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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第3章 熱き関東大会の戦い

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混合チームとの練習試合2

「(急造チームだけど動きは悪くないはずだよな)」



 混合チームのDFラインから大木田は味方の動きを観察する。



 彼から見る限り前線は皆が良い動きをして、積極的に攻撃を仕掛けてるように見えた。


 しかし、攻め続けても桜見からは1点も取れていない。



「(まさか、桜見が急にああ来るとは)」



 大木田は少し前の事を頭の中で振り返る。




 桜見はキックオフから10分ぐらい経過すると、竜斗や楽斗それに加えて霧林と室岡の両サイド、主力の攻撃陣が早々にベンチへ下がって交代していた。



 練習試合前、暑さの事もあるので再交代ありで行こうと関東大会に寄せて、両チーム合意の元で取り入れる。



 そのルールを桜見が早速活用すれば、控えの選手4人を一気に投入。


 いずれも交代した4人は守備で主に走り回り、守備固めに努めていく。



「良い感じー!じっくり守って良いよ皆ー!」



 竜斗が下がった事でキャプテンが不在となって、今の桜見のキャプテンは輝羅が担当。


 これが影響してるのか定かではないが、より多くのコーチングが飛び出していた。



「(今の桜見は結構中盤に人が集中してる感じだな。FWはいない……ゼロトップで徹底して守り、チャンスを待つ気か)」



 大木田より近い位置で桜見の動きを剛源が見る。



 桜見の前線に人がおらず、皆FWの位置には付かないで中盤を主に走り回り、混合チームの攻撃に対抗。



 今の桜見は4ー6ー0のシステムと、FWのいないフォーメーションとなっていた。



「九郎、左ー! 太助もっと右ー! 高人は中央注意ー!」



 輝羅だけでなく与一も積極的に声を出すと、交代選手に指示を出しまくっていた。




「いきなり攻撃陣全員メンバーチェンジとか言ってきた時、正直耳を疑ったけどなぁ……」



 早々にベンチへ下がった竜斗は冷たいタオルで涼み、フィールドを走る桜見選手達を見守る。



「与一は扱き使っていくね〜、あのペース最後まで持つかな?」



 同じように水筒を飲んで水分補給に務める楽斗は、与一の色々指示する姿から皆の走る姿を見て、最後まで持たなそうと見ていた。



「でも、それより持たなそうなのは……」



 ベンチに座る神奈の目が混合チームの方へと向く。




「っせぇ!」



 光流のパスを受けたレオードは胸でトラップすると、桜見ゴールを狙って右足でシュートを放つ。



 それを与一が左足を出してブロック、ボールが空を舞って落ちていく所へ輝羅がジャンプしてキャッチ。


 この攻撃も神明寺兄弟の前に不発で終わり、段々と混合チームの攻撃陣の疲労が見えつつある。



「はぁっ……! どんだけ粘るんだよ……!」



「これだけ守備をいきなり固めて来るんだね……!」



 東王コンビの秋城と光流。


 2人は序盤から優勢に攻めて、勢いのままに先制点を狙いに攻撃し続けてきた。


 夏の猛暑で走り回り、時間が経過すればする程に体の負担は蓄積していき、それが今になって現れ始める。



「桜見の守備がいくら無失点だからって、こんな止めてくるか……!?」



「ガチの要塞かよ……!」



 それはレオード、真野も一緒で試合を支配し続けてきたが、与一や輝羅を中心とした分厚い双子の守りを突破出来ない。



 与一のブロックやインターセプト、そして輝羅のキャッチングと阻まれ続けている。



「交代だ! 4人代われ!」



 前線の4人が思ったよりも消耗していると見て、剛源はベンチに目をやると交代を要求。



 疲労によって取り返しのつかない怪我へと繋がってしまう前に、攻撃陣をベンチへ下げさせた。



「(代わった! 神奈、今だよー!)」



 これを見た与一はベンチの方へ向かって交代させるよう、両手を使って合図を送る。



「メンバーチェンジー!」


 


