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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第1章 中学サッカー部との出会いと練習試合

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部員達のやる気を出させる方法

「ありがとうございましたー」



 練習が終わり、学校から帰宅する途中の帰り道。


 竜斗は行きつけとしている桜見商店街に向かい、ジャガイモのコロッケを購入。



「何時も練習後、まあまぁ食ってんなー」



 側には楽斗の姿があって彼もコロッケを1個だけ買う。



「知らないのか? スポーツで動かした後、30分以内に食う方が強い体を作るって言われてんだよ」



 サッカーと真剣に向き合う身として、そういった知識を持つ竜斗は買ったコロッケを1つ食べている。



「えー、俺休んじまうなぁ〜。今日はたまたま食いたいって日だから付き合うけどさ」



 疲れて食べる気がしない、無理だと軽い感じで言った後で楽斗は熱そうに揚げたてのコロッケを食べ始めた。



「なぁ楽斗、あいつら……あの転校生2人どう思った?」



「んん?」



 既に1個を食べ終え、2個目に手を伸ばす竜斗は食べる前に聞く。


 例の双子の転校生について。



「どうもこうもGKの輝羅って奴凄いだろ。うちの青ちゃんじゃ多分止められないし、確かイタリアに居たんだよな?」



「ああ、生まれた時から14年ぐらい向こうで暮らしてたらしい」



「うわ〜、ガチの帰国子女じゃんか。そんでサッカーをあれ結構やってそうだったし」



 あれから双子にイタリアで暮らしていた事を竜斗も楽斗も聞いた。


 共に向こうのサッカークラブに帰国するまで、ずっと在籍していた事も。



 サッカーの本場イタリアに居たと聞けば、輝羅が自分のシュートを全てセーブしてみせたのは頷ける。


 楽斗が凄かったなぁ、と振り返る一方で竜斗はコロッケを食べながら考えていた。



「(海外……世界、だからあんな力を、雰囲気を持つのか)」



 セービングの凄さもあったが、それよりも竜斗は輝羅の目が印象に強く残る。


 こっちが何を考えても全てを見通されるような目。



 あれで何処へ蹴っても止められてしまう気がすると、飲まれてしまった。



「(与一の奴もやっぱりあれぐらい凄いDFなのか? とにかく明日からの練習で──)」



 竜斗が明日の事を考えていた時。



「此処のカレーコロッケ美味しい〜♡」



「日本のコロッケってこんな美味しいんだね〜♡」



 耳に聞こえてきたのは間違いなく、さっき一緒だった双子の声。


 振り返れば美味しそうにコロッケを食す与一、輝羅の双子がいた。



「あれ〜? 与一に輝羅、2人もコロッケ食いに来たのか?」



「偶然だねー、キャプテンに副キャプテン達〜♪」



「美味しそうな匂いしたから、夕飯まで我慢出来なかったんだよー」



 竜斗より先に楽斗がコロッケ片手に声を掛ければ、双子と笑い合っている。



「(美味そうに食うなぁ。イタリア暮らしが長かったから、日本で当たり前に食えるのが余計美味く感じるのか?)」



 コロッケ1つで、あんな美味しそうに食べるのは珍しいと思いつつ竜斗は購入したコロッケを完食。


 この後に用意される夕飯も食べる予定で彼にとっては何時もの事だ。



「あ、ねーねーキャプテンー」



「うん? どうかしたか」



 そこに与一から声を掛けられ、竜斗は彼へと目を向ける。



「朝練は自由参加って聞いたけど、本当ー?」



「ああ、そこは部員強制じゃねぇから」



「不参加全然オッケーよ? 俺も来てなかったりするし」



「良かったー、僕達は他にやる事あるから行けないんだー」



 朝練の参加について確認すれば与一は安心したのか、コロッケを一気に食べ進めた。



 桜見中の朝練はサッカーに限らず、全部活が自由参加。


 体調が悪くて休みたいと言い出しづらい人に向けて作られたという。



「(朝で他にやる事? ペットを朝に散歩連れてくとか家の手伝いでもやってんのかな)」



 朝練が来れない双子について、竜斗は理由を色々推測。



「放課後の部活はちゃんと行くから! そこはサボらないよー」



「そもそもクラス同じだし、放課後一緒に行こうー」



「分かった分かった」



 『明日の放課後は行く』と念を押すように言ってくる双子に、竜斗は人懐っこい弟が2人居るみたいだと思えてしまう。



 ☆



