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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第1章 中学サッカー部との出会いと練習試合

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初の練習試合で存在を覚えさせる

 練習試合当日を迎え、グラウンドには既に桜見サッカー部の面々が集結。



 相手の王坂サッカー部から、こちらに来るという話なので彼らは待つのみだ。



「……都大会前の練習試合が王坂か……嫌だなぁ……」



 闇坂影二は一段とネガティブで暗い雰囲気を纏わせる。


 その彼に光を差し込むように話しかける者がいた。



「ヤミー、王坂って大木田以外に厄介なのっているの〜?」



 ネガティブと縁がなさそうな明るい笑顔で話しかける与一。


 王坂について厄介なプレーヤーが大木田しか分かってないので、他に要注意はいないか問い掛ける。



「司令塔の松田……ワントップのレオード……彼らが王坂の攻撃の主軸……右サイドの快足アタッカー、真野も厄介……」



「おー、結構いるね厄介なのがー。都大会準優勝校となるとタレント揃ってるんだねー。彼らが10点取ったんだ?」



「そう……ほとんど当時2年で……松田だけは1年だった……」



 攻撃陣の要注意選手を聞き、与一は理解したのか頷いていた。


 守備が大木田を中心に守って、タレント揃いの攻撃陣が点を積み重ねていく。



 それが王坂の得意とする必勝パターンだと。



「うちは強いのが竜斗と楽斗ぐらいだから……勿論これまで練習して……与一と輝羅が優れてるの分かってるけど……総合力は向こうが上だと思う……今日は何点取られるのか……」



