第3章 熱き関東大会の戦い

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関東大会決勝戦 桜見VS石立5

『桜見と石立の関東大会決勝戦、相当な雨が降ってますが雷は起きていないので中止にはならないようです』



『ただ、ピッチコンディションは悪いでしょうから、プレーする選手達の大きな負担になるのは間違いありませんね』



 泣き出した空は収まる気配を全く見せず、試合会場に雨が降り続けている。



 大会スタッフ達が急遽グラウンドの整備を行ってる間、両チームの選手達は早々にロッカールームへ引き上げていた。



「堅山の時と同じぐらいの雨かなこれ?」



「だとしたら絶対また水溜まりがあるよな。パス転がせねぇよ」



 雨で濡れた体を神奈達マネージャーが用意したタオルで拭き、竜斗と楽斗は前回あった雨の試合を思い出しながら対策を話す。



 転がしたパスは封じられたも同然だろうと。



「こんな雨の試合が多いと、今後は雨対策の練習とか必要かな? ホースで繋いでフィールドやボールを水で濡らしたりと」



「あー、それもワンパターンになりつつある練習内容を変えるのに良いかもね♪」



 雨に備えた対策として、こういうのはどうだろうと提案した神奈に、輝羅は良いと水を飲みながら笑顔で同意する。



「ごめん……さっきは与一が良いキックを蹴ったのに詰め切れなかった……」



「気にしなくて良いよー。その通りに言って必ず点が取れるとは限らないからねー♪」



 作戦で呼ばれて頼られてると感じた影二だが、期待に応えられなくてゴール出来なかった事を気にしてしまう。



 暗いネガティブオーラを覆う相手に与一は変わらず明るく接して、影二の背中を優しくポンポンと叩く。



「真夏だけど今日は気温高く無いし、終わったら暖かいラーメン食べに行こっか? オススメの美味しい店あるからねー♪」



「よし、それで行きましょう! 終わったらラーメン決定!」



 遊子が部員よりも乗り気で、本音としては安く済むから良いという心を秘めていた。


 叫びにも近い声が与一、輝羅に聞こえている事など露知らず。



『(絶対ラーメンだけじゃ済まないよねー?)』



『(育ち盛りの中学生なら餃子どころか炒飯とか、色々行くだろうからなぁ〜)』



 ラーメン単品だけで、運動部に所属する中学生の胃袋が満足する事は多分無い。


 与一と輝羅はテレパシーで話した後、チームメイト達と後半戦に向けて話し合う。



「後半は浮き球中心のパスだねー。特に水溜まりがある付近じゃ転がさないようにー」



「多分もう全体が滅茶苦茶雨に降られてるよなぁ〜……」



 輝羅が皆にパスは浮かせようと伝えている時、外の様子を見てきた海東がロッカールームへ入って来る。



「外めっちゃ雨っす!」



「都合良く快晴、とはならなかったか」



 後輩から今も雨が降っていると聞かされ、竜斗や桜見の部員達は豪雨の試合を覚悟した。




『振りしきる雨の中、後半戦を戦う両チームが入場! 王者の連覇か、新鋭の初優勝か!?』



『石立は再びキャプテンの社君が入っていますね。前半は調子が今一つでしたが、後半戦で本領発揮出来るか注目です』



 雷や強風といった物は特に起こっていないらしく、結構な雨は降っているが試合は続行される。



 雨に打たれながらも選手達がフィールドへと入り、その中には後半の頭から再び出場する海斗の姿もあった。



「(戻って来たんだ、また心乱してやろっかな──)」



 与一が彼の心を揺さぶろうと企んだ時。



 彼の心は先程よりも静まっており、静かさの中に炎が灯されて冷静と情熱が彼の中に存在していた。



 今の彼は試合に勝つ事へ全力を注いでいる。



『(輝羅、後半の彼は王者のキャプテンらしく強そうだよ)』



『(みたいだね。そうなると雨の後半からが本当の勝負って所かな)』



 与一がテレパシーで今の海斗の状態について伝えると、輝羅にも分かっていた。



 今の彼は準決勝で星夜と戦った時のように手強いと。




「後半、取るぞ」



 米沢からキャプテンマークを受け取り、再び右腕に着けた海斗が静かに告げる。