「部活行くよー!」



「はいGOGO〜!」



「今行くって、待っとけ」



 放課後を迎えると竜斗が与一、輝羅に部活へ行こうと急かされていた。



「竜斗、転校生に懐かれてんじゃん〜?」



「ある意味ハーレムだなぁ、モテ期来て良かったじゃねぇの」



「うっせぇな! ほら行くぞ与一、輝羅!」



 その姿を見られ、クラスメイトはニヤニヤと笑って竜斗をからかってくる。


 怒りながらも竜斗は双子と共に教室を後にした。



「良い感じの学校だよねー、桜見ってー」



「日本の学校って窓ガラス滅茶苦茶割れてて、ガラ悪いのが廊下に座って睨みを効かせてるのかと思ったよー」



「んなヤンキーの集まりみてぇな学校は滅多にねぇって、どんなイメージ持ってんだ日本の学校に対して」



 廊下を歩きながら双子と竜斗は話す。


 日本の学校にそんなイメージを持ってたのは与一の方で、それに対して竜斗がツッコミを入れていた。



「サッカー部もマイペースで楽しい感じで良いねー、ああいうの好きだよ♪」



「僕も同じくー。厳し過ぎてピリピリしたり、空気悪いの嫌だしさー」



 与一、輝羅としてはサッカー部のマイペースな雰囲気は好きで、居心地が良いと感じたらしい。




「──けど、今のサッカー部は上に行く気が無ぇんだ」



 そこに竜斗が口を開き、深刻そうに今のサッカー部についての現状を話す。


 同じ上を目指す同志として伝える決心をしていた。



「今のサッカースタイルで都内ベスト16まで行ったら、それで満足しちまう。後は楽しく中学生活を過ごせば良いって向上心が無くなっちまったんだよ」



 真剣にサッカーをやる者として今抱える問題は隠さない方が良いと、ありのまま双子へ今のサッカー部はこうだと言う。



「竜斗は上に行きたいの?」



 輝羅から問われると竜斗は頷く。



「サッカーやってて全部地区止まりで全国とか行った事が無いけど、勝ちたい。全国行きたい……!」



 竜斗の心に飽くなき全国への出場、そして優勝。偽りなき強い想いが溢れて双子は共に彼の純粋な気持ちを感じ取っていた。



 そして彼がそれをチームメイトに言えない理由。


 目指してるのが自分だけですれ違いが起こり、サッカー部が崩れてしまう事を酷く恐れている。


 なので竜斗は思い切って踏み込む事が出来ていない。



 それが彼を今も苦しめ続ける。



「だったら勝つ為に今日の部活を頑張っていこうよ♪」



「そうそう、という訳で行こうー」



「あ、おい!? 待てって!」



 グラウンドへ出ると、そこから双子が走り出せば竜斗も走って続く。




「皆ー、しんどい授業お疲れ様ー♪」



「授業で今日は寝落ちしそうになっちゃってたよ〜」



 与一と輝羅は、それぞれチームメイト達へ明るく接触していた。



「ははぁ、しんどいってお前ら勉強苦手な口だなぁ?」



「まぁ分かる分かる。昼食を食った後って昼寝したくなるし、あれ眠気との戦いだしさ」



「あ〜、バレちゃった〜?」



「そうそう、危うく負けそうであれは死闘だったなぁ」



 マイペースなサッカー部で同じペースの2人はのんびり、まったりと仲間と談笑をする。




「じゃあ練習始めるぞー!」



 キャプテンの竜斗による練習合図が下されると、皆はそれぞれ練習を始める。


 上昇志向は無いが練習にはちゃんと来て、メニューをこなしていた。



 昨日見学だった与一、輝羅も練習着に着替えて今日から本格的に練習へ参加。


 その時、与一は楽斗を中心としたパス回しに目が向く。



「よっと、ナイスナイスー、もういっちょ行こうかー」



 楽斗はパスを受けると、すかさず相手へ返していく。


 右足だけでなく逆足も使って器用なパスを見せていた。



「おー、流石副キャプテン上手いねー」



「なんだよ、おだてても何も出ないからなぁ?」



 与一がパスを褒めると満更でもなさそうな様子の楽斗。



「ねね、だったらこういう事って出来るー?」



「ん? どういう事……」



 そこに与一がボールを持てば、右足でゴールマウスを狙って蹴り出した。



 カンッ



 与一のキックはゴール右のポストに直撃。



「今の見たー?」



「うん、ポスト当たって跳ね返ってたよな」



「じゃあもう一回行くよー」



 名誉挽回の為かなと楽斗は与一のキックを見守っていた。


 先程と同じ右足のキックで蹴り、ボールを飛ばす。



 カンッ



 するとボールは再びゴール右のポストを直撃。



「んん?(あれ、さっきと同じか……?)」



 その時、楽斗は何かに気づく。