 混合チームの交代と同じタイミングで、桜見は先程ベンチに下がった竜斗や楽斗達の攻撃陣が再び交代。


 再交代を積極的に活用し、向こうの攻撃陣と入れ替わる形で入っていく。



「! (あれが狙いか……!)」



 桜見の交代を見た大木田や剛源達は向こうの思惑に気づいた。


 徹底した守備で固め、混合チームの攻撃陣に攻めさせてスタミナを速めに消耗させる為だという事に。



「さぁさぁ、こっから攻め時だよー! 存分に暴れちゃってー!」



 輝羅がコーチングで竜斗達の背中を後押しすれば、桜見がボールを回し始める。



「ヤミー左!」



「!」



 与一からの声が影二に届くと左の室岡へパスを出す。


 中央には荒木と剛源の強力な東王ダブルボランチが待ち構え、彼らを相手に中央突破出来る確率は低い。



 加えて右の霧林にもマークが行っているので、左の室岡が最も繋がる確率は高かった。



 それを示すかのように室岡は左から攻め上がり、混合チームのゴール前へ迫る。



「荒木! 中央来てる!」



 大木田からの指示が飛ぶと影二が密かに上がる姿を捉え、荒木が向かう。



「室岡!」



 ゴール前から竜斗がボールを持つ室岡へパスを要求してくる声がした。



 これを聞いた室岡は左足でゴール前へクロスを上げる。



「(速い!?)」



 クロスとは思えないような速さで迫り来るボールに、大木田はシュートを撃って来たのかと思って、一瞬驚いてしまう。



 竜斗は速い球に反応して動き、大木田よりも先に行動する事が出来た。


 摩央から贈られたサッカーマシンによる、高速ボールの特訓の成果は此処で発揮。



 ボールに迫った竜斗が胸でトラップすると、大木田が追いつく前に左足でシュートを狙う。



「ぐぅお!」



 ゴール左下隅を突いたシュートに板野は低いダイブで右手を伸ばすが、球に触れる事は出来ない。


 ゴールネットを揺らして桜見の奇襲が成功した。



「室岡良いクロスだったぞー!」



「竜斗先輩よく合わせましたねー!」



 決めた竜斗は良いクロスだったと、室岡へ右手親指を立てて伝える。




「くっ……不覚……! まさか俺達との試合から新兵器を新たに作っていたとは、桜見やはり侮れん……!」



「新兵器って相当大げさに盛り過ぎだろ。それより、あっちは再交代を上手く使ってきたみたいだな……」



 悔しそうに言う大木田に対してツッコミながらも、剛源は新たに取り入れた再交代を上手く使われたと感じた。



「(この暑さの中で攻撃陣が調子に乗ってギアを上げ過ぎたし……桜見は色々と味方に付けるのが上手いな)」



 空は輝きを増す太陽が気温を上げ、フィールドを走り回る選手達の体力を容赦無く奪う。


 今日に限らず関東大会でも夏の暑さが敵となってくるが、桜見は上手く活用して強力な混合チーム相手に先制していた。




「再交代、上手く行きましたね」



「4人交代って聞いた時は僕も驚いたけど……凄いなぁ」



「私もそんな作戦聞いていなかったから、正直「え?」てなりました」



 ベンチの方でも4人一気に交代の奇策は聞いてなくて、神奈も若葉も驚かされる。



「若葉ー! 交代行けるかー!?」



「あ、はい!」



 すると竜斗から声がして、若葉は新田と交代でフィールドへ向かう。



「あっちも休んでた攻撃陣が戻るみたいだよー」



「……向こうも再交代を活用……」



 与一と影二の視線の先には消耗した混合チームの攻撃陣が、体力を回復させて再び交代で戻って来る姿。



「ま、これぐらいの攻撃陣を完封出来ないようじゃ関東大会や全国大会を無失点とか無理ゲーになっちゃうからねー♪」



「……東京の2強を相手に「これぐらい」とか言うのは君ぐらいだよね……」



 相手は東京を代表する強豪2チームの混合だが、与一は完封するつもりでいる。



 彼や輝羅にとっては関東、全国で無失点を達成する為の練習だ。

与一「寒い中ならともかく、暑い中で走り回るって相当だよー」


神奈「プレーが途切れなくて走り続けたら、それだけ消耗も大きくなる。観客の人達も含めて水分補給は本当に大事だね」


輝羅「その選手達を助ける為に再交代が新たに出来たからー」


遊子「本当、凄い時代になったなぁ……。先生の子供の頃とか昔じゃ考えられないシステムだったし」


与一「令和の時代だからサッカーも色々変わってきてますねー♪次回は混合チームの猛攻が次々と来るよー!」

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