 その言葉に皆が本気の海斗だと充分伝わっていた。



「(石立は──全国最強チームだ。神明寺の2人が来ようと負けはしない!)」



 この雨に加えてベンチで美怜に言われた言葉が、強烈な気付けとなって見失っていた心は目覚める。



 本気で与一、輝羅、そして桜見を倒そうと海斗は冷静ながら心を熱く灯す。



 ピィ────



『雨の決勝、激闘の後半戦が今キックオフ! 桜見と石立、どちらが先制点を奪うのか!?』



『桜見の守備力か、石立の攻撃力か、雨によって行方は益々分からなくなってきますね』



 桜見がボールを浮き球で繋ぎ、作戦通りに動いていた時。



「っ!?」



 若葉から楽斗へのパスに海斗が割って入り、早々に桜見の攻撃を断ち切ってみせた。



『後半から再交代の社、早くもインターセプトで気合充分だ!』



 後半は両サイドの村木兄弟が体力を回復させる為、1度ベンチに下がっている。


 海斗は代わったサイドの選手へ送った後に前へ走り出す。



 直後に返ってきたボールを取って、目の前にあった水溜まりを海斗は軽く右足で浮かせる。



 リフティングの要領で水溜まりを突破する技を見せた後、球が落ちて来る前に右足のボレーが捉えた。



 低空飛行のシュートが桜見ゴール右を襲うも、輝羅は雨に濡れた球を両手でキャッチ。


 戸村が詰めていて、零れ球になったら危ない場面だ。



『社がボールを浮かせてボレーシュート! 遠めからとはいえ強烈でしたが、神明寺輝羅が正面で受け止める!』



『流石の技術を見せましたね社君。輝羅君の方も雨でキャッチの難しい状況にも関わらず、よく取りましたよ』



「(遠めか……狙いは分かってるけどね)」



 普段の石立ならショートパスを中盤で回し、サイドから抉るように攻めたり人数をかけていたが、この悪天候で攻め方を変えている。



 積極的にミドルを放つ事でGKがボールを零すかもしれない。


 輝羅がどんなに天才でも、何処かでミスを起こすはずだろうと。



 それが後半からの狙いなのは心を読んで分かっていた。



「強気強気ー! 引き過ぎないようにー!」



 王者に萎縮しないよう声を掛けてから、輝羅は大きく前線の竜斗を狙って蹴り出す。



 此処は身長で勝る米沢がマークに付くと、空中戦で竜斗に競り勝つ。



 頭で弾かれた球はバシャッと水溜まりで止まり、目測を誤った楽斗はボールを取れなくて笹田が先にクリアした。



『石立が弾き返してボールは再び桜見の陣地へ! 戸村から社へ渡った!』



 戸村が中盤寄りまで下がって宮村との空中戦で競り勝ち、海斗へ球は落とされる。



 そこへ忍び寄るのは与一だ。



「パス来ないの?」



 前半のように声を掛けるが海斗は与一の言葉を無視して、ドリブルで抜きにかかる。



「(完全に集中してるね!)」



 海斗が雨の中にも関わらず、卓越したボールコントロールを見せて右から行こうとするが、反応してきた与一が阻む。



『天才の社と神明寺与一の対決! 雨の中にも関わらず互いに機敏な動きを見せる!』



『見応えありますね! これが中学サッカーのトップクラスのデュエルかもしれません!』



 素早く動き回り、与一と海斗の争いが続く。



「うおっ!?」



「わぁっ!」



 与一と海斗はもつれるように倒れ、バシャッと水飛沫が上がる。



 これに戸村が詰めるも忍び寄っていた影二がクリアして凌ぐ。



「その調子ー! 海斗頑張れー!」



 石立ベンチから美怜の応援が飛ぶ。


 彼女にとって、今の海斗が何時も通りの姿だ。



「(すっかり調子を上げちゃって……ま、良くても悪くてもゴールはやらないけどね!)」



 立ち上がって走る海斗の姿を後ろから見た与一。



 その目は鋭さが増していく。

与一「うー、雨水飲んじゃったよー……」


輝羅「凄い雨だけど中止にならないのがサッカーなんだよねー」


神奈「相手が調子を上げてるみたいだから兄さん達気をつけて」


輝羅「妹の応援あれば千人力だねー♪次回、石立の攻撃が次々と襲いかかって来るよー!」


与一「じゃ、存分にやり合おうか天才クン♪」

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