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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第2章 地区大会、都大会の戦い

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双子への取材

「「わぁ〜」」



「これは……」



 桜見中学が都大会を制してから数日。



 何時も通りに学校へやって来た与一、輝羅、神奈を待っていたのは関東大会出場を祝う垂れ幕だった。



『祝 関東大会出場サッカー部』



「速いなぁ〜、もうこういうの作ってたんだ?」



「何時もは野球部とか陸上部のしか見てなかったけど……サッカー部もやっと……」



 神明寺兄妹と共に通学していた竜斗達も垂れ幕を見て、楽斗が驚いたり影二が感動したりと反応は異なる。



「お、サッカー部! お前ら都大会凄かったなー!」



「決勝ゴールはマジ痺れたわぁ〜、あれ半端ねぇって!」



 そこへ他の桜見生徒がやってくると、サッカー部の皆へ集まって声を掛けてきた。



「あはは〜、どうもどうも〜♪」



 生徒達が多く集まっていたのは、都大会決勝でスーパーゴールを決めている与一。


 あれが彼らの心に強く刻み込まれたらしい。



「(おいおい……少し前まで普通に通ってたのに、何か凄い事になってんなぁ)」



 これまでサッカー部が注目されるような事など無い。



 それが今こうして多くの者達が寄って来ている光景に、竜斗は夢なんじゃないかと思ってしまう。



 ☆



「校長先生や教頭先生達から凄いチームになったなって言われてねぇー。私が監督して作った訳じゃないのに、もう答えづらくて!」



 放課後、サッカー部のグラウンドに顧問として見守る遊子は朝に校長、教頭達と偉い人々からの称賛を受けて鼻高々という感じだった。



「私もクラスの女子からサッカー部凄いって沢山言われました。私がサッカーした訳じゃないから、どう答えていいのか……「ありがとう」とか言うしかなかったです」



 同じようにクラスの皆が自分に集まって来る事を経験した神奈。



 皆からお兄さん凄いとか言われたり、お兄さんのサインが欲しいとまで言われ、こちらも色々あったようだ。



「しかし凄いチームかぁ、本当に与一君や輝羅君が入ってから変わったね。都大会優勝とかしちゃったし」



「優勝したけど、それで兄さん達は満足してませんでした」



 神奈の視線は緩走と急走を交互に、ランダムで行うサッカー部に向けられる。


 関東大会に備え、スタミナアップのトレーニングが行われていた。




「此処はゆっくり〜、からの逆走ー!」



「はいはい、ボールも行くよー!」



 与一が先頭を走って気分で速さもタイミングも全て決め、それだけでなく輝羅がサッカーマシンを操作すると、高速でボールが走る部員達へ飛んでいく。


 これも当然ランダムだ。



「だぁぁ!?」



「きっつぅ!!」



 試合が何時どう動くのか分からないので、瞬時に対応出来るようにと色々な方向へ向かって走ったり、突然来た球に対応出来るようにする練習。



 スタミナ強化に加えて反射神経や判断力の強化にも繋がるだろうと、考案された独特の練習方法は竜斗や楽斗のレギュラーメンバーでも対応が大変だった。



「はぁぁ〜、桜見ってこんな練習やってるんですねぇ」



「練習内容は生徒が決めてるのですか?」



 サッカー部には村田、泉とサッカーチャンピオンの記者2人が取材に来ていて、今は練習を見学している。



「ええ、まぁ。私自身恥ずかしながらサッカーに疎いものでして、それで年の離れた姉へ相談したら生徒に任せるのが良いと教えられましたから」



 記者の質問に若干緊張しながらも遊子が答えていく。



「戦術に関しては神明寺の2人が決めているのでしょうか?」



「それは……いえ、赤羽君がキャプテンで副キャプテンの鈴本君と決めたりしてますけど、でも口を出す時もありますね」



 村田からの質問に、遊子は過去にあった出来事を思い出しながら話す。




「っと、じゃあ取材時間だから僕と与一は此処で抜けとくねー」



「ああ」



 サッカー部の方に取材がある事は事前に聞いており、輝羅が与一を連れて一度練習から離れるのを竜斗は認める。


 良いタイミングなので部員達は此処で小休憩に入っていた。



「先輩達に取材……やっぱり都大会で凄く活躍したから、大手の記者さんとか放っておかないものでしょうか?」



「どっちにしても取材は凄い……僕も人生で1回は受けてみたいよ……」



 与一と輝羅が取材へ迎う姿を見て、若葉は純粋に凄いなと思うのに対して影二は羨ましく思い、いつかは自分も受けてみたい気持ちが芽生えてくる。




「突然の取材にも関わらず受けてくれてありがとうございます」



「あはは、取材とか緊張してきますねー。迂闊な事言ってSNSで大炎上とか怖いですからー」



 10歳以上離れているであろう、年下にも関わらず村田は丁寧に挨拶をしてきて、与一は笑顔で答える。


 この時、村田の心を読んでみれば彼が真剣に話を聞こうとしている事が伝わった。



「まぁ、そう硬く捉える事なくリラックスして答えてって良いからね?」