 勝てるとは考えていない影二。


 完全に弱気にしてネガティブな言葉を並べ、そのオーラは強まるばかり。



「ショックだなぁ、僕達そんな信用ないー?」



 与一と影二が話している時、横から輝羅が口を挟んで参戦。



「というか強いのが2人だけって、それは自分を低く見過ぎだよねー?」



「え……」



 言ってる意味が分からず、影二は自分と真逆の存在と思う双子を見る。



「敵として見れば僕はヤミーが一番怖いタイプだと思うよー」



「そうそう、こっちのチームに居てくれて助かるからー」



 与一と輝羅の言葉には戸惑う事ばかり。


 怖いタイプだとか居てくれて助かるとか言われた事が無い。



 勉強は普通でサッカーは得意だが天才レベルで上手い訳ではない。


 何処までも目立たず、凄い者達の陰に隠れてばかり。



 自分が光り輝く事は無いと諦めていた。


 それが初めて言われた言葉に、暗闇のように暗い彼の心が明るく照らされた気がする。



「……僕、強豪相手に勝利に貢献出来る……?」



「勿論♪負ける事は絶対にないから、1点さえ入れば勝てるよー」



「1点さえって……まさか、完封勝利を狙ってるの……!?」



 昨年10点を自分達から取った王坂相手に点をやるつもりは無い。


 1点入れば勝てるというのは、そういう事だろう。



 与一だけでなく輝羅も頷き、双子の気持ちは完全一致していた。



「「点を取られるの、大嫌いだから」」




 少し待つと黄色いユニフォームを着た集団がグラウンドに現れる。



 王坂中の文字が入ってるので、彼らが練習試合の対戦相手に間違い無い。



「今日はわざわざお越しいただきありがとうございます」



「こちらこそ、今日はよろしくお願いします」



 代表して遊子が王坂中の監督へ挨拶。


 大人達が和やかな雰囲気で挨拶をする中、部員同士も顔合わせしていた。



「よ、去年以来か? 熱血君よ」



「──なんだよ、勝手に変なあだ名みたいに言いやがって」



 キャプテン同士で対峙する竜斗は不敵に笑う大木田を見上げている。



 竜斗からすれば去年より大木田が大きく見えてしまう。


 事実、彼の身長は190cmと去年の185cmより伸びていた。



「睨むなって、これでも感心してんだぜ?」



 真ん中分けの黒髪を軽く右手で大木田はかき上げる。



「どうしようもねぇぐらい点差を付けられて、それでも声を張り上げまくって味方を励ます。あれを熱血と言わずに何と言うよ?」



 大木田は昨年の桜見と試合した時、その事を覚えていた。


 相手の竜斗が何点差を付けられても諦めず、立ち向かって行った事。



 それが今も印象に強く残り続ける。



「けど、今年は言っちゃ悪いが──去年程の力は無さそうだな。何より勝とうって気が見えない」



「……!」



 相手の大木田に見透かされてしまう。


 今の桜見サッカー部に、上昇志向が著しく欠けている事を。



「それでも容赦なく行くぜ? こっちは都大会優勝。更にその先の全国制覇を狙ってんだからな」



 大木田はそう言うと、王坂イレブンの元へと戻って行く。



「(あっちはしっかり上を見据えてんだなぁ……)」



 全国制覇を狙い、それに向けて動く大木田や王坂が竜斗は羨ましく思えた。


 本当なら自分もそうありたいと。




「──本当に大丈夫? やる前から勝負が見えてそうな雰囲気なんだけど」



 与一、輝羅がユニフォームに着替えて準備を進める。


 その兄の姿を見ながら神奈は相手と自分のチーム、それぞれを見ながら話すとチームの士気に違いがあって、明らかに相手の方が格上に見える。



「まぁ、押されるだろうねぇ序盤とかー」



「強気に攻めてくると思うよー、守りに入る理由があんま無いしー」



 与一も輝麗も分かっていた。


 相手が積極的に出て来る事は彼らの心を読めば分かる。



 2桁得点してる相手に対し、大量得点で勝ってやろうという気持ちが。



「とにかく見ててよ神奈」



「桜見サッカー部の新しいスタートをね」



 双子は揃って妹へ優しく微笑むと、フィールドに向かう。


 その後ろ姿を神奈はベンチから見守る。




 青と黒のストライプの桜見、GKは白。



 黄色いユニフォームの王坂、GKは赤。



 桜見中学 フォーメーション 4ー5ー1


        赤羽

         9

   室岡   鈴本   霧林

    8     10     11

      宮村  闇坂

       5    14


  新田 神明寺(与) 大橋 西村

   2   24    3   4


       神明寺(輝)

         23



 王坂中学 フォーメーション 3ー6ー1


       レオード

         11

 田中     松田     真野

  14       10      7

   東田   綿山   坂口

    8     5     13


   野坂  大木田   山川

    3     6    4


        板野

         1



 両チームがフィールドに集い、ポジションに着けば開始の時を待つのみ。


 先攻は桜見で竜斗と楽斗がセンターサークルに立つと、その前にボールが置かれる。



 ピィ────



 今日の練習試合を捌く主審によって、開始の笛が鳴り響く。


 竜斗が軽く蹴り出して楽斗が後ろへ戻した。



「! 大きく前へ蹴り出して! 来てるよ!」



「え!? わっ!」



 後ろから輝羅がボールを持つ宮村へ声を掛ける。


 宮村には早くも相手のエース、レオードが迫っていた。



 これに慌てながらもボールを前方へ大きく蹴り出して、王坂のDFラインまで伸びていく。


 大木田が胸でトラップすると早々に球が向こうへと渡ってしまう。



「(相手はセンター、GK共に低い。ならこうだろ!)」



 背の低い神明寺兄弟を見れば、今日の試合は何時も以上にハイボールが有効。


 そう見ていた大木田は桜見ゴール前へと、右足で長距離のパスを空高く蹴り出す。



 力強い大木田のロングパスがグングンと伸びて桜見ゴールに迫る。


 このハイボールに180cmの長身FW、レオードが跳躍へと入った。



 ガッ



「うぐ!?」



 腰を落として飛ぼうとした刹那、右から衝撃が伝わってジャンプのタイミングが狂ってしまう。


 そこには与一がレオードの屈んで低くなった右肩を狙い、思いっきり肩口からぶつかって行ったのだ。



 レオードからすれば死角から急に現れ、不意討ちを受けたようなもの。


 ボールは流れてGKの輝羅が難なく両手に収める。



「 (なんだ、レオードの奴……調子悪いのか? 太陽の眩しさとか今ないのに)」



 天候は曇りで太陽は今出ていない事を大木田が空を見上げて確認した時──。



「走れ右ー!」



 輝羅がパッとボールを離し、地面に落ちる前に左足で蹴る。


 低空飛行のパントキックが右サイドを走る霧林へと向かっていた。



「(凄い正確!?)」



 走る自分の前に落ちてきて、驚きながらも霧林はその球に追いつく。



「っ!? カウンター! 戻れ!!」



 サイドが前に出ていて薄い所を突かれ、大木田は不味いと声を張り上げる。



「キリ!」



 竜斗が右手を上げて球を要求。


 それを見て霧林は低いパスを右足で蹴る。



 高さある大木田と真っ向からハイボールで挑んでも勝ち目は限りなく薄い。


 なのでグラウンダーの球だろうと霧林は判断。



「うぉっ!」



 そこに竜斗が走り込んでボールを取ろうとするが、大木田の長い右足が伸びて来る。


 ボールは弾かれて右のタッチラインを超えると、桜見ボールのスローイン。



「くっそ……!」



 悔しがる竜斗の隣で大木田は額の汗をユニフォームの袖で軽く拭う。


 彼としては急なカウンターが飛んで来て、ヒヤリとさせられた形だ。



「(今の狙って来たのか、あの小せぇGK……!?)」



 視線の先には桜見ゴールを守る輝羅の姿。



 双子が今、強豪達に自分達の存在を刻みつけようとしている……。

与一「小さいからハイボールに弱くてちょろい、とか思ってるよねー」


輝羅「絶対思ってるって、けど通さないんだなこれがー」


与一「僕達まだまだこんなもんじゃないんで♪」


輝羅「次回は徐々に向こうもエンジンかかって来るよー!」

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