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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第3章 熱き関東大会の戦い

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53/99

関東大会の開幕

 朝から夏の太陽が空に輝き、8月の猛暑は関東大会が開幕する日でも例外なく来ていた。



「あっちゃぁ〜、これ再交代のシステム取り入れてくれたのマジ感謝かも〜」



 初戦の試合会場に到着した桜見、ロッカールームにて楽斗は自前の扇子でパタパタと自分を扇ぐ。



「皆、水筒での水分補給だけじゃなく塩分補給も大事だよ。先生が塩飴買ってきたからねー」



 顧問の遊子が自分の荷物から塩飴の袋を取り出すと、選手達に見せて夏の塩分補給の大切さを教える。



「こいつはハーフタイムで疲れた時に良いっすね。10分ぐらいなら噛み砕けて食えるし」



「えー、僕は飴を舐める派なんだけどー」



「僕もー」



「大会中は噛み砕く派になっとけ!」



 噛み砕いて味わう霧林と違って飴をゆっくり味わいたい与一、輝羅としては噛み砕く事が好きではない様子。



「夏のエネルギー補給に塩飴は良いな。絶対に試合で動き回ってミネラル多く失うから手軽に取り戻せるし、甘さもあって疲労回復にもなる」



 遊子が持ってきた塩飴を竜斗は強く推しているようで、遊子に深く感謝する気持ちが双子からは見えた。



「神奈も、ちゃんと水飲んだり塩飴食べたりしてねー。ベンチの方も結構暑いと思うしさー」



「ベンチには大会から全チームに大きな扇風機が支給されるから、ある程度の暑さは大丈夫。勿論しっかり気をつける」



 与一は神奈が猛暑で倒れないようにと声を掛け、ベンチにいても油断せず水分補給等を積極的にするよう勧める。




「今のうちに島岡中学のおさらいをしとくぞ。茨城の予選を最少失点で手堅く勝ち抜き、守備は5バックにトリプルボランチと徹底した守りで粘ってチャンスを待つ」



「何時聞いても5バックにトリプルボランチって守備に力を入れ過ぎだなぁって思うよね。得点あまり狙う気無さそうだし」



 空き時間を利用し、竜斗と楽斗は今日の関東大会初戦で当たる、茨城の島岡中学について話す。



「堅守速攻のサッカーを得意とするから、向こうに凌ぎ切られた時のカウンターに要注意だ。前線がけっこう速いみたいだからな」



「……富永中学の菊池みたいな感じだね……」



「ああ、タイプとしては似ていると思う」



 影二が呟いた言葉は竜斗の耳にしっかり届き、東京の地区大会で戦った富永中学に近いスタイル。


 それが島岡の特徴だ。



「1回戦から1点勝負の感じがしますね」



「確かに守備の堅いチーム同士だから、1点はズシリと来るだろうなぁ〜」



 たった1点の争いになる、若葉の予感には輝羅も同意見。


 島岡中学は此処まで失点は僅か1、最小限に失点を抑えて予選を勝ち上がった守備のチーム。



 そこから得点するのは簡単ではないだろう。



「だからこそ此処で積極的に先制点を狙っていく。滅多に先制された事が無いなら、慣れないケースで慌ててペースを崩すかもしれねぇ」



「守備の時間で疲れさせる。攻撃は最大の防御って言うもんね」



 竜斗と楽斗が攻撃的に行くと伝えれば皆は頷いて応える。



 ☆



『空に輝く夏の太陽が照らされ、暑さとの戦いでもある中学サッカー関東大会。今日から開幕となり、1回戦が行われます』



『予選を無失点と最少失点で勝ち上がったチーム同士の激突と、非常に面白い組み合わせの初戦となりましたね。これはどちらが先制点を取るのか、相当1点が大事な試合になってきますよ』



『なお、相当の猛暑となっていますので観客席の皆様も水分補給を多くとるようにお願いします』



 都大会を上回る規模の会場に観客達は集まり、それぞれが水分補給を行なったり日除けの傘を差したりしていた。



 灼熱の太陽が照りつけるフィールドに、試合を行う両チームの選手達が審判団に続いて入場。



 桜見中学



 スターティングメンバー  ベンチメンバー



 GK 神明寺(輝羅)    GK 青木


             