 笑顔を見せる女性記者の泉は中学生達を和ませるつもりで、優しく微笑みかける。


 彼女の心も村田に近い物があって、共に今回の取材へ真剣な姿勢で臨む。



「与一君、輝羅君、2人とも中学生レベルを超越した実力を持つのは──やはりお父さんに鍛えられたおかげですか?」



 回り道をせず村田は聞いていく。


 2人にサッカーを教えたであろう父親について。



「そうですねー、主にお父さんから色々教えてもらったりとしてましたー」



「後はたまに来るお父さんの友人から教わったりもして、サッカーの勉強になる事だらけでしたよー」



 特に隠す事もなく、与一と輝羅は正直に幼い頃を思い出しながら取材に答えていた。



「一体どんな事を教わってきましたか?」



「えー、具体的に教えたら凄く長いですが──基本的な技術は一通り教わりましたねー。相手との間合い、寄せ方とかも」



 泉から幼い頃どんな練習をしたのか聞かれると、輝羅の方が答えて父親から教わった事を話す。



「2人がDFやGKと守備のポジションを選んだのはどうしてですか?」



「んー、得点するのも好きで楽しかったけど……それよりも相手を止めて勝つ方が好きっていうのが勝ったからDFを選びましたねー」



「色々なポジションをやって、その結果GKが一番しっくり来るなとなったからですかね。最後の砦としてピンチを凌ぐのがヒーローっぽくて格好良いと、惹かれたのもあって」



 村田からの質問に双子は今のポジションを選んだ動機について語る。


 2人ともサッカーを始めた頃は色々な場所を経験したみたいで、積み重ねてきて今のDFやGKに落ち着く。



「2人の中学サッカーでの活躍に関して、お父さんからは何か言われたりしてませんか?」



「まだ言われてませんよー。まぁ、多分褒められないですねー」



「褒められない……結構評価が辛口で厳しいと?」



 泉からの質問に与一は陽気な笑みを見せながらも頷いた。



「褒める所は褒めますけど、その分ダメな所もズバズバ言うって感じですねー。「パスが甘くて駄目」とか」



「僕も「あそこはパンチングじゃなくキャッチで行けた」とかダメ出し食らってました」



「なるほどぉ〜……結構サッカーに関して厳しいんですね」



 双子の話を聞いて興味深そうに泉はスマホで記録していく。




 その後も双子への質問は色々あって、それを全て答えると取材は終わりを迎えていた。



「本日はありがとうございます。大変良い話を聞かせてもらえて良かった」



「いやー、下手な事喋っちゃったかな? って不安になりますねー」



「大丈夫大丈夫、バッチリ良かったから!」



 村田が丁寧に接するのに対して、泉は取材を終えれば年上のお姉さんという感じで話す。



「記事の方はサッカーチャンピオンに出ると思うから、楽しみに待っててね♪」



「はーい♪」



 泉の言葉に対して与一は明るい返事で返していた。



 ☆



「与一兄さん、泉って記者のお姉さん気に入ったの? 何か何時もより楽しそうだったし」



「え、神奈ってば嫉妬してくれてるのー? 僕愛されて──」



「全然、そうなのかなって思っただけ」



「妹が冷たい〜」 



「よしよしー」



 今日の部活を終えた帰り道、取材の時に泉と親しそうな感じだったなと神奈は与一の事を見ていた。



 嫉妬ではなく単なる興味だと躱しつつ、与一の方は妹に振られて輝羅に慰められる。




「あ、メッセージ来てた──父さんからだ」



 帰り道の石段に3人とも慣れた感じで登って行く最中、与一はスマホに届いた父親からのメッセージに気づく。



『DFがコーチングを忘れるのは一番駄目。あれじゃテストとしては赤点』



 数日前の試合を見た感想が簡潔に纏められ、試合で活躍したはずの与一にダメ出しが書かれていた。



「やっばぁ……」



 心当たりはある。


 星夜に一度抜かれて絶対止めると彼に集中するあまり、何時ものコーチングは疎かとなってしまう。



「僕がカバーしたつもりだけど、お父さんは納得しなかったみたい」



「お父さんの及第点のラインが高いのは今に始まった事じゃないし」



 双子や神奈もサッカーに関して父が簡単に褒めないのは知っている。


 与一が言わない分を輝羅はカバーしたつもりだったが、それでも評価は厳しいものだ。




「……意外っちゃ意外だけど、お前サッカーでは息子に結構厳しめだよな」



 夕方の都内を青い車が走り、そのハンドルを摩央は握っていた。



 その後ろには息子達へ辛口のメッセージを送った張本人が乗っている。



「サッカーに対して本気なのに甘くしちゃ失礼でしょ。彼らが本気なら親として僕は手抜き無しでやるだけだからさ」



 双子の父親にして現役プロサッカー選手、神明寺弥一(しんめいじ やいち)



 彼は息子達がサッカーに真剣で彼らの目標を知っているので、躊躇する事なく本気で教えていた。

与一「サッカーで滅多に褒めないから、たまに褒められると嬉しいんだよねー」


神奈「確かに最後褒められたのって何時なのか……考えないといけないぐらい覚えてないかも」


輝羅「ガチのプロ目線で見られてるからなぁ〜。あ、次回はキャラ紹介その2です♪」

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