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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第2章 地区大会、都大会の戦い

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都大会決勝 桜見VS柳石

「急げ泉! 試合が始まってしまうぞ!」



「ちょ、待ってくださいよ村田先輩ー!」



 中学サッカー都大会の決勝当日を迎え、男性記者が走って会場へ到着すると女性記者が遅れて到着する姿が見えた。



 彼らは『サッカーチャンピオン』と呼ばれる大手のサッカー雑誌記者で、今日は中学サッカーの都大会に駆けつける。



「全国ならまだしも東京の予選から注目の選手が出て来たんですか? 急に任されて私、把握しきれてなくて──」



「決勝を戦う両校に注目選手が居るんだよ。桜見と柳石の2校それぞれにさ」



 仕事の引き継ぎが上手く行っていなかったようで、その辺り疎い泉は先輩記者、村田からの説明無しでは把握出来ない。



「桜見の方には神明寺与一、輝羅の双子の兄弟。柳石には古神星夜が居て、どちらも目が離せない……凄い試合になるかもしれないんだ」



 中学生だが彼らは今の内に注目しなければ駄目だ。。


 その心に決めながら村田は後輩の泉を連れて会場入りする。



 ☆



「柳石中学は背番号10の古神星夜が得点を積み上げ、5試合で15点を1人で取ってます」



「5戦15点って、それ毎回ハットトリックのペースじゃんか!?」



 ロッカールームで柳石中学について、神奈から情報を聞いた楽斗から驚きの声が上がる。



「15点かぁ〜、一番多く取ってるよねー?」



「今大会では一番ね」



 神奈のタブレットを覗き込む与一の目には相手を単独で鮮やかに躱し、豪快なシュートでゴールを決める星夜の姿が見えた。



 力とテクニックの両方を兼ね備えた得点、それを見せつけてるように。



「守備では伝統の4バックに加え、キャプテンで東京No.1GKと言われる小島康家が守って失点は王坂戦のPKで失った1点だけ」



 神奈がタブレットを操作して、星夜から画面は変わって守備陣や小島の動画が流れる。



「PKじゃないと取れない感じがして堅そう……」



「へぇー、彼が東京のNo.1キーパーなんだ?」



 攻撃力だけでなく守備も堅そうと、影二が小倉で呟く横では輝羅が同じGKに注目していた。



「やっぱ同じGKとしては気になって、自分が東京No.1の守護神になりたいんだろ?」



「ううん、別にー」



 霧林からの問い掛けに輝羅は首を横に振る。



「僕は失点0に抑えられれば良いからさ。GKとしてNo.1だからって、それで絶対ゴールされないっていうのに繋がらないと思うし」



 GKとして最強、1番になるという拘り以上に、輝羅は相手を完封して勝つ拘りの方が強かった。



 自分がトップに立つよりも自分の守る領域へ誰も侵入させない。


 彼の中では何よりも重要だ。



「それと、もう1人の要注意選手が柳石には居ます──」



 続けて神奈がタブレット画面をスライドさせ、次の要注意選手について説明していく。




「相手は地区大会から無失点を続ける桜見だ。今日は何時も以上に1点が重くのしかかると思うから皆立ち上がりは慎重に──」



 柳石のロッカールームでキャプテンとして小島が声を掛けると、そこで試合が迫っているにも関わらず椅子で爆睡する者が見える。



「おい影丸! 試合もうすぐ始まるのに寝てるな!」



「んあ? あ〜、キャプテンおはよう〜……」



「おはようじゃねぇし!」



 都大会の決勝にも関わらず、マイペースに寝てて起こされれば呑気に挨拶する柳石の選手。



 短髪の前髪に赤いメッシュが入った少年、火岡影丸(ひおか かげまる)は起きたばかりで眠そうな目、意識は覚醒しきっていない。



「影丸、今日も頼りにしてるからな?」



「……なんか星夜、何時もよりやる気出してない〜? もう俺達関東大会の進出が決まってるのに〜」



 肩を軽く叩かれ、影丸が視線を向けるとチームのエースが爽やかな笑顔を浮かべていた。


 それが影丸からすれば、普段より気合が入っていると感じ取る。



 都大会決勝進出した事で柳石だけでなく桜見も関東大会進出を決めている。


 なのに何故楽しみにしているのかと。



「影丸の眠気も飛ぶぐらいの凄い相手と戦えるからさ」



「ん〜、星夜ぐらい凄いのが居るとか思えないんだけど〜」



「やれば分かるって」



 そう言うと星夜はロッカールームを出て、影丸は眠そうにしながらも彼に続いて決戦のフィールドへ向かう。




 流石に都大会決勝となると注目度は高まり、人々の歓声が目立って聞こえてくる。