 DF 神明寺(与一)    DF 倉本


   大橋           若田


   新田


   西村        MF 磯谷


                咲山


 MF 鈴本          


   霧林


   室岡        FW 菊川


   宮村           海東


   闇坂



 FW 赤羽




 キャプテン同士のコイントスを終えると両チームが円陣を組む。



 白いユニフォームを纏う島岡中学は「行くぞー!」「おおー!」と気合の掛け声を行ってから円陣を解き、バラバラに散っていく。



「初戦しっかり勝ってくぞ! 桜見ファイ!」



「「オー!!」」



 桜見も竜斗の掛け声から皆が声を合わせてポジションに向かう。



「いよいよ関東大会かぁ〜、何か……緊張しちゃうね!?」



「先生、監督の人は落ち着かないと」



 そわそわと桜見ベンチで遊子は座ったり、立ったりと明らかに緊張しているのが分かる。



 神奈が横目で島岡ベンチにいる監督を見ると、座らず前に出たまま腕を組んで、試合が始まるのをじっと待つ姿が見えた。




「(注意するのは神明寺兄弟……)」



「(与一の上がりに要注意だ……!)」



 心の中で島岡イレブンは与一、輝羅の双子を最も警戒。



 彼らの都大会での活躍は大会の公式ページで見られ、島岡のみならず他の者達もチェックしている事だろう。



『(やっぱ警戒されてるね僕達)』



『(都大会で派手に目立ったりしたからね与一が)』



『(何か僕のせいっぽく聞こえるよそれー)』



 その心を双子は見ていて、どれだけ自分達が警戒されているのかが伝わっていた。




「やっぱガチガチに守ってんな」



「あれを相手に中央突破は骨が折れそうだねぇ」



 センターサークルに立つ竜斗、楽斗の見る先には自軍を人数かけて固める島岡イレブン。


 得意の堅守速攻は今回の試合でも変えないつもりだ。



 ピィ────



『関東大会の1回戦、桜見中学と島岡中学の試合が今キックオフ! 島岡は自軍を早くも固めていく!』



『この試合でも5バックにトリプルボランチですね。ほぼ全員が引いての徹底した守備陣形で来ましたか』



 桜見は影二まで下げると再び楽斗に繋ぎ、攻撃の糸口を探る。



「(多いなぁ!)」



 1人を躱すと直後に1人が来て、楽斗は相手の人数の多さを改めて感じながらも、左足で右へ転がして霧林に送った。



「うわっ!?」



 あっという間に取り囲まれると、霧林は相手の足にかかって倒れる。



『霧林が倒されてファールを取った!』



 すかさず主審が笛を吹き、ファールの判定を下して桜見のFKを指示。



「さ、出番出番っと♪」



 与一は鼻歌混じりにキッカーの位置へ向かうとボールをセット。



 その姿に島岡イレブンは警戒するような目で与一を見る。



「(流石に直接は狙えないかなぁ……)」



 右からのFKで距離や角度から見て、直接決まる確率は与一といえど低め。


 セオリー通りに行くなら長身の竜斗や大橋を狙ってのハイボールだ。



『(与一、あえて此処はさ──)』



『(──それは面白いかもねー。このまま行くより良さそうだし♪)』



 与一と輝羅はテレパシーで作戦を立てて、与一は1度空を見上げてから相手GKの方を見る。



 太陽は丁度、島岡ゴール前を眩しく照らす。



 それに合わせたのか、与一が敵味方で入り混じる密集地帯へ左足でボールを放り込む。



『注目の神明寺与一のキック! 高いボールが島岡ゴール前に向かう!』



 ボールはGKの方へ向かい、相手はキックミスと見て跳躍からキャッチの体勢へ入った。



「うっ!?」



 その時、太陽の眩しさが入った事で一瞬、目が眩んでしまう。



 キャッチしようとしていた球を逸らすと、そのままボールがゴールマウスへと吸い込まれていく。



 誰もボールに触れていないので与一のFKによる得点となる。



『あっと決まった!? 桜見中学、鉄壁を誇る島岡中学から開始早々に先制点を取りました!』



『GKが目測を誤って取り損ねましたね。これは痛い失点ですよ』




「(こういう日は帽子をかぶっておくもんだよー)」



 与一を中心に喜び合う桜見イレブンを眺めながら、輝羅は1度自分のかぶっている白い帽子を外す。



 相手GKは帽子をかぶっていない状態で、照らされた太陽が思いっきり目に入ってしまう。



 天候や相手を観察して効果的かもしれないと、与一に指示をした輝羅の密かな功績だった。

輝羅「僕は天候に合わせて帽子をかぶるようにしてるんだよねー♪」


神奈「確かにジャンプしてボールを取る時とか上の方を向くと思うから、太陽の光が目に入ってキャッチミスは起こりそうだね」


与一「後は雨の時に雨粒が目に入るとかー、GKにとっての帽子って実はめっちゃ大事だったりするんだー」


輝羅「GKも色々考えて準備するもんだよー。という訳で次回も試合は続きまーす! 桜見の大暴れ開始ってねー!」

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