 さっきと同じ所に当ててないかと。



「もっかいやるねー」



 与一は3回目、またもボールを右足で蹴った。



 カンッ



「!?」



 気づいた事が確信へと変わり、楽斗の表情は驚愕。


 彼は3回連続で全く同じ場所に命中させていたのだ。



 偶然でそんな事あるはずが無い。


 与一は恐るべき精度のキックを持つ事を驚きながらも、楽斗は分かってしまう。



「上手いからこういうの出来ちゃうと思うし、行けるでしょー」



「いやぁ……あれ行けるかな俺?」



「失敗して何か損する訳じゃないし、とりあえずゲーム感覚でやっちゃおうよ♪」



「お、おう……!」



 与一に背中を押され、楽斗は試しに右足でキック。


 ボールがゴールポスト右へ飛ぶ。



 カンッ



「!?」



「おお、初回に当てんの凄くない!?」



 1度目のキックで右ゴールポストに当てると、何より蹴った本人が一番ビックリしてしまう。



 こうなると再び当てて与一みたいな連続を狙いたい欲が出てくる。


 だが、次に蹴った時は狙った場所から逸れて外れた。


 何度か続けるも連続で当てるのは出来ていない。



「(ええ〜!?何であいつこれ、3連続で当ててんだ!?)」



 与一のあまりに正確なキックに、楽斗は実際にやった事で彼の凄さがより分かる。



「(マジ!?そんなん出来るのか、あの小さいのも凄いんだ……)」



「(GK凄いと思ったらこいつも技術が化物かよ!?)」



 周囲の部員も与一のキックを見て、楽斗のように皆驚かされていた。




「皆良い走りー♪此処まで後1秒ぐらい速く走れば、もっと凄くて格好良いよー!」



 ダッシュの練習にて与一は自らも走り、速く走る相手を凄いと褒めた。


 そこへ速くもっと走れないかと乗せながら要求してくる。



「うおー!」



「今度は何秒!?」



 何時の間にか部員達は記録更新を狙いたい、となって一生懸命走っていた。



『(与一、相変わらず相手を乗せるの上手いね)』



『(ストレートに一生懸命練習しろって言っても駄目なの分かってるからさー)』



 テレパシーで与一、輝羅は部員達が一生懸命に練習してるのを確認し合う。



 練習しろと言って、それで従ったとしても長くは持たない。


 まずは彼らの長所を褒め、それでゲーム感覚に記録への挑戦を持ちかける。



 人とは新記録を更新したくなるもの。


 人間が持つ心理を利用して、与一は部員達を質の高い練習へ導いていた。




「(どうなってんだ!? 急にマジになってる!?)」



 何時もより活気のある練習風景に竜斗は内心驚く。


 裏で与一の暗躍があった事には気づいていない。




「ドリブル自慢とデュエル自慢、どっちが1on1強いかな〜?」



「そりゃ俺だって!」



「お前この前俺に止められてんだろ!」



 この後も与一は相手を乗せては練習へ導き、のんびりまったりな彼らは部活終了まで一生懸命に練習をしていた。




「つ……疲れた〜、当たらん……!」



「もう足クタクタ〜……」



 練習が終わる頃には、ほぼ全員が全力で練習をやったせいか座り込んだり倒れ込んだりする者が続出。


 平気な顔をしているのは与一、輝羅、竜斗の3人ぐらいだ。



「おいおい、ランニング増やすかこれ? こんなんじゃ試合の1時間持たねぇぞ」



 流石に体力が足りてないんじゃないかと竜斗は部員達のスタミナを不安視。



「じゃあ僕達、明日も朝練は行けないからー」



 与一がそう言って輝羅と共に着替えへ向かおうとした時。



「朝練無理って朝そんな弱いのか〜? それとも何かやってんのかよ〜?」



 バテながらも楽斗は朝に双子が、どうしてるのかと思い声を掛けた。


 それに双子達の足が止まる。



「気になるなら来れる人は早朝にうちへ来ないー?」



「え?」



 輝羅から突然の家に来ないかという誘い、明日も平日で学校があって遊びの誘いではない事は確実だろう。



「早朝に神明寺の家って、本当に何やるんだお前ら?」



「……隠して謎にするのは無し……」



 竜斗だけでなく影二も気になって小声で呟くように言う。




「「神明寺家の朝練だよ♪」」



 双子は声を揃えて笑顔で部員達へ伝えるのだった。

与一「次回は友達を僕達の家へご招待ー♪」


輝羅「そこで皆で朝練だねー?」


与一「後は僕達の家族も出てきたりしまーす♪」


輝羅「という訳で続きますねー」

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