 大方では東王と王坂の決勝を予想していたはずが、全く違う2校の決勝戦となった事もあるかもしれない。



「東京で最強になってから関東大会に乗り込む。全国制覇を目指すなら、やるっきゃねぇだろ!」



「桜見ファイ!」



「「オー!!」」



 桜見で円陣を組むと何時ものように、竜斗の掛け声から皆が声を揃えて恒例の儀式は完了。


 皆がポジションへと散っていく。



「決勝戦、此処まで来たら勝って東京No.1チームとして、堂々と関東大会に殴り込みだ!」



「目指すは頂点!」



「「GO柳石!!」」



 柳石もキャプテンの小島による掛け声から声を合わせ、闘争心を高めた後にポジションへ向かう。



 黒と青のストライプユニフォームの桜見、GKは白。



 グレーのユニフォームの柳石、GKは赤。



 桜見中学 フォーメーション 4ー5ー1


        赤羽

         9

   室岡   鈴本   霧林

    8     10     11

      宮村  闇坂

       5    14


  新田 神明寺(与) 大橋 西村

   2    6    3   4


       神明寺(輝)

         1



 柳石中学 フォーメーション 4ー4ー2


      畑野  古神

       9   10

   佐藤   森本   火岡

     11    8     7

        大塚

         5


  丸山  谷口  岡井  富田

   2   3    6   4


        小島

         1



 センターサークルに立つ星夜の視線が桜見のゴール前、与一と輝羅の双子を真っ直ぐ見据える。



『(向こうの天才、やる気充分って感じだよ)』



『(何か僕達が火を点けたっぽいねー)』



 テレパシーのやり取りで星夜が自分達に対して、意識している事を確認し合う。



『(エースに目が行きがちだけど、7番も曲者なんだよね)』



『(神奈から聞いてなかったら単なる眠そうな子ってイメージ強かったねー)』



 チームの絶対的である星夜だけでなく、双子は相手の右サイドで欠伸をしている影丸に目を向けた。



『(あれで柳FCの時、古神の相棒を務めていたって言うから人は見かけに寄らないなぁ)』



 試合前に神奈から聞かされた話を輝羅は振り返る。



 小柄寄りな体格の火岡影丸は並外れたテクニックを持ち、星夜のゴールをアシストするだけでなく、自ら持ち込んで決められる力を持つ実力者。


 柳FCの時にも活躍していて星夜と影丸で黄金コンビと、そう当時は言われていた。



『(小学校の時に活躍した黄金コンビが復活して僕達と戦うか〜、面白いじゃん♪)』



『(そうだね、東王も結構強かったけど今回はそれ以上になりそうかな)』



 やがて試合開始の時が迫れば与一、輝羅の2人は試合への集中に入る。




 ピィ────



 柳石のキックオフで試合が始まると、星夜が軽く蹴り出して畑野が後ろに戻す静かな立ち上がり。



 竜斗が開始からボールを奪いに迫るも、落ち着いたパス回しで柳石はプレスを躱していく。


 そこに右サイドの影丸へボールが向かう。




「(え……!?)」



 次の瞬間、影丸のマークに付いていた室岡の右頬をボールが掠めていた。



 影丸は来た球に対してトラップせず左足でダイレクトパス。


 シュート並に速い球だけでなく室岡に当てず、すり抜けさせる正確無比なコントロールも兼ね備えたボール。



 桜見ゴール前に矢のようなパスが来て、星夜は影丸が出すと分かっていたのか、その位置へ走り込んでいる。



「(何時も通りのナイスパスだ!!)」



 そのまま星夜の右足がボールへ伸びると、これもダイレクトで撃つ構え。



「あっぶなぁい!!」



 桜見DFが星夜と影丸に対応しきれていない中、与一だけがパスに反応すれば動き出していた。



 星夜がダイレクトボレーを撃つ前に、左足で蹴り返してクリアとピンチを凌ぐ。



「流石、読んでいたか」



「開始からエグい事してくるなぁ〜。取る気満々じゃんー?」



「FWだからね、当然ゴールは狙わせてもらうさ」



 与一と星夜は目が合うと互いに笑みを浮かべると、開始早々から両者の間で火花が散る。

与一「眠そうな彼、結構速いボール出して来てビックリしたぁ〜」


輝羅「曲者が現れたねー」


与一「ちなみに試合前の彼の心は本当に「眠い、寝たい」で睡眠欲が凄かったよー」


輝羅「寝るのが大好きなんだなぁ、次回も続く桜見VS柳石! かなり相手は手強いからー!」

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